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トリササmoon
2022年5月28日 11:45
完結章 「彷徨う小鳥」サマヨウコトリ月面都市空港「MOON CITY AIRPORT」から飛び立ち、ミクロトンネルを通過した高速シャトルの目前には美しい青い惑星が浮かんでいる。「本当に美しい星ね。早く降り立ちたいわ」窓の外に映し出されている青い地球にうっとりとユージニーが呟いた。宙の漆黒に映える水を湛えた青く輝く美しい惑星が、自分達を歓迎してくれているようにも思う。「ワクワクするでしょ
2022年5月28日 11:39
最終章 「夜天一族」ヤテンイチゾク「ママ!愛たかったー!いつまでいられるの?」久々に顔を合わせた母親に擦り寄り、まるで飼い犬の如く視えない尻尾を振っているだろう菫青のテンションはMAXに達しようとしている。「菫青~私も愛たかった~」母親菊花は娘のような息子を抱き締めた。「フフフ、嬉しい!月に来て好かったと思えることの一つだわ」下手をすれば何年も顔を合わせることもないほど、一家団欒には
2022年5月24日 15:28
第十一章 「銀河の中心にあるのはブラックホールの際限ない収縮」ギンガノチュウシンニアルノハブラックホールノサイゲンナイシュウシュク「お帰りなさいませ。菫青様。星葉様。本日はお疲れ様でございました」「夜天家」月の邸に戻った双子を出迎えたのは、独り留守を護っていたオリオン三兄弟の一人ミンタカである。「「ミンタカ、ただいま~」」双子が同時にハモッた。「「お帰りなさいませ」」「「!?」」
2022年5月6日 15:43
第五章 「月の女神の唄う場処」 ツキノメガミガウタウバショ刻は少し遡る。双子達はコザル兄妹に連れられて次元トンネルを通り抜け、月の裏側の「人魚の国」へと辿り着いていた。そこは不思議な世界が広がっていた。緑深い森の中なのに宙を漂う海月のような半透明の生物が揺らいでいる。「コザル王女。ここはどうなっているの?」水の中の生物なら陸上で生きられない。ここが水中なら自分達は呼吸していられない