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なつかし劇場/オダサガ・イズ・ビューティフル
小田急相模原駅。
東京下町に住んでいる人間には縁がなく、よっぽどの目的がない限り降り立たない駅の1つでございます。
仕事仲間の間で、飛び抜けて呑み助だった小生に、これまた呑み助のハヤト先輩が言うのです。
「裸族。生ビール1杯10円だぜ!おごってやるから来いよ」
小田急相模原にある、ハヤト先輩の行きつけの居酒屋が新装オープンで出血大サービスをすると言うのです。
ピンサロや朽ち果てた居酒屋が立ち並ぶ、ドヤ街の見本のような小田急相模原に、降り立つ小生。
雑居ビルの地下にある居酒屋で飲みまくり、ベロベロです。
「今日は、オレんち泊まれヨ〜」
「ウイ〜す」
線路脇のボロアパートに入ると先輩は、
「オレ、もう寝るわ〜。裸族はそのベッド貸してやる」
見ると、タバコの銘柄『CABIN』と書かれた赤いベンチが2つ、向かい合わせで置いてあるではありませんか。
「ああ、コレ?駅前にあったヤツ。新しいから、もってきちゃった」
無法地帯の小田急相模原では、許される行為なのでございましょう。
翌日。
二日酔い爆発の2人。
「裸族。昼飯はせっかくだから、オダサガ名物食ってけよ。オェ〜ッ!」
「先輩、気分悪いんで帰りますわ。オェ〜ッ!」
空えずきのラリーが続きます。
先輩の地元愛に押され、入ったのは『萬金』と言うキョウザ屋。
入店し、ギョウザ定食を注文。
水を飲みまくり、吐き気の回復に努める2人。
やがて、大ぶりの丸いギョウザ数個とライス、スープを若い店員さんが、カウンター越しに出してくれます。
特製ダレをつけ、ギョウザを1つかじってみると、、
うめえ!
できれば、二日酔いでないときに食べたかった。
ライスの盛りも少なめだし、なんとか完食できると思い、ライスに箸をつけると。
「バカヤロウ!」
先程、注文を取ってくれた温和そうな店長が激こうです。
オダサガ恐るべし!
店員さんを叱りつける、激こうオヤジ。
「この人達を見ろ?男だ!男には、男盛りだ!」
店長に、手に持つどんぶりを取り上げられる2人。
戻って来たのは、超特盛のライスです。
ソレを目にした途端。
「ウグッ!」
渾身の力で空えずきを抑え込む小生。
完食を期待するように、カウンター越しに微笑みかけてくる店長。
これはもう、完食以外の道はありえない。
空えずきの波状攻撃という爆弾を抱えた、ハヤト先輩と小生の、
明日はどっちだ!
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。(*´∀`*)
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