【金剛バス】千早線の旅(1)富田林駅前→千早ロープウェイ前
近鉄長野線の主要駅で富田林市の玄関口の富田林駅は寺内町の玄関口ということで和風の見た目です。この富田林駅東口を拠点として富田林市内や周辺の太子町・河南町・千早赤阪村へ路線網を持つのが金剛バスさまです。
鉄道系列の会社ではなく、関西の乗合バス事業者がほぼ加盟しているスルッとKANSAIにも加盟しておらず、独立色の強い会社として知られていました。しかし、2023年12月20日をもってバス事業を廃止し、会社自体も廃業すると報じられています。
富田林駅前から乗るのは本線系統ともいえる千早線の千早ロープウェイ前行きのバスです。濃淡の緑色のツーステップバスが発車を待っていました。車内は混んでいて、緑色のシートを地元の方らしい多くの人々が埋めていました。
富田林駅前を発車した千早ロープウェイ前行きは金剛大橋で大和川の支流の石川を渡り、東へ向かいます。市街地の狭く交通量の多い道路で何両ものバスとすれ違い、この会社がなくなるとは未だに信じられません。市街地を抜けたバスは金剛山地の山々へ分け入っていきます。
富田林市から河南町へ大阪平野の南東端の長閑な景色の中を走り千早赤阪村へ。山々が迫ってきた千早赤阪村役場前で多くの人が降りてしまいました。大阪府唯一の「村」の千早赤阪村役場は思ったより現代的な建物です。
木立の合間に棚田の集落が現れる金剛山地の山の中を金剛バスさまの千早線千早ロープウェイ前行きのバスは行きます。山深く集落のある金剛登山口停留所を過ぎると乗客は私1人だけ。賑やかな富田林市街とはまったく印象の異なる景色ですが、これもまた金剛バスさまのおかれた現状なのでしょうか。
富田林駅前から40分ほどでバスは終点の千早ロープウェイ前に到着しました。
転回場のあるバスターミナルには金剛山地の深い山々が迫っています。小春日和の富田林駅前とはまるで別世界で、植え込みにはまだ霜が残っていました。