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【山陽バスむかしさんぽ】(7)山陽舞子駅前

風光明媚な舞子地区の山側に佇む舞子公園駅。山陽電車の普通車が発車していきました。今は現代的な橋上駅舎になっている同駅ですが、かつては地平に小さな駅舎があり、今も建物が残されています。

山陽電車舞子公園駅

舞子公園駅の山側にあるのは小さなロータリーで、今では想像できませんが、「山陽舞子駅前」というバスターミナルがあり、ここから山陽電鉄バスの舞子線のバスが発着していました。このターミナルが開設されたのは山陽舞子駅前~送信所前(今の舞子台4丁目)~大坪(今の舞子台6丁目)で舞子線のバスが運行を開始した1961年のことです。

舞子公園駅前ロータリー

しかし、敷地が狭く、踏切の近くでバスの転回をおこなっていたために危険と判断されたために、わずか4年後の1965年には駅から離れた山側に「舞子駅前」バスターミナルが整備されます。このバスターミナルがあった場所を訪ねてみましたが、神戸淡路鳴門自動車道の建設で景色は一変し、バスターミナルの痕跡どころか、周囲にあった住宅も道路も跡形もなく姿を消していました。

「舞子駅前」の跡地?
「舞子駅前」の跡地?
「舞子駅前」の跡地?

舞子公園駅の山側にあった「舞子駅前」バスターミナルが使用されたのは1965~1968年のわずか3年で、1968年5月19日には国鉄(現JR)舞子駅前に新設された現在の舞子駅前バスターミナルへ移設。路線も新道となった舞子多聞線の道路を経由するように変更されました。

現・舞子駅前バスターミナル

こちらは神戸市交通局さまのFacebookページに掲載された「山陽垂水駅前」の様子です。背後には舞子公園駅の駅舎が見え、続いていく坂道は今もある舞子ホテル方面への坂道です。写っているのは市バスですが、当時の様子がよくわかる一枚ですね。

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Posted by 神戸市交通局 沿線NAVI on Sunday, August 29, 2021

廃線跡調査が一つのジャンルとして成立している鉄道趣味に対して、バス路線は休廃止されればそこはただの道路になってしまいます。そのせいか、「廃バス跡」の調査はバス趣味の世界でもかなりマイナーな分野なのが現状です。しかし、「廃バス跡」の調査からは忘れられ、失われてしまったちょっと昔の町の姿が見えてきます。この「山陽バスむかしさんぽ」シリーズでは、今の神戸や明石を歩きながら、かつて走っていた山陽バスと昔の町の面影を辿っていきたいと思います。

参考文献山陽電気鉄道株式会社『山陽電気鉄道百年史』(2007年)山陽電気鉄道株式会社『山陽電気鉄道六十五年史』(1972年)


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