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2024.12.20 笹塚の変わらないとこ。変わらないで、ほしいとこ【くだらない日記】

笹塚駅の改札を出たらけっこう見慣れない景色になっていて、もうだいぶ長く来ていなかったんだと知った。

高校生の頃は、習い事で2週間に1〜2回は来ていたのに。

習い事は合気道だった。頻度があいまいなのは、そこまでやる気がなくてしょっちゅう休んでいたためだ。女の子だから護身術を、と月謝を払ってくれていた親の気持ちを思うと申し訳ない。本腰を入れていなかったため、今ではほとんど型も思い出せない。

そういえば、ちょうどその合気道をやっていた頃から、笹塚駅のまわりはどんどん改装されていた。

地元・明大前からふた駅しか離れてないので子どもの頃からよく来てた街。当時と比べると、高校生だった10年ほど前の時点ですでに様相が変わっていた。

そして、そこからさらに一段階変わった景色。5歳の頃にみていたはずの笹塚を、もうほとんど思い出せない。

待ち合わせしていた友だちと合流し、十号坂のフランス料理店へガレットを食べに行った。

カウンター席で、フランス出身のシェフも交えておしゃべり。楽しくて美味しかった。

でも今日はちょっと楽しくない、重ための話もしたかった。気さくなシェフを暗い話題に巻き込むのは申し訳ないので、場所を変えてお茶することに。

よくあるチェーンでもいいけど、どちらかと言えばチェーンじゃないところがいい。ガザについてのあるフリーペーパーを読んでから、どうしてもの場合以外スタバを選ばなくなった。

そういえば、駅前にあるショッピングモールの中に、ちょっと気になる淳喫茶があったのを思い出す。

「まだやってるお店なのかな?」
「うーん、ないかも。あそこの中もだいぶ変わったし」

いつまで経っても覚えられない、そのショッピングモールの名前は「21(トゥエンティワン)」だった。

ここは本当に子どもの頃からある。地下にスーパー(クイーンズイセタン)が入っているのだが、そこへ下っていく階段がちょっと面白い。正面の壁に、キャラクター化されたニワトリやトマトのからくり人形が時計と一緒に飾られているのだ。このニワトリたちは、1時間に1回音楽とともに動き出す。

3歳だか4歳だかのころ、父親と一緒に階段に腰かけてその様子を見ていた記憶がある。今日、人形たちがまだ健在なのをみてかなり嬉しかった。

トゥエンティワンは2階建ての、こぢんまりとした古いショッピングモールだ。1階にはミセスラインの服屋や雑貨屋、紀伊国屋書店、靴屋、ちょっとしたイベントスペース。今日はキャラクター雑貨が売られている。

2階には昔、ゲームセンターがあった。子どもの頃のわたしが唯一入ってよかったゲームセンターだ。ここも父親とよく来て、キャンディをとれるゲーム台で遊んでもらったんだよな。

断片的によみがえってくる記憶。なぜ幼いころ、父とよく笹塚へ来ていたのかはまったく思い出せない。その頃、合気道教室はなかったし、父が連れていってくれそうな公園も笹塚の近くにはなかった気がする。

純喫茶はたしか2階にあったのだが、館内図をみてもそれらしい名前が見つからなかった。

「やっぱりなくなったのかもね」

ゲームセンターはすっかりなくなり、今ではニトリのデコホームが入っている。その変化までは把握していたけど、ほかにもいくつか知らないテナント名が入っていた。

せっかくなので2階にもあがってみる。やっぱり存在感を示すニトリデコホーム。キャラクター文具やおもちゃを売っている雑貨屋をのぞいていたら、吹き抜けの反対側に、なんと探していたと思わしき純喫茶の姿を見つけた。

「え、あるじゃん!」

店の名前は「ぽえむ」という。レトロな看板と、エスカレーター横に小さく展開する、慎ましい佇まい。

ぽえむには多分これまで来たことがなかったのだけど、まだここにあることを嬉しく感じた。トゥエンティワインも、この店も、ずっとなくならないでほしい。

で、あとから知ったのだが、ぽえむはけっこう広く展開されている立派なチェーン店だった。

なんと高知や沖縄にも店舗があるらしい。1号店は阿佐ヶ谷で、漫画作品の舞台にもなっているのだという。

ぽえむで頼んだのは、中深煎りのコーヒーと濃厚でむっちりとしたチョコプリン。コーヒーも話題もほろ苦かったので、お供にするにはいい塩梅だった。

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