【往復書簡:ひびをおくる】鳥野みるめ003
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柳沼雄太様
こんにちは。7月ももう終わろうとしてるのにまだまだ傘の手放せない日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか??
先週もお手紙ありがとうございました。
ポストを覗くことや文房具屋さんで今の気分にあった便箋を探すことが、楽しい習慣になりつつあります。
柳沼さんからのお手紙で「不自由さを楽しむ余裕」という言葉にとても共感しました。もう背は伸びたり身体が大きくなることはなくても、心まだまだは少しずつ成長しているんだなあ。目標に向かってまっすぐ走るだけでなく、期待を原動力にして前に進むことのできる大人のわたしたちはまだまだいろんなものに出会える気がしますね。
最近は海だけでなく、神社やお寺もお散歩していて。
手を合わせて気持ちを沈めると「疫病退散、世界平和!」なんて大きな願いをよりも「大切な人が今日も健康でしあわせでありまうように。」といつも自分が気にかけているようなことしか思い浮かばなくて。世界が大変な状況の中でも、わたしの大半はそうゆう願いでできているんだなって思ったり。そして神様よりも自分が大切に思う人たちをいつだって一番に信じているのかもしれません。
東京の夜の情景、お手紙読みながら簡単に想像ができて。わたしも日常だと思っていたけれども、もしかしたら世界的にみても深夜にこれだけ人が起きていて明るい町って実は珍しいのかも…なんて思ったり。
そして慣れた町の日常は慌ただしく過ぎ去る中でも、少しずつ身体に馴染んで自分を形成する一部になるのかも知れませんね。
最近は往復書簡のためにスナップを撮ることが多いのですが、写真を並べるとすべて自分が選択して切り取ったものなんだなとひしひしと感じます。写真に限らず、コンビニのおにぎりでも自販機の飲み物でも、そのとき良いなと思ったものを自然と生活の中でも自分のために選んでるのが不思議ですよね。
LOSTAGE少しずつ聴いています。ライブの映像を見て3ピースのバンドって独特の力強さがあるよなあと改めて感じたり。またぜひゆっくり魅力を教えてください!(最近はホームセンターでカホンとか作れないかな…とか、考えてます。)
早く晴れた町でぬるいビールを飲みながらゆっくりしたいですね。東京での夏の楽しい過ごし方もまたお話聞かせてください。
2020.07.25 鳥野みるめ
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先日北千住で茶寮を営むKiKiの #OCHAnoWA オンライン茶会に参加しました。お洗濯物が乾かないね、とかそんなこと言いながらお互い元気にしてるか確かめ合ったりして。
”とりとめのない話”
まとまりがない「重要ではない」という意味を持つ表現。 はっきりとした結論がないこと、文脈にまとまりがない様や目的がない様。
大きな変化があるわけでなく日常の中で生まれるふとした、会話の重なりが、生活そのものなのかもしれないですね。
この往復書簡の手紙の中でもお互いの過ごしている時間の流れやそれぞれの暮らしの様子や答えを求めることのない文章は、忙しい日々の中で生まれる余白のようで。
「手紙」の文章は、なんだかお茶を飲むときの感覚と似ているなあと思ったのでした。
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