黒神話:悟空やってみた!③
多分日本で(マジにマジに)屈指の 超超へっぽこゲーマー! が難易度高いと噂の人気ゲーム「黒神話:悟空(原題Black Myth: Wukong)」やってみた! …の③ですよ
とりあえずやっと2章クリアした!!
最初に言っておくがゲーム攻略の役には立たない
アクションゲームめちゃくちゃ下手くそな人間が、「西遊記」というだけで無謀にもチャレンジし案の定果てしなく死につつ、でも諦め悪くリトライを繰り返し、通常の人の3倍~5倍くらいの時間をかけて少しずつゲームを踏破していく、その過程での雄叫びをかきとめた だけ のnoteである
一応ガチ?西遊記クラスタとしては原作について(オマージュポイントに関して)はそこそこ解説したいので、
★ゲームやったが原作ミリしらなので原作厨のコメント見てみたい
★ゲームやってないが西遊記は興味あるのでどんな雰囲気のゲームかプレイ日記を垣間見たい
★アクションゲー苦手な人間の悪戦苦闘ぶりを生ぬるく観察したい
という方はぜひご笑覧頂きたい
またこの続きnote④が書けるかどうかはへっぽこゲーマーの腕次第なのでその辺も生ぬるく見守って頂けると幸い
一応ゲームストーリー上重要なネタバレはなるべく避け、「そういう敵キャラが存在するぞ」くらいな説明にとどめておくのでこれからゲームをやる人にもさほどの問題はない、はず、なのでどうかぜひやってくれ、頼む
①はこちら
②はこちら
…では2章経過報告!
第2章の副題は「風起黄昏」
事前に(!)攻略WEBサイト(↓主にこちら、お世話になってます)
https://kamigame.jp/wukong/index.html
で確認したところによれば中ボス「虎先鋒」や章ボス「黄風大聖」なる妖怪が陣取る。原作勢にはこの妖怪の名前だけで「あーあそこ!」と相当する話が分かるはず。そう黄風怪(テンの妖怪※)の回(第20回〜21回)だ。
※テン(貂)は原典では「貂鼠」と書かれ、字面的にまるで鼠の仲間のように思われるし霊吉菩薩さまの説明でも「こやつは元々霊山に居たネズミだったが皿の油を盗んで逃げ出した」とあるが貂はイタチ属で敢えて言うなら犬に近く、ネズミ(齧歯目)じゃないんだが、と突っ込みいれてもしょうがないそういう設定なんだよ西遊記原典では。
それはさておき、2章はいきなり主人公が矢ぶすま状態で死んで倒れているところから始まる。さすが死にゲー。謎なNPCに蘇生してもらい体に刺さった矢も消えたところで意味深な台詞ももらいつつ恐る恐る新MAPへGO。
下手なりに1章分は学習した私は、とりあえず1度も死なずに村の入り口にたどり着き、第一の祠(ゲーム内HP.MPフル回復&蘇生&別MAPへのワープ等の超重要アクセスポイント)を解放。
一息ついたのでよし、いつでもここから復帰できるぞ、と安心したのがいけなかったらしい。目の前の村に「まずは試しだ」とふらり近づくと門の屋根に雑魚妖怪が複数弓を構えていて、あッこれやべえと思うや、あっという間に矢ぶすまになって死んだ。わずか30秒足らずの出来事。
な、る、ほ、ど! 2章出だしの蘇生イベントはこれね!(憤怒)
敵だけめっちゃ遠距離強攻撃+状態異常x複数ずるくない!?!?!?
ちな、うっかり別の雑魚妖怪に攻撃されダウンしたところを波状攻撃くらったりして村の入り口で最低でも3回は「30秒以内に即死」した(学習能力ねえなおまえ)。
このゲームには残念ながらエリアマップ表示機能はなく、リアルな風景だけで(プレイヤーとして実際に中を歩き回ることでのみ)全体のエリアを把握するしかない。なまじグラフィック美しすぎてエリア限界が目では判らないので時には「ぶつかってそれ以上行けなくなるまで進み」エリアの端っこを体でじかに確かめる。高台に上って全体を見回してざっくり位置を確認し、雑魚の殺し方(殺し順)を試行錯誤し、時には雑魚相手でも死につつ、ちまちまとレベルを稼ぐ。
もちろん常に攻略P首っ引き状態、大事なNPCキャラとの会話も漏らさず、弱くてもなんとか勝てそうな中ボスから徐々に片付けた。YouTube動画で事前に確認した「最初の難関:虎先鋒」にはなるべく触れないようにして、村を出られるようになってもなお相当の時間あえて避け続け、違うエリアを探索し続けた。おかげで本来なら虎先鋒を倒してから行くはずのエリアを先に踏破してしまい、虎先鋒を倒して奥をくぐりぬけてから初めて「アレ?ここ知ってる!こんなところにつながってたんかい!」と幾度も驚くはめになった。わりと諸所でマップはつながってたw
以下、2章の中ボス+章ラスボスをざっと紹介しておく。中ボスと判断できる敵の要素は以下の通り
「一度撃破すると二度とMAPに出現しない※/もしくはNPCになる」
「レア系アイテムや鬼火(HPに還元できる)を落とす」
「魂魄(主人公がゲットすると変化術のひとつにできる)を落とす」
※念のため改めて追記。このゲーム、祠でHP/MP全回復する度に雑魚敵はすべて元通り蘇るので永遠に戦い続けることができるのだ。蘇らないのは特殊な中ボスということ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
★波裏波:雷属性のカエル。倒すと大事なNPCのひとりが丹薬の錬成をしてくれるので必ず撃破したい。
★地狼:出だしの村に居た。コモドオオトカゲ?みたいな妖怪
こいつと対戦する前に、まず周囲にはびこる弓矢持ってる雑魚とか杖持ってて遠距離攻撃してくる妖怪道士とかを始末しておくのがちと面倒(雑魚に割り込まれると100%死ぬ)
★沙国王、息子の沙二郎:ネズミの妖怪。国王はゴラムみたいなちび妖怪であまりネズミには見えず息子のほうもあんまネズミっぽくない
★沙大郎:ネズミの長男…でかすぎてもうぜんぜんネズミじゃない
★疾蝠:こうもりの妖怪(中ボスだと気づかず撃破してた)
★虎先鋒:2章最凶の中ボス・虎。臥虎寺の奥、血の池で待機。寺の前は血まみれ肉片まみれ、食い散らかしがひどくて行儀悪いぞ虎先鋒。
マジで強く、一晩戦って勝てずレベルアップに一度離脱、そのあと武器を強化し防御力最大まで上げて再戦し、何十回目かのリトライの後、撃破。
★鼠禁衛:赤ネズミ3匹セット、1匹ずつ来いやあ!!(3匹同時に相手にすると死ぬのでなるたけ引き剥がす作戦で)
★虎倀:虎だよね?サムライ気取りのやつ。橋の真ん中で待機しやがって、こっちは橋から落下すると死ぬのに敵は絶対に落ちない仕様になっててくそが!!とののしりながら何度か再戦する羽目になった(防御は弱いので何度か攻撃当てられればなんとか勝てる)
★石中人:へんな形の石の(網状の)檻の中にいる妖怪。土地神だったらしい。条件を満たしたのち一度戦って勝てばNPCとして物売り行商人の役割をしてくれる
★石母:キラキラ青い水晶を頭にくっつけためちゃでかい石の妖怪?条件を全部満たした筈なのにイベントが全然始まらず30分くらい無駄に右往左往した…つらたん。畜生!とつい八つ当たりで亡魂に変化して頭突きをかましてみたら突然戦闘が始まって無事イベント開始→勝って終了
★石先鋒:石のかたまりの妖怪、こいつはめちゃくちゃずるして勝ったので勝ったとは言えないんだが結果的にアイテムやらはゲットした
★石敢當(当):背中に仏頭がいっぱいくっついてて仏の目を渡すと甦って戦いを挑んでくるw要領がなかなかつかめずかなり再戦した
★鼠妖司空:ネズミ…?細長い顔つきの雷使い道士妖怪。初撃でいきなり3体に分身して遠距離攻撃ぶちかますので油断してると死ぬ(死んだ)。そいつを倒さないと座禅処で座禅できない(大事なスキルポイントアップ)ので気合いでがんばった
★狸妖侍長:狸っつうかイタチみたいな顔のアサシン妖怪。せまい洞窟内で4匹いっぺんに暗がりの中とびかかられ7−8回は連続で死に、嘘でしょ、と毒づきつつ対策を試行錯誤、なんとか突破した。恨んでる。
★黄袍員外:酔っ払い。イボイノシシにみえる…NPCでもあるが一定のイベントをこなすと一度戦うことになり、勝てば隠しエリア「斯哈哩(スハリ)国(※)」へ行けるようになる(兄貴に頼まれて人を待ってる、と意味深なセリフをメニュー画面で確認できる)
★虎先鋒(過去):斯哈哩国の入り口を守る。血の池に居た時より若干弱く(それでも下手くそな私には十分辛かったが)さほどリトライをせずになんとか勝った
★蝜蝂(フハン):斯哈哩国にいる。…なんだろ、超超巨大な虫? こいつとの対戦には大した苦労はない、途中で助太刀が入るので戦闘は楽なほう。こいつを倒しておくとボス戦でめっちゃ役に立つ「定風珠」が手に入る。あるのとないのとでは大違い!
★百眼真君:きもくて毒々しい小さい道士系妖怪、技も毒系。一度失敗したけどそのあとすぐ倒せた。どこがどう百眼なんだ…?
★小驪龍:隠しエリアボス。雷属性の「頭は龍」「体は太鼓腹の大男」…風神雷神の雷神て感じ、でっかい槌持っててガンガンぶっ叩き雷を起こす。3章に入ってからでも攻略可とあるも、黄風大聖よりは弱いらしいので行くしかない、と挑んだがこいつを倒すのにもえらい苦労した。あまりに勝てないので攻略動画を漁りに行き、「ゲロ吐くみたいな仕草をしたら超広範囲攻撃の雷がやってくるから一段高い岩場に逃げる」というコツを教えてもらったのだが、その岩場はエリア内に3カ所くらいしかない上、ヤツの攻撃でぶち壊される消滅オブジェクトのため、いざゲロ吐かれた(※実際にはゲロ吐くわけではなく、両手に持ってるでかい槌で地面を連続でぶっ叩き雷を地面に放射させる)ときに「岩場が全部ヤツに破壊されて周辺が更地になってると逃げ場がなく死ぬしかない」という罠にはまる。おかげで戦うときにいかに「岩場をヤツに破壊されず立ち回るか」ということが最重要ポイント。※上手い人は立棍(棒の上に立って力を溜める技)で地面から逃れ一時的に回避可能だそうだが、私にはあの波状攻撃の中で立棍は維持できなかった…なので回避は岩場一択
ちな★赤髯龍 という「めっちゃ龍(背中に光る釜を背負ってる)」の中ボスが1章のマップに隠れてるのだが2章の沙大郎を倒してからでないと手に入らないアイテムが必要。さすがに2章終盤、この小驪龍を倒した後に行ったら割合あっさり勝てた。(同様に2章にも3章以降でないと進められない隠しエリアがあるらしいがまだそこまではたどりついてない)
★黄風大聖:真打ち、章ボス。造形は多分めちゃ巨大なネズミ、しっぽの形からして貂ではないっぽい。三又の叉(さすまた)を持ち片手にでかい仏頭(師父と呼んでた)を抱えている。
とにかく技が多く強力な連続攻撃ばかりでなかなか息付く暇もない難敵。虎先鋒や小驪龍を倒した後なので戦い方も少しこなれてきたとはいえ、それでもあり得ないほど死んでリトライを繰り返した。めっちゃ手が痛くなった阿呆すぎ。何度か「あと1撃で殺せる!」ところまで追い込んだのに惜しくも反撃され死んで「あとちょっとだったのに!!」と悶え苦しんだ。キーアイテム「定風珠」を使えば敵の竜巻(三味神風※)技を強引にキャンセルできるので大分戦いやすくなってはいたはず。つうかこれなかったら私、絶対勝ててない。勝ててよかった…
(倒すときに意味深な台詞吐くんだよな…二郎神のなんとか…とか…)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ではゲームキャラを一通り説明したところで原典のほうも解説しよう。
この2章は、最初も言ったが原典全100回のうちの「第20回〜21回」に相当する。敵の妖怪は「黄風大王」、ハ百里黄風嶺黄風洞のあるじ。虎先鋒は手下のひとりで、他にもたくさん手下がいる。
この時期は八戒が仲間になったばかりの頃で、まだ沙悟浄はいない。
手前の民家で「この先の山には手強い妖怪がたんまりいる」と忠告をもらった一行は、しかし西に行くしかないのでそのまま突き進むとさっそく一匹のでかい虎と遭遇。八戒がすかさずどつくと虎は二本足で立ち上がり「わしは黄風大王配下の先鋒なるぞ!」と吠え立てた。
八戒が「こちらは大唐の御弟たる三蔵法師だぞ、道を空けろ!」と負けずに威圧するも虎は構わず攻撃→即座に逃走。悟空も続いて追うが、虎は自らの毛皮を脱ぎ捨て本体だけ離脱する技ですりぬけ、脱ぎ捨てた毛皮を「臥虎石(虎が臥したように見える置物石)」にかぶせてふたりを騙し、さらに後方でひとりぽつんと待機していた三蔵をちゃっかり攫ってその場から逃げてしまった。二人が、追いかけていた虎が実は毛皮をかぶっただけの単なる石と気がついて「いけねえしまった!」とあわてて三蔵のもとへ戻るも、もう師父の姿はどこにもなかった。まあいつもの西遊記定番パターンですな。
虎先鋒は、実はあるじに「酒のつまみを見繕ってこい」と命じられ山の巡回に出ていた最中。「美味そうな坊主捕まえちゃった!大王に献上!」とすぐに黄風大王へ三蔵を差し出す。
ところが差し出された酒のつまみが「大唐からの高僧、三蔵法師」だと知ると大王は逆にびっくりした。彼は「三蔵法師の護衛に斉天大聖孫悟空がついた」ことを知っていたのだ。虎先鋒に成り行きを聞けばどうも孫悟空を倒したわけではなく目を盗んで攫ってきただけのようで、「すぐには食わん」と珍しいことを言い出した。大王曰く「この坊主の弟子は神通広大、迂闊に食って恨まれここで暴れられたら厄介だから3−4日は様子を見る。首尾良くヤツがこなかったら改めてゆっくり食うとしよう。それまで庭の杙(くい)にでもしばりつけとけ」虎も「さすがは大王さま、思慮深い」と賛同した。
(※ゲーム内で村の端っこ四阿の柱に馬づらのNPC妖怪が縛られてて「おれは大丈夫、抜け出す手立てはあるんだ」ってずっと強がってたの、これのオマージュだよね、と思ってる。こいつ主人公に「そんなやせっぽちの貧相な体でも奴らにとっちゃ肉だから気をつけろよ」と声をかけてくれるのだ)
一方の弟子たち。しばらくは嘆くも諦めずに必死に山中を探し回り、三蔵の行方を追っていた。やがて怪しい洞の入り口を見つけ出すと、悟空は八戒に荷物番を頼み、ひとり、洞の前までやってきて「やいやいおれさまの師匠をお返ししやがれ!」とがなり始めた。手下たちがその剣幕にびびりあわてて大王に注進。大王は虎先鋒にむかって「おれは酒のつまみに野牛か野ブタで良かったのになんだって唐僧なんか捕まえてくるんだ、おかげでやっぱりヤツめが押しかけてきたじゃないか!」と文句を言う。
虎はめげずに「じゃあその弟子もわたしが倒して酒のつまみにしてさしあげますよ」と答えた。大王は「孫悟空つう弟子さえなんとかなればわしだって三蔵法師をゆっくり賞味できる。もしおまえが孫悟空を倒せたらおまえとわしとで兄弟の契りを交わしてもいい。だがもしおまえが負けてもわしを恨むんじゃないぞ」虎は了承し勇んで出ていった。
虎先鋒はその勢いのまま口汚く貴様も食っちまうぞと威圧、悟空相手に再戦を挑む。しかしカンカンにご立腹の(攻撃ゲージMAX)孫悟空に押されてすぐに負け戦となりまたも逃げる。だが今度は主にカッコいいこと言って出てきた手前、主の洞には戻れず、どうしようと逆方向へと逃げるうち、待ち構えていた八戒の前へ出てきてしまい、まぐわにガーンとやられてあっさり絶命。孫悟空はおとうとの手柄を褒めたたえた。
孫悟空は虎先鋒の死骸を引きずって黄風洞まで戻り、洞の主に「出てこい、おれさまの師匠を速やかに返却しろ」と再びがなりたてる。手下どもの注進により虎先鋒が殺されたと知るや(やっぱりな、と思ってたろうが)「よくもおれの手下を殺しやがって」と出てきて真っ向勝負となった。
ところでこの大王、「三味神風(さんまいしんぷう)」という大技をもっていた。黄砂の強風を吹かせ、その風に当たるとたちどころに死んでしまうという。悟空は神仙の類なので死にはしなかったが目をやられて勝負どころではなくなり退散。荷物番をしていた八戒のもとへと戻り、まず目薬を探さないとどうにも先へは進めないぜ、と涙を零しながらぼやく。そうして二人が一旦山を下りて街道沿いにしばらくさまよっていると、とある民家の老人に拾ってもらい、その晩は親切にも目薬まで処方してもらうと悟空の目はきれいに治った!しかも止めてくれた民家は跡形もなく草原で寝ていたと気づく。実はその民家の老人は護法伽藍が化けた仮の姿であり、表だっては出てこられない代わりに手助けしてくれたのだ。
翌朝出立、悟空は蚊に化けて黄風洞へ忍び込み、妖怪の繰り出す厄介な風をどう対策するか思案しつつ様子をうかがっていると、黄風大王は「昨日撃退してやったくそザルはまだ生きてるかな」などと噂していた。普通なら風に当たっただけで即座に死ぬがあいつはしぶといからまだ生きてるかも、と言いながら、自分の「三味神風」の弱点まで話してしまう(これもありがちな西遊記パターン)。曰く「おれの風を平定できるのは霊吉菩薩だけ」とのこと。なるほど?と悟空、ただちにその場から離脱。
八戒のもとへ一旦戻った悟空、「あの妖怪の風を収めることができるのは霊吉菩薩だけ」と報告したのだが、肝心の霊吉菩薩がどこに居るかを知らないのでさてどうしよう?と二人して首をひねっていると、どこからともなく老人がやってきてあれこれと霊吉菩薩のことを細かく教えてくれ、悟空がよそ見をしている間に風となって消えた。正体は太白金星。(八戒も悟空もこの老人には大変恩義がある)いろんな神仙たちに影から助けてもらいつつ悟空、よしとばかりに霊吉菩薩の元へ。
霊吉菩薩のおわず小須弥山の禅院にひとっ飛びした悟空、礼を尽くし霊吉菩薩に助けを求めると「釈迦如来から黄風怪を下すために宝物2つ、定風丹と飛龍寳杖を預かっているよ」とすべて了解の上で悟空に同行してくれることになった。一緒に黄風洞の近くまで来たところで菩薩「奴はわたしの姿を見ると逃げるだろうからここで待つ、そなたは奴をうまく外へおびき出してくれ」と悟空に依頼。合点承知、と悟空は普段通りやかましくわめきちらしながら黄風大王に再戦を挑む。「懲りずにまた来やがったなくそザル!」と黄風大王が躍り出てきたところで、霊吉菩薩は持っていたお宝のうち「飛龍寳杖」を投げつけると杖は八爪金龍に変化し、たちまち黄風大王をひっ捕まえた。
妖怪の正体は黄毛の「貂鼠(テン)」、霊吉菩薩は「こやつはもともと霊山で得度したネズミで皿の油を盗んだが捕まるのが怖くて逃げだしたヤツでな、一度は放免したのだが人に危害を加えるようなことをしでかしたら再度霊山に連れていき、如来の沙汰を受けることになっていたのだよ」と説明、あっさり連れ去っていく。
残った悟空は残った手下をやっつけ、柱に縛り付けられていた三蔵を助け出し八戒とも合流。顛末を話し聞かせつつ、洞内に残っていた精進料理の材料を見繕って一行はご飯を食べ(!)、さあこの話はおしまい、となる。
あれっ結局この話では「定風丹」てやつは使わなかったの?と疑問に思われる方いるかな。確かにこれは風を収める特別なお宝なのだが、この20-21回では名前しか出てこず、実はこのあと牛魔王との決戦前で羅刹女(=鉄扇公主)の持つ芭蕉扇に吹っ飛ばされたときに再び登場する。
最初、交渉が決裂して芭蕉扇にふっとばされた悟空、霊吉菩薩の小須弥山まではるばる飛ばされやっと着地し、菩薩に諸事情を説明したら「じゃあ芭蕉扇に飛ばされないようにこれを貸してあげよう」と定風丹を着物に縫い付けてくれ、悟空が再び羅刹女のもとへ戻ったときに「もうぜったい飛ばされないぞ!」仕様になる、という成り行き。まあそのへんの話はまた別途。
(5章がどうやら牛魔王の関連回なので…章ボスが紅孩児だったし)
また、「斯哈哩(スハリ)国」についても説明しておく。
原典では、同じく牛魔王の回の一番最初(第59回)、火焔山の付近にやってきた一行が秋だというのにあまりの暑さに原因はなんだろうと言っていたときに八戒が説明する架空の国の話だ。
曰く、斯哈哩国は「天尽頭(テンツクルトコロ)」とも呼ばれる世界の果てにある国である。そこでは毎日夕方、日が海に落ちる際に(日/太陽が高温のため)ジャーーーっと海が沸騰する凄まじい音がして、その音があまりにものすごいので国中の子供たちがその音だけで死んでしまうほど。それを防ぐために夕方になるとジャンジャン太鼓や角笛を鳴らしてその騒音で海が沸騰する音を打ち消し子供たちを守るのだと。きっとその国が近いからめちゃくちゃ暑いんじゃないかな?というのが八戒の説。
悟空が八戒に「バカいえ、斯哈哩国はぜんぜん場所が違う、もっとずっと先だろ。だいたい師父みたいにぐずぐずぐずぐず歩いてたらたとえ三代生まれかわったって西天には着かないんじゃねえの」とぼやくと八戒は「じゃあ兄貴はなんでこんなに暑いんだと思う?」と返す。すると悟浄が「天候不順なんじゃないかなあ」などと答える。そんな感じで弟子たちがくっだらない雑談を延々するんだけど、それがまたくだらなくも楽しい。それが原典西遊記のイイところ!なのだ。
あと。
最後にひとつだけ愚痴をいわせてほしい。
章の終わりにサービスムービーが出るのだが、今回の2章は個人的に非常にいただけなかった。何を見せられているんだ??と疑問符飛びまくり(黄風大聖と霊吉菩薩とか、虎先鋒とか、ネズミの国とか、そういうのぜんぜん関係なくてさっぱり意味不明だった)、あれ読み解けたひといたらどうか私に意味を教えてください。
狐がかわいそうすぎてコントローラ投げるかと思った(ww
2024/9/19 15時追記
章の終わりの意味不明なムービーはどうやらそのまま3章につながるっぽい
どうりで意味わからんはずだよ
(とはいえ腹を立てたことには変わりないのだ、激おこぷん)
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