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黒神話:悟空 やってみた②

自分へのメモ代わりに黒神話:悟空のプレイ日記その2
初回のはこちら


とりあえずゲームストーリー上、全6章有るうちの最初の1章だけなんとかクリア。本当に苦行といってさしつかえないリトライを繰り返した。

こんなにやり直してる人間そう居ないんじゃないかな。
向いてない、ぜったい向いてない無理。見てる人にはきっともうやめたほうがいいんじゃない?って優しく諭されそうな超ダメレベル。くそっ自分が一番そう思ってるよでも勝ってストーリー進行させたい!!んだからしょうがないだろ!!と自分で自分に愚痴りながら、そしてマジで指も手も手首も腕も全部痛くて(無駄に力込めすぎてて)、負けて死ぬたびに凍らせた保冷剤を怒りでバキバキ握りつぶし、そして握るたびに氷が砕けるから溶けるのがいっそう速く、何度も保冷剤を冷凍庫から出して交換しながら!!戦い続けた。なんでそこまでするんだか自分でももうわからん。もはや意地。

しかもこのゲーム、エンディングが進行状況に依って分岐するらしく隠しボスとかも撃破しておかないと真エンディングにたどり着かないと聞いてちょー弱々プレイヤーのくせに丁寧に隠しボスまで倒しに行った。くそっほんとに時間かかったよ!でもおかげでいいネタ拾えた。

ちな1章の隠しボスは「金池長老」。原作では三蔵法師の所持する錦襴の袈裟を欲しがるあまり三蔵法師をこっそり焼き殺そうとした欲深で半分妖怪みたいな和尚なのだが、もちろんまんまの設定が使われている。
(キャプチャ画面でなくカメラで撮った画面ですいませんが雰囲気だけでもと思って載せてみる↓)

このゲーム、対戦した雑魚妖怪や中ボスの詳細説明がこんな風にメニュー画面で確認できるんだがその説明がなかなか凝ってて丁寧なのだ。
1章の中ボスだけでもけっこう読み応えあって(しかもその内容がかなり原作西遊記に準拠しているのですごく萌え萌えで)すごい読みふけってしまった。楽しい…。

1章の名前がついてる敵キャラ(中ボス級)は以下の通り
★霊虚子:狼の妖怪
これは後西遊記で出るキャラらしい。ゲームの説明では、本来原作に登場する「凌虚子(狼の妖怪)」は悟空にぶち殺されており、黒風大王が反魂の術で甦らそうとしたが当人に拒否られた。雑魚狼たちの統率のためよそから彼をスカウトして名前をつけてやったとのこと
★波裏浪:カエルの妖怪
★広智:人型の妖・火炎系
★広謀:人型の妖・毒系
★亡魂:人型…?二頭身の妖。隠しボス「金池長老」と裏表の存在。条件を満たすと倒さなくても消滅し、隠しボスにたどり着かなくなるので注意。反魂に失敗した化け物だと別項目で説明があった
(※2024.9.30修正&追記 3つの鐘を鳴らし終え隠しボスが出現すると消える、隠しボス自体は後からでも挑める見込み)
★白衣の秀士:最初人型、第二形態が白蛇の妖怪
★金池長老:隠しボス(袈裟なんか燃えれば無いも同じ!と叫んでるw)
★黒風大王:人型の妖※
★黒熊怪:熊の妖怪※

※原作履修者は却って混乱するだろうが、本来「黒風大王」とは黒風山・黒風洞の主=黒熊怪なのだがこのゲームでは別々で存在する。キャラ、役割を増やすために名前だけ分離したのではと思われる^^;

ところで1章の舞台「観音禅院」は、原作「第16話〜17話」をほぼ正確に下敷きにしたうえでの「その後」なのだが、その原作での孫悟空の所業wwが余すことなく丁寧に説明されている。
この話、孫さまの鬼畜っぷりが全開でさ…これさ~…三蔵でなくても怒るし監督役の観音さまだってそりゃあ怒るわな(むしろよく説教ひとつで許して協力してくれたよね)ってゲームやりながら改めて思ったw
このへん原作の話が軽妙でおもろいのでぜひ読んでもらいたい、とりあえずミリしら勢が通りすがったときのために末尾にあらすじ入れておくので、時間あるときにでも読み流してもらえたら嬉しい。ゲームやった人には「あっこの名前の妖怪って原作のコレか!」ってなると思う。
ついでに隠しボスを倒すと貴重なアイテムゲットできるんだけど、それがなんと広目天王に借りた「火よけ傘」でね、それつけて熊と対戦するとちょっとだけ戦闘が有利になる。説明には孫さま借りっぱなしって言われてたけど、これは濡れ衣だからね、返したよちゃんと!!


原作履修者にはこのセリフはじわじわくる。(孫さまが屋根の上から意地悪く風を吹かせて観音院が全焼するのをおもしろおかしく眺めてる図)

あと、このゲーム1章終わるごとに美麗なアニメーションがついてきて、もちろん1章EDは観音禅院原作ネタなわけだが、いやー…本場中国でちゃんと作ってもらえるとなんと美しくかっこいいもんだ、と感涙する。三蔵法師も一瞬だったけどちゃんと「女じゃなくて本物wの三蔵法師」!ありがとう!
(日本のドラマって、…いや夏目雅子演じる三蔵はほんとよかったよ大好きだよ、けど日本人に間違ったイメージを刷り込みしすぎ!本物のちゃんとした三蔵が見たいときにはマジ困るんだよwwだいたい女優が演じてる=女だって思い込むのもやめてほしい、あれは女優が演じてるだけで物語上ではちゃんと「美男子」のつもりだったと思うゾ)
しかし、これをあと5章分ちゃんと見るには、死ぬ気で、死ぬ気でゲームをクリアしていかないといけないわけで、……無理、ぜったい無理、マジで死んでしまうわ…とひしひし絶望を感じたりもするわけで…

次の第2章は、途中の「虎先鋒」と大ボス「黄風大王…じゃなかった大聖」がビギナーには難関のひとつと言われていて、1章の熊すらこんなしんどい思いしてやっと撃破したのにこれ以上は無理くね??と真顔になりながら今回のプレイ日記はここまで。
すこーしだけ2章さわりをやってしょっぱなの沙二郎(と雷のカエル)は撃破し煉丹もできるようになったが、へたっぴプレイヤー、なんと一番最初の村の入り口から矢の猛攻をくらい3回は余裕で死んでるんで(ばっかじゃないの!!?)もうほんとにこのゲーム向いてないです。
頑張…れ…るといいな…



じゃあ最後に。
主に原作西遊記に詳しくない通りすがりの方へむけ、原作の16−17話をざっくり説明しましょう!どうか最後までおつきあいのほどを。

まだ三蔵と悟空+馬(玉龍)だけの旅の頃。とある観音禅院に立ち寄った際にそこの老住職(金池長老)が実は煩悩ぜんぜん捨ててないガチな袈裟コレクターで、持ってるコレクションを自慢してきた。けれど孫悟空、とにかく見栄っ張り性分なため住職の自慢に我慢できなくて「お師匠さまのほうがもっと立派な袈裟持ってる」と言って(三蔵がよけいなことはするなと止めたにも関わらず)錦襴の袈裟を住職に見せてしまった。※この袈裟は観音菩薩さまがくれた世に二つとない美しいお宝なのだ!
見事な袈裟に住職はクラクラ…どうしても袈裟が欲しくなってしまい「一晩貸してゆっくり観させてくれ」と袈裟を借り(これも三蔵が貸すのを嫌がったんだけど悟空が「大丈夫、なんか厄介ごとになってもこの孫さまが必ずどうにかするし」って安請け合いして)袈裟を住職に貸しちゃう。
その晩、借りた袈裟を前に「借りたはいいけど返したくない辛い」ってわーわー泣きじゃくる老住職。そこに小坊主の「広智」と「広謀」が「そんなに袈裟が欲しいんならあの旅の坊さんたちを始末しちゃえば?」と唆してくるのでww住職もその気になっちゃって、二人の泊まる禅堂に外から鍵かけてあかないようにして火をつけた!
だがもちろんそんな策略は孫悟空が全部見抜いていた。意地悪心で「火なんかつけやがって、いっそ後悔させてやる」とばかりに天へひとっ飛び。顔見知りの広目天王から宝具「火除け傘」を借りてきて三蔵の寝る場所にだけそれを使って燃えないようにしてから、自分は屋根に出て、燃えさかる火に向け法術でわざわざ風を送ってやり、一晩中、寺がよく燃えるように見守り続けた。

一方その夜、あんまり激しい火事だったのでちょっと離れた黒風山にいた熊の妖怪「黒風大王」が気がついた。この熊は実はまあまあいい奴、「火を消すのを手伝ってやるか」とわざわざ出向いてくれたのだが、現場に来て錦襴の袈裟がキラキラ瑞光を放っているのを見つけたとたん「いいもんみっけた貰っちまえー!」と気が変わって火事のことなんかほったらかしどさくさ火事場泥棒して去ってしまう。
そんなわけで、火付けを指示した住職もつけた僧たちもみんな大慌てで必死に逃げまどい、(おそらくは死人はでなかったものの)結局ほとんど焼け落ちてしまい呆然。一夜明けて無事だったのは何も知らずぐっすり寝てた三蔵だけ。しかも住職は借りた袈裟が見当たらなくなっていることに気がついて絶望し、もはやこれまでと壁に頭を打ち付けてあっさり自殺。
三蔵が傷ひとつなく(火をつけた筈の)堂から出てくるのを見て残った僧たちも観念した。さて起きた三蔵、袈裟を返してほしいと申し出るも、実は熊妖怪に持ち去られた後でみつかるわけもない。
三蔵めちゃくちゃ怒って悟空に「おまえが余計なことをしたからこんなことに!」とぶち切れ、さらに「火事の時おまえは何やってたんだ」(悟空だったら火事を消すなんて朝飯前なのは知ってる)と問えば「水のかわりに風を送ってやりましたよ」なんてせせら笑うので更に激おこぷん。袈裟がみつからなかったらおまえの頭を死ぬほどしめつけてやる!と脅すとようやく悟空もあわてだし「必ず見つけ出すからお願い呪文は唱えないで」と懇願、八つ当たり気味に僧たちから事情聴取、どうやら近くに妖怪のねぐらがあると聞き出す。
「もしかしてゆうべの火事はかなり派手だったから妖怪に火事場泥棒されたかな~?」と探りにお出かけするとドンピシャ。

山の中で妖怪が3匹なかよく座って、丹薬がどうのとなにやらおしゃべりしているのを見つけた孫悟空、しばらく様子をうかがっているとそのうち黒熊のやつが「ゆうべすごいイイ袈裟を手に入れた!明後日のわしの誕生日にふたりとも来てくれ」なんて言うのでピーンときて「さてはこいつが盗みやがった犯人だ!」と飛び出し、とりあえず1匹、白衣姿の書生をぶち殺した。正体は白い蛇だった。残りは煙のように逃げてしまったので黒熊を探すべく更に捜索。「黒風洞」と名が掲げられてる洞窟をみつけだし騒ぎ立て、主である黒熊が出てくるもすぐに勝負がつかず、黒熊は「昼飯の時間になったから勝負の続きは飯のあとだ」といって洞門を閉めてしまう。悟空もやがて諦め一旦は帰路につき、三蔵に一部始終を報告。
そのあと再度出かけて雑魚妖怪を1匹ぶち殺すとそいつは黒熊が観音禅院の老住職に宛てた招待状をもっていた。「なるほど袈裟狂いの住職と黒熊の妖怪は知り合いだったか、道理で火事の時に様子を見に来るわけだ」と納得。さっそくその老住職に化けて再び黒熊妖怪のもとへと行くが、途中で正体を見破られまたもドンパチになる。黒熊はかなり強くて日が暮れる頃になっても勝負がつかず、またまた「夕飯の時間だからまた明日な」と黒熊は洞の中にしゅっと逃げ込み全然でてこなくなった。しょうがなく諦めた悟空、ふたたび三蔵の元に帰り顛末を説明。その日はそこで捜索終了。

三蔵は袈裟のことでくよくよしており翌朝早くから悟空に「早く袈裟を取り戻しに行ってくれ」とけしかける。悟空は悟空で考えた結果、「コレは観音禅院でおこった騒動だから観音さまにだって責任がある!」とヒドイ屁理屈で南海の観音菩薩を訪ねることにし、雲に乗ってひとっとび。
ところが今までの顛末を「悟空に都合のいい案配で」説明し「責任とって妖怪をなんとかしてくれ」と文句を言ったら、当たり前だが観音は成り行きを全部慧眼でご覧あそばしているので怒り出し、「そもそもすべての元凶は悟空、おまえだろうが!」と怒鳴りつけた。やべー全部丸バレかーと悟空は態度を改め、ごめんなさい助けてください、と再度下手に出てお願いすると観音さまは「まあしょうがない、三蔵の顔をたてて助けてやるとしよう」と許し、悟空に同行し一緒に妖怪退治へお出かけすることになる。

道すがら、山の中で道士を見つけた悟空、「あっこないだ黒熊と一緒にいたやつだ」と気が付いて一撃でぶち殺す。そばにいた観音さまは「何で関係のない者を殺すのか」と怒ったが、悟空が「こいつは黒熊の友だちですぜ」と説明すると観音「じゃあしょうがない」と返して終り(←妖怪差別!ひどい!)。…原典西遊記、つうか悟空、かたっぱしから殺しすぎwww

殺した道士は正体が狼だった。「凌虚子製」と書かれたお皿に乗った仙丹が二粒あるのを見てご丁寧に妖怪の名前も判明。悟空は、観音さまに自分の考えた策略を話し、観音さまも了承、悟空は仙丹の一粒を食べて代わりにその仙丹に化けお皿の上に鎮座し、観音さまは凌虚子(狼の妖怪)に変化。その状態で熊のお誕生日会に行く。
まんまと黒熊怪をだまし洞の中にいれてもらったふたり、妖に化けた観音さまが手土産にもってきた(悟空の化けた)仙丹をドーゾと勧めて食べさせると黒熊怪の腹ん中で悟空が「やい言うことをききやがれ」と暴れ出す。さすがにかなわず熊も降参。悟空がさあぶっ殺す!となったところで観音さま、かわいそうだしもったいないからこの妖怪は連れて帰って自分ちの番人に使うと言い出した。悟空とおそろいの頭の輪っか(金箍という。悟空のは緊箍ね)をはめられて帰順した熊、そのまま南海(普陀山紫竹林)へ連行。観音さまとはそこでおわかれする。
一件落着で袈裟も取り返し、悟空は観音禅院に戻った。袈裟を持ち帰り一部始終を三蔵に語って聞かせ、よかったよかった、でその話はおしまい。さあ西に向けてまた旅を続けましょうとなる…。

…まあこんな感じで全100話あるんですよ西遊記って。(だいたいひとつの話に2-3話。長いと4話、短いと1話読み切り風)

この時期の孫さまは旅の序盤も序盤、まだ八戒も悟浄も合流しておらず、五行山から解放されてまもない頃の「王様気分がぜんぜん抜けてなくて三蔵のことも足手まといの非力な人間としか思ってない」くさい、観音さまにはしょうがない従うけど…て感じ、態度も所業もヒドくていっそ大笑い
ついでに言うとこの頃の観音さまはまだかなり孫さまのことを信用してなくて、いずれ来る蓮花洞でそれは明らかになるんだけど(金角・銀角の回)、回が進むにつれ孫さまは三蔵を本気で大事にするようになるし、観音さまもやがて孫さまを信頼して色々任せるようになるのでご安心ください(笑
ちな三蔵が孫さまのことを信用できるようになるには相当時間がかかって、最終巻(10巻)かな?(笑 …には、ゆったりのんびり仲のい~い師弟っぷりを見せつけてくれます

まあ西遊記ってキホン三蔵の成長物語ではなく孫悟空の成長(と苦難の)物語なんだなと思ってもらえれば幸いかな…^^;

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