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環島 台湾一周ライド 6日目 新城〜太魯閣渓谷〜宜蘭

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朝食

6時過ぎに起床し、歩いて近所の肉まん屋に朝食を買いに行く。

新城包子饅頭早餐店

地元の人気店のようで、早朝にも関わらず、出勤前の人などが並んでいた。

窓に貼ってあるメニュー。

英語表記もあったので、肉まんとあんまん、ホットミルクティー小を注文。

3つで71ドル(350円)は安いなー。

ホテルに戻って食べる。

サイズは日本の中華まんと同じぐらいで小ぶり。

味はどちらも普通。

日本のコンビニの中華まんの方が美味しいな。

とりあえずお腹にたまったので良し。

太魯閣渓谷

支度をして8時前にホテルを出発。

フロントに誰もおらず、ベルを鳴らして声をかけても返事がなかったので、部屋の鍵をデスクに置いておいた。

海外だからこんなものなんだろう。

今日はいよいよ台湾ライドで一番楽しみにしていた太魯閣渓谷を登る。

日本では台湾KOMチャレンジというヒルクライムレースで知っている方もいるだろう。

「台湾KOMチャレンジ」は、太平洋沿岸の花蓮七星潭をスタートして、深く切り立つタロコ渓谷を経由し、台湾で一番高い道路にある合歓山・武嶺を目指します。標高0mのスタート地点からゴールまでの標高差は3,275m、コース全長は105㎞。途中、幾度も異なる気候地帯を通過し、くねくねと曲がるカーブを抜け、一気に頂上へと駆け上るという世界でも稀に見る過酷なコースです。

https://www.taiwankom.org/jp/

太魯閣渓谷に近い宿に泊まったので、出発して5kmも走らないうちに登りに変わった。

目の前には日本では見たことのない壁のような巨大な山がそびえている。

しばらく進むと渓谷の入り口と思われる交差点に工事看板が立てかけてあった。

googleレンズを使い翻訳すると、どうやら工事で通行規制するらしい。

肝心の工事区間と時間がさっぱり理解できない。

なんとなくはまったら長時間足止めされる事は想像できる。

今日も先は長いのだが、せっかくここまで来て行かないという選択肢はないので先へ進む。

目指す場所は20km先、500m登った天祥管理站という観光バスの終着地点。

いわゆる太魯閣渓谷らしい景観はこの辺らしい。

本当は3,275m登った武嶺まで行きたいけど、当然日帰りでは無理なのでまたの機会に。

片側通行の狭い峠道だが、斜度は3〜5%ぐらいで交通量も少ない。

時折10〜15%ほどの斜度になるがすぐに緩くなる。

途中、岩山をくり抜いたトンネルを進み、息を飲むような絶景ポイントを通過する。

のんびりして工事規制にハマりたくない気持ちがあり、立ち止まらず進む。

宿を出発して1時間、ようやく目的地の天祥管理站に到着。

天祥管理站

広い駐車場があり、お土産や食べ物屋、セブンイレブンもあったが、公共トイレだけ借りて、汗冷えする前に写真を撮って下山する。

登りでは一切撮影しなかったので、気になる場所を撮影しながら下る。

伝わるだろうか。

いや、写真じゃ伝わらないと思う。

スケールが大き過ぎてカメラに収まらない。

山の斜面が空まで続く壁のような大きさだった。

平日の午前中という事もあり、観光地にもかかわらず交通量は少なかったが、少し下った所で長い車の渋滞が発生していた。

脇から先頭に出ると、案の定工事の通行止めだった。

やはり引っかかってしまったか。

たまたま先頭にロードバイク乗りの男性がいた。

さっき登りですれ違った人だ。

声をかけると10時まで通行止めとの事。

今9時20分なのであと40分。

ずいぶん長いがどうしようもない。

来た道をUターンして少し登った所にあるダム湖で写真を撮る。

エメラルドグリーンの湖が綺麗だった。

サイクリストとの出会い

大して時間を潰せないので、仕方なく通行止めの先頭に戻る。

必然的に先ほどのサイクリストと会話をすると、地元の台湾人の方だった。

日本から来て台湾一周中だと伝えると、先日日本から来たサイクリストが同じように台湾一周をしていて、彼は頂上の武嶺まで登ったんだと、一緒に写っている写真をスマホで見せてくれた。

本人も過去に台湾の最北端から最南端まで520km走るライドイベントがあり24時間で完走したそうだ。

どこの国でもサイクリストはネジが外れている笑

今日はこの後出勤らしく通行止めのせいで遅刻らしい。

スマホの翻訳アプリを使って一生懸命会話してくれ、感じの良い方だった。

すると上からもう一人サイクリストが下ってきた。

白人だったので英語で声をかけると、ニューヨーク市在住のドイツ人だった。

何と頂上まで登ったらしい。

昨日登った後、山の中腹のホテルで一泊して今朝下ってきたのだろう。

頂上は雨でウェットだったとの事。

リムブレーキなので下りが辛かったそうだ。

ジャイアントのロードバイクに乗っていたが、レンタルバイクでこの後下って返却するそうだ。

三人でしばらく雑談をして記念撮影。

サイクリスト同士だと気心が知れるので、言語が違っても打ち解けるのが早い。

貴重な良い経験になった。

10時になりようやく通行止めが解除された。

我々サイクリストは一番最初にスタートして一気に下る。

停まって撮影しようと思っていた絶景ポイントの事をすっかり忘れ、あっという間に下りきってしまった。

危険な海沿いの道

花蓮から宜蘭まで75kmの海沿いのルートは、狭いアップダウンが続き、大型車がひっきりなしに走っていて、自転車の通行は非推奨とされている。

台湾の公式ルートも電車輪行を推奨していて、けんたさんのルートも輪行する予定で組まれていた。

この区間をどうするか直前まで迷ったが、SNSで通行した日本人サイクリストもいたので、何とかなるだろうという気持ちで走る事に決めた。

下りきった先を左折し9号線を北上する。

左には高い山がそびえ、まるでハワイのような絶景が続く。

しばらく走ると海沿いの登りが始まった。

海が青くて綺麗だった。

標高は高くないが、登り下りのアップダウンを繰り返し、いくつかの長いトンネルを抜ける。

道幅は狭いが交通量が少ないので走りやすい。

海沿いを20kmほど走り、市街地のセブンイレブンで最初の休憩をする。

この先はずっと補給ポイントがないので、水の他にパンを2つ買って沢山食べておいた。

20分ほど休んで出発。

すぐに何もない峠に入り、先ほどと同じようなアップダウンが続く。

太魯閣渓谷も良かったが、ここも十分ダイナミックで景色が良い。

交通量も少なく静かな道。

大したことないじゃんという安堵の気持ちで気持ち良く走る。

先に見えている海岸線の突端まで走るから、まだまだ先は長い。

しばらく走ると南澳駅という街に出た。

なぜかここから交通量が急に増え、大型ダンプや大型トラックが沢山走るようになった。

後から調べると、ここまでの道は自動車専用道路が並行して走っていて、車はそっちを走っていたようだ。

どうりで交通量が少ないと思った。

ここから東澳駅までの区間、11kmの道が酷かった。

狭い登り坂を大型トラックや大型観光バスが途切れなく走り、側溝に落ちそうなほど狭い道の端を恐怖を感じながら走った。

日本で言うと熱海の峠のような道。

1km以上の長いトンネルを越えて下り切ると、ようやく自動車専用道路と分かれる場所までたどり着いた。

推奨しない理由がやっと分かった。

確かにこれは走りたくない。

もしこれを読んで台湾を走ろうと思っている方は、南澳駅から東澳駅までは輪行した方が良いと思います。

どうしてもという方は気合いで走りましょう笑

ここからまた静けさが戻り、景色の良いアップダウンが続いた。

後ろに見える海岸線の先端から走ってきた。

だんだんと雲行きが怪しくなり、海岸線を400mほど登ったピークから雨が降り出した。

本来は楽しい下りがびしょ濡れで台無しになり、昨夜予約していた宿へ急いで向かう。

宜蘭市に入り、予定よりだいぶ早い14時過ぎに到着。

宜蘭紅豆民宿

チェックインは15時からだったが、ベルを押してみると反応がない。

諦めて先にランチをしようと近くの店を探す。

開いている良さそうな店がなかったので、仕方なくファミリーマートのイートインでコンビニ弁当を食べて時間を潰した。

まだ食べ足りなかったので、宿に向かう途中に持ち帰り専門のチャーハン屋に寄った。

一番左のオーソドックスな豚肉入り炒飯を注文。

腕にタトゥーの入った若いお兄さんがその場で調理してくれた。

炒飯が入ったビニール袋を片手に下げて自転車で宿に戻る。

若い夫婦が経営するアットホームな宿だった。

奥さんからスマホの翻訳アプリを使い説明を受けると、何とクレジットカードが使えず現金先払いだった。

たまたま現金が多めにあったので良かったが、また下ろす必要がありそう。

部屋に入りシャワーと洗濯を済ませ、先ほどの炒飯を食べる。

味は普通だが、パンパンに入っていてかなりボリュームがあった。

宿は朝食付きとの事で、朝早く出発すると伝えると事前に朝食を持ってきてくれた。

ありがたい。

夜になり夕食を食べに行こうとしたが、面倒になって明日の朝食を食べて済ませてしまった。

今日が一番心配していたルートだったので、気を張って疲れたらしい。

疲労と安堵に加え、とうとう明日が最終日だという気持ちの中、明日の準備だけして早めに就寝した。

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