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【閲覧注意】ベトナムの犬肉食文化1

日本語学習の序盤で必ず登場するのが、「何の○○?」という質問だ。食事の話と関連があると、だいたい生徒たちは「何の肉?」と聞く。

で、ベトナムの生徒たちが必ず口にするのが「犬の肉!」なのだった。

そう、ベトナムでは犬肉食は一般的で、ふつうに市場に並んでいる。

が、生徒たちは、犬がどこの国でも普通に食されているわけではない、ということも知っている。だから犬肉の話をするときはみんなニヤニヤするのだ。

犬肉の食べ方はいろいろあって、
1、焼き肉(串刺しの炭火焼き、丸焼き)
2、茹で肉
3、蒸し肉
などを、ぼくは食べたことがある。

感想はというと・・・

箸でつまみ上げると皮は固く、時々毛が残っていたりして、今、口に入れようとしているものが少し前まで犬だった事実を強烈に突きつけられる。

まあ、ここまでは相手が犬であるという事実のせいだろう。では、純粋に肉として味わったらどうか。

犬肉は、甘い。
それも、旨味の詰まった脂の甘さではなく、身体が拒否したくなるようなイヤぁな甘さだ。それが野生っぽい臭みと相まって、なかなか飲み込めない。

犬肉はマムトムと呼ばれる発酵エビのタレにつけ、臭い消しのためにミントやドクダミなどの香草と一緒に食べるのだが、香草の力を借りてもなお、余りあるいやぁな甘さが口に残る。

そういうわけで、ぼくは一度食べたきり、犬肉を避けていた。

ところが、ちょっと郊外へ行ったとき、機会があったのでまた食べてみることにした。喉元過ぎれば不味さも忘れるのがぼくである。
「前回は店の味付けが口に合わなかっただけかもしれない」とか
「コンディションが良くなかっただけかもしれない」などと考え、またチャレンジしたのだった。

店舗前では、ぶった切られた犬の肉が串焼きにされ、炭火の前で回されていた。ちょっと黄ばんでいるのは香辛料による味付けだ。時折、脂が炭にたれてジュッ、ジュッと音を立てていた。同時に、香ばしい匂いがした。

友人が勧めるままにテーブルにつき、犬肉を注文する。
肉は串から外され、皿に山盛りになって提供された。

肉は外はカリカリ、中はプルプルで、口に入れると半分くらいが溶けてしまった。日本人なら、カレー味? と感じるだろう。

その店の犬肉は、美味かった・・・・・・

ぼくは白飯を注文し、犬肉丼にしてわっせわっせとかき込んだ。
初めて食べたときみたいな臭みはなく、新鮮な羊肉を食べているような風味がある。

犬肉も鮮度が大事なのであり、店それぞれの味付けがあるのだった。

ちなみに、犬肉はベトナム語で thịt chó「ティッ・チョー↗」だ。
他にも、看板にBún chó(犬肉麺),chó quay(犬の丸焼き)などとあったら、その店には犬肉があると考えていい。

次回は犬肉食とベトナム人の生活に迫る予定。

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