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関東でパン用小麦を作る(使う)ワケ

国産パン用小麦に出会ってから10年。
明日から ”ゆめかおり”で作ったパンが発売(超一部店舗ですが)されます!

2020年10月27日~  坂東市、境町、古河市、八千代町、結城市、五霞町のセブンイレブンにて。

最初はユメシホウ

2009年5月、得意先であるセブンイレブン商品部の方たちと筑西普及センターを訪ねた。ここからいろいろなことが始まった。
桜川市(旧大和村)の飯島正義さんが同席されていた。
用件は国産パン用小麦ユメシホウの紹介。この時既に飯島氏は齢70を超えていましたが、それは熱く熱くパン用小麦への想いを語られました。

告白します。
この時まで茨城県の小麦粉でパンを作るとか、ましてやコンビニの棚に茨城県の小麦が使われた商品が並ぶイメージはありませんでした。

桜川ではユメシホウの取り組み継続しています。いつか合流できたらいいなというのが僕の小さな夢です。
http://kitakan-navi.jp/archives/41522

作物研究所へ、1ha(3000坪)分の種籾渡される!

2009年11月初旬につくばにある農研機構作物研究所を訪ねた。
メンバーは飯島さん、鳥山の他に製粉メーカーの方たち。
会った方は乙部千雅子さんたち小麦の育種研究者。パン用小麦ユメシホウの生みの親たちです。
いろいろな話しをしました。
国内の農業事情(米余り、耕作放棄地、国産小麦etc)
関東でパン用小麦作れたらいいなと、その場にいた誰もが思いました。

そしたらさ、帰り際に乙部さんから「使わなくてもいいですから」って種籾を渡されたんですよ。研究者の切実かつ熱い・強い想いだったと思います。

いつか話したいけど研究者の街つくばには優秀な研究者がたくさんいます。頭脳の集積地だといっても過言ではありません。しかし広く世間にその技術や成果を活かすという面で課題があるんですよねー。

桜川市でユメシホウ作付け!

どうすんだよ?ユメシホウの種籾。
飯島さんはやる気満々です。畑の見学にも連れて行ってくれます。
「ここに小麦植えるんだよー」ってもう圃場もきめてあるんだもの。
一方、お金の話しも重要です。東京農大の時に吉野家で稼いで支払った年間の学費位を払えば1haの作付けから収獲までやってくれるとわかりました。
ちなみに収獲できる小麦は多くて5トン、1トンあたり4万円が相場、売上は20万円がせいぜい、ここからいろいろ経費がかかるんです。農業は複雑だなーって思ったものです。
とはいえスタートが決まりました。

ブログ「ユメシホウが広がるといいな」

ユメシホウ収獲(軽へ移す)

http://komugiyumeshiho.blog14.fc2.com/blog-date-200911-4.html
柄にもなく、2009年11月18日に ↑ の題名でブログをはじめました。
種まき(11月)から収獲(翌年6月)まで小麦栽培の概要がわかります。FC2がある限り残しておきたいですね。
毎週とまではいきませんが、作業のたびに桜川までドライブしました。友人や後輩なども誘って、好奇心旺盛な小学生の娘・息子なども連れていきましたよ。
小麦は種用とパン用に圃場を分けて別の栽培管理をすることとしました。
●種用:65aは種にするので蛋白を高めない、そもそも2トンは獲れるでしょうから、この種を翌年育てる農地を見つけねばなりません。育てた小麦をパンにする算段を取らねばなりません(あー無謀)
●パン用:35aはパンにするため高タンパクになるような栽培管理をします。ブログにも出てきますが、窒素肥料を追肥するんです。タイミングが難しいんですよねー。
合わせて100a(アール)=1ha(ヘクタール)≒約3000坪、農大の年間学費。農業の土地単位わかりにくいですよね。

今更、勉強、資料作って無謀な布教活動

スライド1

種用の小麦が2トンも獲れる
●30haもの広大な畑を見つけて、ユメシホウを育ててくれる農家を見つける
●30ha×4トン(1haあたり)=120トンものユメシホウを使う算段が必要
気分としては、あーあ、やっちゃった半分、やってやるぞが半分。
賛同者・協力者をを募らねばなりません、そのためにはわかりやすい資料が必要。
つくったのがこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=__RQtDZHaso&feature=youtu.be
●国産小麦生産の概要
●国産小麦用途別とか品種別の状況
●関東での小麦生産状況  等々を  ネットで調べ、県庁、農業試験場、大子町役場(詳しい先輩が副町長でいた)などいろいろ動いて調べて作ったものでうす。
なにかモノゴトを成し遂げる時に必要なこと
●熱意
●仲間
だと思っていたので、協力してくれそうな農業者、農協、ユメシホウ繋がりで湘南小麦の人達等々大勢、多くの場所にこの資料を忍ばせて訪問しましたねー

2010年の結論:撤退

農大年間学費を支払い、かなりの時間と熱意をかけて取り組んだ国産パン用小麦を使ったパン作りは結論から言うと撤退となりました。
理由
・種用に育てた小麦が種にできないとわかった(法律の問題)
・パン用小麦を取り巻く環境が種々整わなかった
・他にもあるけど書かない

ここから10年眠ります。(つづく)

追加:国産パン用小麦を作る(使う)わけ

●農地が余ります→なに作る→パン用小麦でしょ、子実とうもろこしでしょ!
●農家人口がへります→大規模化できる農業として米は増やせません、パン用小麦でしょ、子実とうもろこしでしょ!
パン用小麦は小麦消費の1/4を占める一方、国産の比率はたったの3%程度、拡大余地が大きい→パン用小麦でしょ!
●食料自給率を上げる→輸入から切り替え余地が大きいもの、パン用小麦、飼料になる子実とうもろこしでしょ!
というわけで私はパン用小麦と子実とうもろこしを推しております。
※そのうち子実とうもろこしについても書きたいと思います。

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