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文脈以上に

【文脈以上に】

わたしは
わたしの作る文が、
言葉の連なりが、
字面が

誰のものよりも
わたしに響くことを、

知っている。

なぜってそれは、

作り出すときすでに、

いかに、
わたしの琴線に
触れるか、

わたしが調律した
感性の糸が、
トーンと弾かれるか否か、

を、
つなぐ言葉の、
基準に、しているから。

〇〇〇〇

そしてね、

結局のところ、
わたしは何に触れるときにも、

この糸がいかに鳴らされるか、
が、大切なのだ。

そうして、
わたしの創る音だけでなく、

あなたの音に、

わたしは、
揺らされたい。

言葉、
色、
視線、
かたち、
音、
におい。

ふるえを感じて、
その美しさに、

こんな鮮烈なものがあったなんて、と

打ちひしがれたい。

そうして、
そこから、また、

あらたに光る、
一本の糸を、

はりなおすのだ。

〇〇〇〇

何を伝えるか、
じゃなく、

わたしがどうふるえるか。

文脈よりも、

そう、言ってしまおう、
内容よりも、

そのふるえが、
すべて。

ふるえないものは、
わたしを
素通りしていくの。

〇〇〇〇

あなたが、いま、
口にした言葉は、

あなたをどれほど、
ふるえさせた?

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