ユーラシア大陸横断日記2 上海での日々 そして西寧へ
ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。
2008年7月、日本を上海に降り立ちました。ユーラシア大陸横断ひとり旅の最初の地、上海での日々が始まります!
前回はこちらです ↓
上海では「上海船長青年酒店」というユースホステルにお世話になった。
いろんな宿があったけれど、ユースホステルは日本にいたころからよく利用していたのでとっつきやすかった。
ユースホステルの場所は外灘エリアのすぐそばで、歩いて数分で黄浦江に沿った遊歩道のようなところに出て、そこから有名な上海タワーを眺めることができる。
毎日のように上海タワーを眺め、行ったり来たりする人を眺め、写真を撮った。
だんだんと足をのばし、焼き小籠包を食べに行ったり、豫園に行ったり、ゆるゆると日々過ごす。
何日か過ごしてこの場所にも少し慣れて、そろそろ出発しようかという思いになってきた。
次の目的地はすでに頭の中にあって、それはチベット。この旅に出る前からずっと行きたい場所だった。
チベットへ行く定番のルートはいくつかある。
ひとつは成都から飛行機あるいはバスを利用するものだけど、自分は西寧から西蔵鉄道を利用するルートを取ることにした。
しかし、チベットに入るには中国政府からの入域許可証が必要だった。
入域許可証は、入域手段(飛行機・バス・鉄道)や現地の滞在期間・行程、宿泊する宿、ガイド、同行者などの情報が必須というなかなか面倒なもの。
入域許可証を持たない旅行者はチベットに入ることは許されず、いくつかある検問で入域証はその都度チェックを受ける。
もし問題があればチベットには入れないので、きちんと手続きして発行してもらおうと思った。
というわけで、まずは上海からチベット行きの玄関口となる西寧に向かい、西寧の現地旅行会社で入域許可証の手配することに。
早速、上海の駅へ切符を買いに出かけた。
上海から西寧までは列車が出てあて、かなりの距離になるけれど寝台列車がある。
係りの若い駅職員さんとやり取りを繰り返すものの、返ってくるお返事は
「メイヨウ(ない)!」
ばかり。
本当かどうかはあやしいものだったけれど寝台はもうないらしい。
仕方ない…、ということで手に入れた切符は「新空調硬座快速」。
つまり、エアコン付きの座席。上海から西寧までは32時間。24時間以上を座席に座って過ごすことになってしまった。
3か月後の自分ならばうんざりして別の手段を考えたかもしれないけれど、このときは「32時間も列車に乗る、しかも座席で !おもしろそう!」という好奇心が勝利。
2日後、5日ほどお世話になった上海のユースホステルを発ち、駅へと向かう。
中国の鉄道駅はさながら空港のようで、荷物のチェックを受け、ゲートをくぐって中に入るしくみになっている。
電光掲示板で自分の乗る列車を確認し、待合室で時間を過ごし、出発を待った。
時間が来てホームに向かって歩いていく。車両は非常に大きくて、日本のものとはずいぶん違う気がする。
乗車して自分の座席を探すと、ボックス型のシートに座席番号を見つけた。
背もたれは垂直で、座面にはクッションが入っているものの、このまま32時間というのはかなりきつい…
また、ちょうど休暇に入るときだったからか車内は結構混雑していて、デッキやトイレにも人がいる…トイレにも行けない…
身動きもあまりとれない状況でひたすら座り続ける32時間…!
そんな状態で列車は走り続け、夜が来て朝になり、少しずつ人は減っていった。
すると車内にようやくちょっと落ち着きがうまれて、車内販売に来た売り子の女性からお弁当を買って朝ごはんをいただくことに。
車窓を眺める余裕もでてきて、西寧までの道のりをゆるゆると過ごした。
果てしなく長い時間であったけれど、そんなこんなで2008年7月26日、何とか無事に西寧に到着!
こちらに続きます ↓