ユーラシア大陸横断日記12 シュムケントから国境を越える ウズベキスタンへ
ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。
カザフスタンのアルマトイでウズベキスタンビザを取得、カザフスタンーウズベキスタン国境に近い街、シュムケントへと移動し、そこから国境を目指します!
前回の記事はこちらです↓
バスに乗ってシュムケントへ
アルマトイのバスターミナルからシュムケント行きのバスに乗って車内で夜を過ごす。
アルマトイからシュムケントまではおよそ700km、バスでおよそ12時間の道のりとなる。
揺れる車内でうつらうつらとしていると、明け方車掌さんに
「シュムケント!シュムケント!」
と促されてバスを降りた。
しかし、降りた乗客は自分1人だけ。
しかも降ろされた場所はターミナルなんかではなく謎の道端で、自分1人を降ろしてバスは走り去っていった。
果たしてここほんとにシュムケントなの…??
絶対違う…少なくともシュムケントのバスターミナルではない(道端だし)…
せめてシュムケントの「近く」ではあってほしい、、いろんなこと思いながら、道端にポツンと1人取り残されてこれからどうしようか途方に暮れる。
思い返せばそもそもバスに乗る時点でちょっとあやしかった。
アルマトイのターミナルでシュムケント行きのバスを待っていたのだけれど、バスの出発時間は20時。
ということで19時30分にとりあえず乗り場の方に向かいつつ、ターミナルの職員らしきおっちゃんたちに
「シュムケント行きのバスはどこですか?」
と聞いてみたら
「あっちだよ~」
と言われ、見るとバスがすでに動き出していて慌てて走っていき…
時間が30分も早いし本当にこのバスかなと思いつつチケットを車掌さんに見せると
「おお!乗るんだ乗るんだ!」
と大きな動作でバスの中へ招かれて…
やっぱりこのバスなのかな、、と思うもよく見ると席は満席。
「チケット買ったはずなのにな?」と疑問が浮かんだけれど、何かよくわからずそのままバスも走り出し…
車掌さんは5歳くらいの小さい子どもを連れた男の子に席を詰めてもらって自分のためのスペースをつくってくれていた。男の子に申し訳ない。
そしてやっぱり間違っているのでは、とも思うけれど、どチケットも確認してもらってるし、、う~ん。
なんかもう訳が分からなくなってとりあえずそのまま乗っていくことにしたものの、結論としてはどうやら間違っていた、みたい…
「ここどこ…」状態、道端で進んでいく方向もわからず呆然として立ち尽くす。
右に進んでいこうとしてやはり踏ん切りがつかず少し歩いてはもとの場所に戻り、左に進んでいこうとしてこれまた踏ん切りがつかずもとの場所に戻り。
「さて本当に困ったな…」
とどうしようもできずにいたら、運よくタクシーが通りかかって立ち尽くす自分を見て止まってくれた。
「こんなところに1人でどしたん!?危ないよ!」
と声をかけてくれて、タクシーに乗っけてくれた。
持っていたシュムケント市街の地図を見てもらい、目星をつけていた宿を指さして連れていってもらうことにした。
市街は結構遠くて、タクシーでおそらく20~30分かかった。
一体自分はどこでバスを降ろされたのか、未だにわからない…
これタクシーが通りかかってくれなかったらどうなっていたのだろうかと思うとだいぶおそろしい…
国境を越える ウズベキスタンへ
宿の前で降ろしてもらい、無事にチェックイン!
シュムケントではウズベキスタンへの国境越えるための情報を集めないといけなくてこれが最優先。
最初に調べてあったチェルニエフカ国境は現在工事中で閉鎖されていることがわかって、でもかわりにチェルニエフカから12kmのところにあるマイスキーという国境があるらしいのだけど、全然情報がない…
シュムケント市内でいろいろ聞いてまわってどうやったらマイスキーまで行けるのか、調べておかないといけなかった。
でも12時間の夜行バスで結構疲れたので、とりあえずその日は宿の近くに見つけた商店で水や食べるものを買って休むことにした。明日からがんばろ。
しかし、なんというか、、泊まったお宿の部屋がめちゃくちゃ暑い。
宿の建物は冬に備えてなのか二重ガラスで防寒対策はばっちりなのだけど、エアコンもなくて9月の今はとにかく暑い。
ということで窓を開けてみるのだが、そうすると蚊がすごく入ってくる…
そんな状況でほとんど眠れず、翌朝体調を崩してしまった。
このままだとちょっといけないなと思い、旅が始まってから今までずっと安宿生活だったけれど、ここで初めて奮発していいお部屋に泊まることにしてみた。
1泊5000円もちろんエアコン付き!ここで2泊して体調も全快。
その間にシュムケントの街を歩き、しっかりご飯を食べつつ、ちびっこたちに写真をねだられつつ、国境行きのタクシーが待機している場所も無事に見つけられた。
乗り合いタクシーで、人が集まったら出発するしくみ。さてさて行こうかウズベキスタン。
と思って乗り場に行ってみると、
「マイスキーからは外国人(日本人?)は行けない」
と言われて愕然とする。
ただ代わりにヤラマーという国境があってここから300kmの距離にある。
なんぼなんでも遠すぎるのでは、、
と思うも、もうここしかない。
ドライバーからはやはり足元を見られてぼったくられにかかってしまったけど、なんとか頑張って値下げし、3500テンゲ(3500円相当)でほかの乗客3人との乗り合いタクシーが成立した。
タクシーは一面枯草が広がる丘陵地帯を駆け抜け、街の中を通り抜け、そして地平線まで見渡す限り砂漠の道をひたすら走り続ける。
本当にどこまでも砂漠が続く。何時間経ったかわからない頃、タクシーは小さな街はずれの道端にとまり、
「ヤラマーだよ」
とドライバーが教えてくれた。
西部劇にでも出てきそうな景色だった。
茫漠たる砂漠の中に、小さく簡素な家がところどころに建っている。
一緒に乗っていた人たちが荷物を持って歩きだすのを見送りながら、ドライバーさんに国境はどっち?と聞くと、
「あっちの方に行ったら国境だ」
と言うので見てみると、なにやら小さな詰所のようなところがある。
とりあえずあそこに行けばいいのかなと、ドライバーさんにお礼を言って荷物を背負い、詰所の方に歩くことにした。
こちらに続きます ↓