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酒と音楽~ライブハウスの今~Take out your story 番外編 vol.2

前回の記事では、野中聡さんとBEERHIVEさんのライブとその配信の様子を写真でお伝えしました。(2組の音楽は、ぜひYouTubeにてご覧ください!)


ライブから少し時間が経った頃。BEERHIVEのマヤさんと小出さんに、BEERHIVEの音楽活動の今についてお聞きしてきました。

昼間は音楽とは違うお仕事をしておられるおふたり。お仕事終わりの金曜日、お時間をいただいて。西荻にて、まずは乾杯。

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BEERHIVEは、西荻窪は松庵にあるジジ・アナベルというカフェバーを本拠地として活動を開始しました。

元々はお二人で音楽活動を始めようと思っていたそうですが、たまたま、それぞれ音楽活動をしていたキーボードのコダマさんとドラムのタキザワさんと一緒に活動しようという話になり、現在のバンドスタイルになりました。

バンドの名前の由来は、最初のライブが要町のBEER PUBで決まったことから。“HIVE”というのは、“蜂の巣“という意味なんだそう。「“BEERHIVE”でいいか、というその場のノリで思いついたような感じだったよね。」とマヤさん。


コイデさんがギターを始めたのは、中学二年生の頃。

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「その時で14歳だから、もう35年もやってるのか!」と本人もびっくり。

「結婚したりして、周りの人がどんどん音楽をやめていって。“俺の分も頑張れ”とかって言われたりするんだけど、いやお前の意見は関係ないからって思ったりして。自分に合っているのが音楽なのかは、いまだにわからないけど、ずっと続けてます。」と笑います。

「この人は、考えない天才。何でも楽しむ天才なの。」とマヤさん。


ボーカルのマヤさんは約4年間、ボイトレの先生に師事してきました。今でも「毎日1時間はスタジオに入ろう」と決めているそうです。

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「マイケルジャクソンが “世界三大テノール歌手の方が1日4時間トレーニングしてるって聞いてから、自分もそうしている“って話を聞いたことがあって。あんなにBIGな人ですらそんなにトレーニングしてるんだって。トレーニングは苦しいことの方が多いけど、本番にやりたいことがどれだけできるか、できないことをどれだけ潰していけるか、やればやっただけ結果になるからおもしろいよ。」

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「肺活量を増やすために毎日7キロ走ったり、サーキットトレーニングをしたり、それから練習をするとか、やっぱり、いいなと思う人はそれだけやってる。そうなるには自分もそれだけやらなくちゃって。」

「私はボイトレの先生を通して、プロの世界を幸いにも見ることができたのね。プロのやってることが自分の生活の中にひょいって入ってきた。そこに自分が入れたことが嬉しいの。」

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コロナが猛威をふるい始めた今年の3月以降、昼間の仕事の事情もあり、ライブはしばらくできなかったといいます。7月くらいからようやく、少しづつ活動を再開できるようになりました。

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「BEERHIVEはライブハウスというよりもカフェ寄りの場所で演奏することが多くて、音響設備もないところも多いので、アコースティック的な音響でやっていて。その代わりライブハウスのようなノルマもないし、音に関しては何もできないけど、勝手にやっていいよって言ってもらっていて。お金がかからないけどライブができる、そういう所で今はやっていこうかなって。」


そもそもライブハウスの収益は、演者に支払わせるか、お客さんに払ってもらうかで成り立っています。

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全盛期の頃は、ライブハウス側が演者を呼べるくらい余裕があり、純粋にドリンク代とチケット代で売り上げを立てていたので、演者からお金を取ることはなかったそうです。それが、時代とともに売り上げ分を演者に負担させるようになり、チケットの“ノルマ“が生まれました。チケットが売れた分、演者にチャージ分をバックするシステムへ。

その結果、お客さんを呼べるバンドはそのバックのお金で稼ぐことができますが、お客さんを呼べないバンドは自腹を切ってライブをするようになりました。


「身銭を切ってもライブハウスに出たいっていう演者が多くなって、変わっちゃったんだよね。ライブは自分たちでお金を払えばできる、みたいな時代になった。」とコイデさん。

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「それでも、ミュージシャンには還元してあげたいっていう昔ながらのライブハウスも多いよ。RiNenさんも、演者からはお金取らない。」とマヤさん。「そういう良心的なライブハウスさんほど今経営が厳しくて、潰れていくところも多くなってる。」


話は、今後のBEERHIVEの活動について。

「自分たちも今ライブがなかなかできなくて、YouTubeとかに動画をあげてるんだけど、録画して公開するってうちとしては初めてのことで。現状の中でどうやって発信していけるかをトライ&エラーでやっていきたい。」とコイデさんは言います。

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「演奏する場所のマッチングとミュージシャンのブッキングをやっていって、一緒にやりたいって言ってもらえるように、動き的にはレーベルになってしまうかもしれないけど、そういう企画集団になっていきたいなと思ってる。」とマヤさん。

「音楽だけを求めて集まってくる人たちに伝えていくことも大事だけど、普通のライブハウスじゃないところで、どういう企画ができるだろうって考えるのが今は楽しくて。」

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おふたりの表情は、私が思っていた何倍も明るくて、前向きなものでした。

「どんな景色を見に行けるかな、この身ひとつで。そう思っていて。」とマヤさんは言います。

周囲の状況に左右されることなく、自分たちの音楽を着々と、粛々と。むしろ世の中の流れに合わせて、さらに発展拡張させていくエネルギーをとても感じたおふたりでした。

BEERHIVEのこれからの活動がとてもとても楽しみです。

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次回は、早稲田RiNenのスタッフ、藤川さんに、現在のライブハウス運営についてお話をお伺いします。

引き続き、読んで頂けましたら幸いです。


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