音楽家と音楽事業家の違い〜コロナ禍LABO〜
【音楽家と音楽事業家の間で】
さてさて、そろそろネタ切れか?!と日々思いながらnoteを書いていますが(笑)、事業をやっていると何かと「書いておくといいかも」と思うことがあります。
今日の題材は、音楽家の為のコロナ禍LABO。
ローカルビジネスにおける音楽家の話です。
「音楽家の為の」なんて言えるほど凄い立場でもないのに、
この題材を書こうと思った理由は「完成形ではない私たち」だからこそ伝えられる事を「コロナ禍」だからこそ伝えるべきだと思ったからです。
あなたは音楽家として仕事を待ち続けますか?
あなたは音楽事業家として仕事を作り出しますか?
この二択の答えはどちらもYesがいいと思っています。
【ステイ→ウンエイへ】
今どうやって生きていこうか考えていますか?
これまでの仕事が減った方、
大学や専門学校を卒業して社会に放り出されたらコロナ禍だった方、
様々な背景があると思いますが、
共通して言えるのは「ステイしている間に運営しよう」です。
学生だったら小規模でも配信でもいいからイベントを企画運営してみよう。
既に音楽家だったらやっていきたい分野のイベント企画運営をしてみよう。
とにかく「イベントをやっていた」足跡がある事が大事だと思う理由があって、そのことを説明します。
何かをやるに当たって今の時代では必ず資金が必要です。
その資金の集め方は、
・チケット制
・スポンサー
・助成金
・クラファン
・協賛
ざっとどれかかな、と。
そうした時に、
どの選択をしても「信用」がないと資金は動かない。
この場合「イベントにお金を払う価値があるか」が大事で、
少なくとも「どんなイベントなのか明確に示せる」事が前提になります。
そのために1年2年〜3年分くらいの過去の実績、
写真や動画データ、動員人数のデータ、出演者運営者リスト、
フライヤー(イベントのチラシ)、が必須になります。
【Beforeコロナ〜Withコロナの音楽家の動き】
まずひと昔前までは、
NPO法人や財団などの法人がイベントを企画し、音楽家が出演する。
そこで収入を得ながら、音楽家同士のギグ(ライブハウスやバーでの小さなイベント)をたまにして日銭を稼ぐ。
レッスンをして生徒さんからダイレクト課金してもらう。
こんなスタイルが主流だったと思います。
コロナ1年目は、文化庁をはじめあらゆる助成金や補助金が「個人」または「個人事業主」に直接支払われるスタイルが取られました。(法人も勿論)
コロナ2年目から動きが変わるんだなと分かる情報が出てきました。
助成金・補助金は「個人(事業主)」には支払われず、「法人」に支払い法人から個人へ流してもらう。こんな動きになっています。
ここでポイントになるのが「法人から個人へ」なのですが、「任意団体」もOKになります。
「任意団体から個人(事業主)へ」もOKなんです。
「任意団体」って「個人」または「個人事業主」の集まりですよね。
ということで、
冒頭に戻ります。
あなたは音楽家として仕事を待ち続けながら、
音楽事業家として仕事を作り出すことで収入の流れを増やす事ができます。
【で、任意団体ってどうやって作るのよ!】
これ1番はじめにつまずきました。
「任意団体って何?」という問題です。
約3年前、市役所まで聞きにいきましたよ。
私「任意団体の申し込みをしたいんですけど〜」
職員の方「は、はぁ,,,。」
窓口で待つ事10分。
「あ、あのぉ、そのような申し込みはありませんがぁ...。」
「え?!もう一度確認して下さい!!」(往生際悪い私。笑)
「やはりぃ、ありませんねぇ、そのような申し込みはぁ...。社協のやっている講座などに選抜される登録はありますけど、任意団体として認めるような申し込みはございません。」
はい、アザマス!
そういう事なのでした。笑
【任意団体としてこれやっとくといいよ】
ということで、
特に登録も要らず任意団体です!と言えば任意団体になる事がわかりました。
だけどもそれだけで資金調達できるわけでは勿論ありません。
あらゆる助成金や公共施設などとやりとりをしていて必須だったもの。
それはズバリ約款。
約款=やっかんと読みます。
最初は、それすら読めませんでした。笑
やっき?やくかん?
やっかんでした!
「私たちの団体はこんな活動をしています」簡単にいうとそんな資料。
インターネットで雛形が沢山落ちていますので、どうぞ作成してください。
次に、課題と解決策を持っている事。
どんな企画書や事業計画書にも「活動の目的・課題」「活動内容」「期待できる効果」などを書きます。
「課題を見つける力が大事」これは10年前くらいから言われてきました。
さらにここ数年で「課題を見つけ解決する所まで考えられる力が大事」と言われるようになりました。
それは時代背景が関係していて、
高度経済成長・大量生産の時代が疲弊した後、
データの時代と言われてきたけど今はそれだけでもダメになってきました。
少し話の軸がずれますが、
なぜ時代背景によって大事なものが変わるのか?
それはシンプルに「そこに価値がなくなるから」です。
ものがなければものに価値があり。
ものが溢れたらものに価値はなし。
では今の時代は何に価値があるのか。
「意味」に価値がある時代。
そう言われています。
ものに「意味」を。
データに「意味」を。
あなたのイベントに「意味」を。
【音楽家と音楽事業家の仕事量の違い】
「なぜ意味がありどうして必要なのかの問題設定力」
自分で問題を設定し言葉にし解決までのストーリーをつくって形にしていく力。
それこそが「課題と解決」であり、
話の筋が戻りますが、
「課題と解決」こそが事業計画書の流れそのものなのです。
それらを設定し解決するストーリーを作るのが事業家。
一方で音楽家(プレイヤー)は自分の持ち場の技術や場数、仕事をもらうコミュニケーション能力がものを言います。
それが音楽家と音楽事業家の仕事の違い。
一生プレイヤー一筋、それはカナリかっこいい選択だと思います。
憧れますが、私のチョイスはそれ1本の道ではありませんでした。
ここで事業ができるまでをご紹介したいのですが、
まず当初、
こんな感じでアイデアをつらつらと企画書にしました。
そして一度やってみよう!と、
プレワークショップを企画し実行するまでの資料▼
いよいよこれは事業としてやれるのでは?!と走り出した2019年の資料▼
(各ファイルの中にまた膨大な資料があります)
例えば左上のBaby Jazzファイルの中身▼
そのまたファイルの中身と続いていきますがこの辺で。。
2年目の資料TORIHADA LABO2020▼
2年目の資料Baby Jazz2020▼
と、ここまでは運営側の資料ですね。
次が音楽家(プレイヤー)側の資料▼
プレイヤーファイルの中身は大方楽譜です▼
だいぶ資料の量が違いますよね。
音楽家と音楽事業家。
本年度の事業資料はまだこの程度▼
そして、資料といえば電子データだけでは留まらず。紙資料2年分のファイル▼
そんなわけで、
巷では「企画書の要らないイベント」という提案がなされるわけですが、
そこに到達するまでには資金調達の仕組みを作らなければいけないという事です。
私たちはまだまだそこまでには到達していません!満を辞して!
【TORIHADA LABOの問題設定は?】
最後にTORIHADA LABOの問題設定を紹介します。
《情報を簡単に受け取れる世界。答えはスマホの中にある世代。
私たち大人が作りたかった世界はこういう世界だったのだろうか?
情報過多の時代に生まれた子ども達に、本来自然が作り上げた世界を知ってもらいたい。五感を最大限に活用する音楽プログラムを通して心の声を引き出しながら、子ども達一人ひとりが個性豊かに自己表現出来るようになる。
その成長過程をサポートする事がトリハダラボの活動目的です。》
これらの目的を達成するためのプログラムのポイントと内容。
事業を動かすための会計知識と、信用のための活動実績。
あとは、意外と超大事「拠点としての住所を持つ事」ですね。
「自宅兼事務所」でOKな事が多いです。
そして何より大事なのが素晴らしい仲間を持つ事!
先にも書いたように、
任意団体は個人または個人事業主の集まり。
・個人事業主はそのままの意味。
・個人というのは全く分野の違う会社に所属しているけどイベントに運営で携わってくれるスタッフや、会社の社長だけど手伝ってくださる方々、専業主婦だけどパート程度でいいかしら?やってみたいわ、と携わってくださる方々。多くの個人をさします。
会社だったら役割があり、当然給料が発生し、対価として仕事をします。
任意団体は、給与ではなく報酬、受け持ちの部分のみを対価に仕事をします。
という事は、受け持ちで皆がやってくれる仕事以外は全てあなたがやるのです。
とってもとっても大変です。
プレイヤーでもあり事業家でもある。
それは本当に大変な事。
そこで仲間の協力というこの世で史上最弱で史上最強の武器が役に立ちます。
1歩間違えれば信用を失くす。
丁寧に積み上げれば掛け替えのない強みになる。
縁と情。
それに気付き大事にした者がレースの最終覇者。
(また今日もノムさんの名言登場←)
本質を間違える事なく、
丁寧に積み上げていければコロナ禍でも生き抜く術は手に入れられる。
自分を鼓舞するように今日は、音楽事業の術をお伝えいたしました。
既に法人化されている事業家の皆さんなら、
もっとスマートに伝えられる所を、
わざわざ事業3年目の私が筆をとったのは、
分からない事、知らない事の壁がまだ今ココにあるからで、
一緒に越えていけたらいいと思うからです。
本年度の音楽事業家への助成金として大きなものは、
文化庁のAFFだと思います。
ぜひチェックしてチャレンジしてみましょう。
私たちも頑張って取り組みます。
【最後に】
五感と音楽のあそびはたのしいです。
「何か分からないけどたのしい!」この感覚はここ20年間の社会において多くのイノベーションを生んでいます。
感じて。考えて。表現(発信)する。
私たちはプログラムを通しワクワクを最大限に引き出して、
これからの競争社会ではなく共奏(共創)社会を生きるサポートをしたいと考えています。
ミレニアル世代(1981-1996生まれ)のわたしたち。
長い物に巻かれて「とにかく頑張る」ことで社会の歯車に意味も分からずなってしまった最後の世代。(最後の世代にしたい、の願いも込めて。)
だからこそ何か違うぞと違和感の中でもがき続けた世代だと思います。
現代の親世代である、そんな私たちだから出来る幸せで満たされた子どもたちの未来への最善のサポートをしていきたいと思っています。
これは長期的なプランになりますが、
価値のあるヒト・価値のある未来を育んでいきたいと思います。
【まとめ】
長く書きましたが、まとめます。
音楽事業家としてイベントを事業化するにあたり必要なもの。
1.約款
2.事業計画書(課題と解決策)
3.事業計画書(会計知識)
4.活動実績(動員人数・写真動画チラシデータ)
5.活動拠点(住所・自宅兼事務所でおおかたOK←開業届で税務署で登録)
6.素晴らしい仲間
7.チャレンジ精神
PHOTO:初めてのプレワークショップ
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました☺︎