グレイモヤの感想
11/28(土)、お笑いライブ「グレイモヤ」を観に方南会館に行ってきた。
※グレイモヤとは
あんまりわかってないけど、関東のメディア露出はまだ少ないけど強すぎるネタを作る芸人が好き放題なネタをするライブ。出演芸人の年代は大体20代前半~30代前半。稲場るかのお笑いライブ初心者へのおすすめとしてあがってた。この人お笑い好きすぎる。
家から自転車で行けば30分のところを、なぜかバスを乗り継いで1時間、お金もかけて到着。平気で遅れるバスのイライラを、バス乗り換えの新代田で食べたラーメン屋のからし昆布の美味しさで中和しながら会場入り。会場は完全に公民館、公民館でしかみられないグリーンやアイボリーの調和した風景が、階段とともに自分を"地下"に導いてくれる。ずっとうわさに聞き、どんなものだろうと期待していたグレイモヤ。果たして。
会場は席の間隔を程よくあけ、だいたい男女半々の100人ぐらい?のお客さんがおり、内輪向けの印象があるライブだったけど雑談をしている人はおらず、ただみんな黙々とスマホをいじる。年齢不詳の男性が多いのはお笑いライブっぽいな、今日の出演者に女芸人とかいるんだろうか、と思っていると客電が落とされ開演。と同時に流れる「デレレレン……」という都市伝説でおなじみのBGM、きましたMr.ドーナツ伝説咳暁夫、先週の水曜日のダウンタウンで急に登場してちょっと話題になった直後のグレイモヤ、お客さんみんながもう登場から笑っている中、一発目の
「すごいことになったでしょ」
の一言で会場爆発、拍手笑いが10秒ほど続く。これはすごい空間に来た、みんなお笑いが好きすぎる。この一瞬のMr.ドーナツ伝説咳暁夫とお客さんの掛け合いで心を掴まれた。オープニングで簡単な都市伝説を披露しつつ、グレイモヤがスタート。
ずっと爆笑してたので印象に残ったシーンをあげます。
・竹内ズのネタ(「日本大学なんてこういうところなんだから」、歌広場のあいつ、射殺、ハレ晴レユカイ)
・Yes!アキト→どんぐりたけし→サツマカワRPG→じぐざぐ→怪奇 Yes!どんぐりRPGというじぐざぐを挟んだ香盤
・演芸おんせん矢巻のどきどきキャンプ岸感
・M-1の躍進で受け入れ態勢の整ったカナメストーンの尋常じゃないウケ
・ネタ被りなど、すべてがフリになったフランスピアノのギャンブルネタで起きた奇跡
・ひかるぶんどきの10分ずっと拍手笑いピンネタ
・ひかるぶんどき終わり暗転→会場に響く「ひい…ひい…」という笑い疲れのお客さんの声→「ムラムラタムラ!」の呼び込みに「もうやめてくれ!」というようなお客さんの「あっはっは……」
・ムラムラタムラのゴー☆ジャスオマージュネタ
・ムラムラタムラの次の出番、おもちゃのチャチャの一声目「まんこ!」
・ママタルトのグレイモヤ向けツカミ
・ママタルトの大鶴肥満のデカさ
・ママタルトのネタ全フレーズのウケ
・M-1準決勝へ向けて調整抜群のWサスペンダーズ
・ネタ中2言ぐらいしか発さない銀兵衛あゆむの立ち姿
・座・パンイチ→安寧ガールズ→スーパー4助の牛女しらすシリーズ(これはさすがに知らなかった)
・ガクヅケのネタで使われる「ラフメイカー」
・トリのヨシダ in the sunの歌で包み込まれる会場の大団円感
全部で25組ぐらいのネタを観た。もちろん全組、今年観たネタでトップレベルの面白さで衝撃を受け続けてたのですが、積極的にネタバレをするのもどうかと思い上記のようなまとめで。特にひかるぶんどきのネタはいかつかった。1人コントを10分、ずっと爆笑を取り続けてた。顔と所作が面白かったな。その流れで「ムラムラタムラ!」なんて呼びこまれたから、お客さん全員が「笑いに殺される」って思っていました。
出演している芸人は東京の界隈感が強く、たぶん大喜利ライブだったりそういうとこに足しげく通っているとわかる内輪ウケなんかもあるんだろうなと思った。トリのヨシダin the sunの呼び込みも「トリはもちろんこの男、ヨシダin the sun!」で、twitterで検索したらトリでおなじみらしく、こういう文脈も知っていると楽しくなるんだろうな。それでも何も知らない状態でめちゃくちゃ笑えたから単純にネタの質が高い。
ネタの内容に挿し込まれるフレーズから、このイベントが20代~30代前半の同世代に向けたものだということがわかる。竹内ズのネタでハレ晴レユカイのイントロが流れた瞬間爆笑できるのも、ガクヅケの「ラフメイカー」でライブが終盤に近付いてる気分になるのも、全てこの世代だから。ほかにも初代ポケモン、遊戯王など。俺たちが中心なんだ。霜降り明星がお笑い界に出てき始めた2015,6年ごろ、「ついに自分たちがメディアの中心世代になれる」とワクワクした。アラフォーのキン肉マンのように、いつか俺たちもテレビやラジオ、その時に盛りを迎えている媒体で初代ポケモンの話がされているのを見て笑っていれば「おっさんがなんかいってるわ」と思われるんだろう、それもまたいい未来だ。
何回も言うけど、竹内ズのネタのすべてのポイントが爆笑だったことが気持ちよかった。歌広場のキャラクターっていうあるあるネタ、射殺というナンセンスさ、そしてハレ晴レユカイを流すという突拍子もなさと世代感、全て俺の好きな笑いがつまってた。アガるネタだったなあ。
にぼしいわしのツイートにもあった「お笑いの汁に十分に漬け込まれた最強のお客さん」のおかげで成り立っているライブでもある。マイナビラフターナイト2019年チャンピオン大会でかが屋が言ってた「勘が良いお客さん」と同じで、フリの段階で笑いはじめ、ちゃんとキメっぽいところでも気持ちよく拍手笑いする会場の雰囲気が最高に好き。ホームすぎるだろうね演者にとっては。
Mr.ドーナツ伝説咳暁夫の締めの都市伝説でライブは終了。客電がついて明るくなると、言葉も交わさず荷物をまとめて足早に会場をでるお客さんたち。歩きスマホ率ほぼ100%の集団が方南町へ向かう。綺麗な女の人と話していた女子大生風の人が笑い疲れた声でつぶやいた「グレイモヤ最高……」が響いていました。
こんなものを生で観られる東京に来てよかった、と思った土曜日でした。そのあと永福町で友達と寿司を食い、婚約の報告をしたら寿司屋の大将が一見なのにワインをくれました。