見出し画像

鳥のきもち「飛べるってすごいことなんです」

 私たちの祖先は大昔のスーパーヒーロー・恐竜の仲間の「獣脚類(じゅうきゃくるい」と言われています。少し前までは始祖鳥(*1)が鳥の祖先のように思われてきましたが、始祖鳥は直接の先祖ではなく、別の系統に属するそうです。そういえば、私たちって、なんとなく恐竜に似てますよね?

 私たちが恐竜から進化するときに手に入れた大きな特徴は、なんと言っても「翼」。ほかの動物でいう前足を翼に変えて空を飛び、そして、人間の「手」のように「くちばし」を器用に使って生活します。「羽毛」も鳥っぽさのひとつですね。

 鳥の種類は全世界に約9000種と言われていますが、体のサイズや若干の差こそあれ、パッと見て「鳥」とわかるのは、これらのつくりによるものでしょう。

 私たちの体は、大きさに比べて重量が軽いことがポイントです。
 別にダイエットに励んだわけではありません。進化の過程で体のつくりを軽量化したのです。

 なぜなら空を飛ばなければなりませんから。

 そのために内臓や骨も軽めにつくられ、歯だってありません。食べ物を体内にためないため膀胱もなく、食べたものは頻繁にフンとして排出します。

 空を飛ぶためには、高度な情報処理が必要になります。情報処理というと難しそうですが、要は「頭がよくなければ、飛べない」のです。自分で言うのもなんですが、高い知能を持っているのです。

「目がよい」ことも特筆すべきでしょう。(*2)
 実は人間と私たちが似ている点は、五感の中でも視覚情報が生きていく上で非常に大切だということ。鳥は明るい時間帯にフルカラーの世界で生活し、高い視力を活かして食べ物の「食べられる・食べられない」を判断しているのです。ただし、「鳥目」というのも一理あって、夜行性ではない私たちは、夜の暗さに目が慣れるのに人間の何倍か、かかるようです。よい子は早く寝ましょう。
 私たちの頭部は体のわりに大きめです。

 なぜかというとそこには飛ぶために発達した脳と目がおさまっているからです。頭でっかちなわけではありませんよ。

 私たちも人も、もともと、日中・樹の上で生活してきました。
 姿・形はまったく違いますが、人も鳥も、言葉(さえずり)と身振りでコミュニケーションをはかる点で似ていて、とても近い関係と言えるかもしれません。

(*1)始祖鳥は、化石として発見される生物で、ジュラ紀後期、1億6100万〜1億4500万年前に生息していたと考えられています。これまでは、最古の鳥類とされてきましたが、その位置づけは揺らぎつつあります。

(*2)鳥は視覚が発達していて、人には見えない色が見えています。そのため同種のオス、メスや、人間の男女も一瞬で見分けることができるそうです。

いいなと思ったら応援しよう!