(9)鳥爺DJ奮闘記「たいへんなことになりましたね」
いつもありがとうございます。鳥爺です。
信用金庫に到着しました。さすがに毎週はしんどいですね(苦笑)。
今回は信用金庫の本店に呼ばれました。尋常ではないことが予測されます。
本店の豪華な応接室に通され、支店長とは別に貫禄のある方が2人同席されました。
「残念ながら銀行取引停止処分になります」
と支店長が口火を切りました。
「取引停止処分ということは倒産ですか?」と聞きました。
「そういうことではありません。当信用金庫はもちろんのこと、全ての金融機関との取引ができなくなりました」
と支店長の隣いる副支店長が答えてくれました。
難しいことは私にはわかりませんが、倒産したわけではないようです。
「この先どうしますか?」と3人目のお偉いさんが尋ねました。
「この先、、、?」
「つまりお貸ししていたお金を、すぐにでも返していただきたいのですが」
なるほど、そういうことですか。ディスコを始める時に、融資したお金を返してほしいということですね。
ディスコの会社の代表取締役になって2週間で不渡りが2回。脇が甘かったといえばそれまでですが、私だけの責任でしょうか?
「耳をそろえて返せ、ということですか?」
信用金庫のお偉いさん達は、無言で私の次の言葉を待っているようでした。
「そんな大金を一括で返せるなら、融資を受けないですよね?」
さらに
「信金さんも予測できなかったのですか? その責任を私だけに押し付けるのですか?」
と、立て続けに言いました。
3人は渋い顔をしていましたが、支店長がとても困った顔をして
「ご理解はしています。しかし、心配なことがありまして、、、」
と、私に手形を見せてくれました。
これが2回目の不渡りになった手形のようです。しかし、それがどうしたのでしょうか。
「裏書きを見てください」と支店長。
裏書きとは、手形を受け取った人は、期日前に金融機関で割り引いてもらったり、第三者に譲渡することができます。
「手形は怖い」というイメージがありましたので、私は手形を発行したことがありません。もらったことはあります。
実はこの手形、第3者に譲渡されていました。
「これがどうしたのですか?」
何も知らない私は、そう答えました。
信金のお偉いさんが心配していたことは、手形の譲渡先だったのです。
「たいへんなことになりましたね」
と支店長が私を見ず、手元の手帳に視線を落としながら話されました。
「たいへんなことって、その譲渡先はどこですか?」
(つづく)
今日も素敵な一日になりますように(^o^)/