(27)The Future of ‘Birds-first’ Breeding「スミレコンゴウ、いくら?」
いつもありがとうございます。鳥爺です。
展示会は日本の体育館の3、4倍くらい大きさの建物で開催されていました。
中に入るとそこにはたくさんの人がいました。
机がたくさん並べられ、そこには鳥グッズが展示されています。
ケージ、止まり木、おもちゃ、ぬいぐるみ、そして鳥の本など、それはそれはたくさんの品数です。
そんな商品を興奮しながら眺めていると、奥のほうからインコやオウムの鳴き声が聞こえてきました。
私は手にした鳥のおもちゃを元に戻し、声がする方向に足早に向かいました。
するとそこにはすごい光景が広がっていたのです。
どこから入れたかわかりませんが、高さ3mくらいの枝ぶりの大きな木が備え付けられていました。
その木には、ルリコンゴウ、ベニコンゴウ、コンゴウインコ、そしてあのスミレコンゴウインコがおとなしく止まっていたのです。まるでクリスマスツリーにコンゴウインコが止まっているイメージです。圧巻でした。
隣の木には、オオバタン、タイハク、キバタンなどのオウム達が止まっていました。
微妙な距離感を保っているところが印象的です。
他にもボウシインコ類やメキシコインコ類などもいます。
小さいインコといえば、セキセイやオカメたちは、大きいフライトケージの中で放し飼いにされていました。
他にはキンカチョウがたくさんいます。
いろいろな色変わりのキンカチョウがいて、人気の高さを感じました。
日本では人気のある文鳥は、私が探したかぎり1羽も見ることができませんでした。
アメリカ人は文鳥よりもキンカチョウのほうが人気があるようです。
これらの鳥達はすべて販売目的です。
近辺のブリーダーさん達が連れてきて、展示即売を行っていたのです。
ということは、わざわざタクシーを使って長距離を走りブリーダーさん宅を訪問せずに、この場で気に入った鳥を買えばいいのでは、と考えました。
「そうだ、ここで欲しい鳥を譲ってもらえばいいんだ!?」
だって、ここにはブリーダーさん達が、自慢の鳥達を売るために連れてきているのだから。
多くの来場者が欲しい鳥を指差しながら交渉をしています。この流れに乗らない手はありません。
日本からわざわざ来た甲斐がありました。
やっと私の気持ちがとても晴れやかになりました。
まずは買えるかどうかわかりませんが、日本ではなかなか見ることができないスミレコンゴウインコを展示販売しているブースを訪ねました。
そしてそのブースのブリーダーさんに聞きました。
ブリーダーさんは私が痩せて見えるくらい恰幅のいい50前後の男性です。
「このスミレコンゴウインコはいくらですか?」
と聞くと、笑顔だった表情が一変して強面になりました。
そして、私を足元から頭の先まで睨むようにして、
「いくらなら買う?」と、逆に聞かれました。
参考までに聞きたかったので、いくらが相場かわかりません。
もし相場より安い価格だと、あの強面の表情からして一喝されそうですし、相場より高いと買わなければならないし、どうしたらいいわからず固まってしまいました。
でも今後のために相場がいくらくらいか知りたいので、同じ質問をしました。
「いくらですか?」
すると、
「だからいくらだったら買うんだ」
と明らかに怒っている表情で返してきました。
このブリーダーさんに聞くのはここで終わりにしたいと思いました。
でも私から話かけたし、どうやって終わればいいかわかりません。
そんなときにちょうど別の来場者がタイミングよくブリーダーさんに声をかけてくれました。私はその隙にブースを離れることができました。
次からは冷やかし程度に声をかけるのは慎まなくてはならないということを学びました。
そして鳥を譲ってもらうために次のブースに向かうとき、40歳前後の女性から声を掛けられました。
実はその女性は私にとても大切なことを教えてくれたのです。
(つづく)
今日も素敵な一日になりますように(^o^)/