母親(や養育者)との絆が乳児の安全網としての社会的行動を促進する
今日は、こちらの記事から引用します。
https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2024/08/67654/
脳の「不確帯」にある特定のニューロンの役割
マウスの不確帯にある特定のニューロンが、乳児とその母親との初期の社会的相互作用に重要な役割を果たしているという研究結果。この結果は、乳児の発達における重要な社会的絆の神経メカニズムを探求する上で興味深いものです。
「不確帯」が幼児の場合、母親からの様々なシグナルを統合する領域として働いているそうです。
その論文がこちらです。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.adk7411
この不確帯にある特定のニューロンを通じて、乳児は母親や養育者との愛着による絆を形成し、安心感を得る一方で、周囲を探索し、学習し、重要なスキルを身につけるための安全網として社会的絆を活用するようです。
「不確帯」を通じ、母親(や養育者)との絆で乳児がたどるプロセス
この論文などから、プロセスをまとめてみました。
この「不確帯」を通じ、
①母親や養育者との「愛着(アタッチメント)」による絆を形成
↕
②安心感による行動の苦痛を軽減
↕
③周囲を探索し学習し
↕
④重要なスキルを身に着けるための安全網(セーフティーネット)としての
社会的絆を活用
初期の社会的相互作用を促進
母親(や養育者)の存在に関連する2つの主要な適応機能として、
①愛着による絆を形成し、安心感による行動の苦痛の軽減
②学習の促進し、安全網としての社会的絆を活用。
を媒介すること。
「不確帯」を通じて媒介し、乳児とって大切な、安全網(セーフティーネット)を形成する初期の社会的相互作用という重要な働きをする。
社会的相互作用とは、人々が状況に意味を持たせ、他者が意味しているものを解釈し、それに応じて反応する社会的行為と言われています。
”不安や恐怖の調整する”境界がはっきりしない脳の中の「不確帯」の意味が分かる気がします。
今、変化が激しく、不確実で、複雑で、曖昧なVUCAの時代と言われている現代社会で、乳児だけでなく、あらゆる世代にアタッチメント(愛着)の重要性が良くわかります。