坦々麺と炒飯

食い逃げでもしようとしたのか、チェーンラーメン屋でジジイが怒られているのを見てふと思い出したのは、平成も終わる数年前の事。
朝抜いた俺は坦々麺にミニサイズじゃない炒飯と、かなり奮発したランチで腹パンだったが、財布をオフィスに忘れた事に気付いた瞬間頭が凍りついた。スキニーのケツポケットに入れてた財布で美尻がガタガタになりかけていたので、財布をバッグに移動したのだった。平然を装い苦笑いで事情を説明するも、店員は二言目には警察が口癖なトラブル対処が得意な腕まくり輩。
その時1人の男が、俺が奢るよと伝票を僕の手から奪いお会計。唖然としてお礼を言う間も無く男はタクシーで消えた。
後日、整形していたお尋ね者がとうとう逮捕されたのだが、その整形顔は私の伝票を奪ったイケメンだった。

#感動文学推薦珍饅