百合漫画『愛したぶんだけ愛してほしいっ!』感想【ネタバレあり】
今回は久しぶりに漫画の感想を書きます。タイトルにあるようにネタバレありです。
最初に私がこの本を読んだきっかけについてです。
私は元々百合作品が好きであり、地雷系女子(この言葉には賛否がありますが、この記事では分かりやすさを優先して使っています)も好きです。なのでこの漫画が連載されると知った時はわくわくしていました。その後一話を試し読みし、好感触だったのでコミックスも購入しました。
結果、この漫画は私の好みドストライクでした。この記事ではそんな『愛したぶんだけ愛してほしいっ!』について語っていきます。
『愛したぶんだけ愛してほしいっ!』で私が特に好きなところはキャラクターとストーリーです。キャラクターについては主人公のなな、そして相手役のつかさがどちらも素晴らしいです。
ななは量産型/地雷系ファッションを好む女子で、物語が始まった時点では無職です。恋愛では依存癖があり、オフ会で知り合ったつかさに惚れてすぐに体の関係を結び、付き合っているのかいないのかなんだか曖昧な状態のまま突き進んでいきます。また、つかさを繋ぎ止めるための資金調達として自分のいかがわしい写真を売るといった側面も見られます。
つかさはボーイッシュで一見ななを大事にしているように見えるのですが、いわゆる女性にモテるタイプの女性であり遊び人です。物語の中で最終的にはななのヒモのようになっています。
ななもつかさも第三者から見れば何をやっているんだこいつと思うような言動をたくさんするのですが、個人的には不思議なリアリティーを感じるとともに共感してしまいました。すごく現代(になってからクローズアップされてきたような)の社会的な問題だとか、自己肯定感が高いのか低いのか分からないところとか、ある程度普遍的な(しかし当人にとっては深刻な)寂しさだとかが作品の中に散りばめられています。
ラストにかけての数話でも他の漫画であればぶっとんでいるなと感じるような行動をなながとるのですが、確かにその時のななのような不安定さを抱えていたらそういった行動も取るかもしれないなという納得がありました。
ラスト自体も一見ハッピーエンドに見えますが、実は問題は何も解決していない……というかこれから年月が経ってななが年を取ったらどうなってしまうのだろうと思うようなメリバでした。
つかさもよく言われているようにクズではあるのですが、この子を好きになってしまうななの気持ちも分かるなと思う部分もありました。
あまりまとまりがないですが今回の記事はここまでです。読んでくださって本当にありがとうございました。