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Blender4.0-ジオメトリノードでアルミトラスを作成 頂点グループによる太さ使い分け

こんにちは、十姉妹です。

今回は、前回の「ジャングルジムを作る」というテーマの続きとして、パイプの太さや形状を部分的に変更する方法について考えていきます。
主に使用する材料は「オブジェクト」、「ジオメトリノード」、「頂点グループ」です。
パイプオブジェクトの作成が容易になると思います。

作成するものは、イベントステージなどで使用されるアルミトラスです。
また、直角以外の例として、太鼓橋の作成にも挑戦してみます。

▼前回のジャングルジム作成に関する記事はこちらです


1 アルミトラスの作成


ここではアルミトラスを作成する。
作業の流れは以下の通り:

・基本形状の作成
・頂点グループの作成
・ジオメトリノードの作成
・マテリアルの作成

1-1 アルミトラスの基本形状の作成


アルミトラスは「頂点」と「辺」を用いて作成する。
オブジェクトを編集して作成したとしても、「面」はジオメトリノードにより非表示になるため、削除する必要はない。
サイズは実際のアルミトラスの幅を基準にする。

アルミトラスのサイズは1.8 m × 0.312 m。
追加 > メッシュ > 立方体 を加工して作成する。
上記の通り、面はそのままで問題ない。

$$
\begin{array}{|l|c|c|c|c|}
\hline
&\bold{\small{形状}}&\bold{\small{幅}}&\bold{\small{高さ}}&\bold{\small{半径}}\\\hline
\bold{\small{端フレーム}}&\small{四角形}&\text{\small{0.0725 m}}&\text{\small{0.06 m}}&\small{-}\\\hline
\bold{\small{支柱}}&\small{四角形}&\text{\small{0.03 m}}&\text{\small{0.03 m}}&\small{-}\\\hline
\bold{\small{トラス}}&\small{カーブ円}&\small{-}&\small{-}&\text{\small{0.01 m}}\\\hline
\end{array}
$$

[ 1-1 ] -1 アルミトラスの基本形状

俯瞰すると、下図のような構造になっている。

[ 1-1 ] -2 アルミトラスの基本形状

基本形状をしっかりしたサイズで作成したい場合は、パーツの中心点に辺が位置するように作成する。
※上図「アルミトラスの基本形状」を参照
 例. 端フレーム(上)
   フレームの高さは 0.06 m のため
  ( 1.8 m - ( 0.06 m ÷ 2 ) )=1.77 m
  となる

最後に適用「全トランスフォーム」を行う。
これで基本形状は完成である。


1-2 アルミトラスの頂点グループを設定する


パイプの太さ・形状別に頂点グループを作成する。

1-2-1 端フレーム部分

端フレーム(上下部分)の頂点グループの割り当てを行う

[ 1-2-1 ] -1 端フレーム部分
  1. 頂点グループを追加し、名称を設定する。
    名称= 「G-端フレーム」

  2. 登録したい頂点(上図の選択部分)を選択して、登録する。


1-2-2 支柱1部分

すべての支柱を一度に選択して登録すると、トラス部分も一緒に登録されてしまう。トラスの巻き込みを防ぐため、対角線上の支柱を選択して、頂点グループの割り当てを行う。

[ 1-2-2 ] -1 支柱1部分
  1. 頂点グループを追加し、名称を設定する。
    名称= 「G-支柱1」

  2. 登録したい頂点(上図の選択部分)を選択して、登録する。


1-2-3 支柱2部分

支柱1と同様の理由で、対角部分を頂点グループ割り当てを行う。

[ 1-2-3 ] -1 支柱2部分
  1. 頂点グループを追加し、名称を設定する。
    名称= 「 G-支柱2 」

  2. 登録したい頂点 ( 上図の選択部分 ) を選択して、登録する。


1-2-4 その他部分

余分な頂点を支柱部分に加える理由は、トラス部分だけを頂点グループの登録範囲とするためである。最も細い材料なので、余分なパーツが支柱に埋もれても問題なければ、頂点を追加する必要はない。

[ 1-2-4 ] -1 その他部分
  1. 頂点グループを追加し、名称を設定する。
    名称= 「G-その他」

  2. 登録したい頂点(上図の選択部分)を選択して登録する。


1-3 アルミトラスのジオメトリノードを設定する


ジオメトリノードでパイプを作成する。

1-3-1 ノードの構造

一見すると複雑な構造に見えるが、簡単に説明すると以下の通りである。

・ メッシュをカーブに変換する
・ 頂点グループごとに指定形状を設定する
・ カーブをメッシュに変換する
・ 一括でマテリアルを設定する

1-3-2 ジオメトリノードの全容

[ 1-3-2 ] -1 ジオメトリノード(全体)


1-3-3 端フレーム

[ 1-3-3 ] -1 端フレーム


1-3-4 支柱1

[ 1-3-4 ] -1 支柱1


1-3-5 支柱2

[ 1-3-5 ] -1 支柱2


1-3-6 その他

[ 1-3-6 ] -1 その他


1-4 完成


完成である。

[ 1-4- ] -1 完成



2 Ex. 太鼓橋を作る


直角以外の形状を作る試みも行ってみる。
こちらはおまけなので、詳細な説明は省略する。

2-1 基本形状を作成する。

2-1-1 ガイドの作成

[ 2-1-1 ] - 太鼓橋-1-ガイド

2-1-2 太鼓橋のフレームの手すりの作成

[ 2-1-2 ] - 太鼓橋

2-1-3 太鼓橋のフレームの手すりの変形

1. アーチ型に加工する

[ 2-1-3 ] - 太鼓橋

2. 位置をY軸移動する
 Y=0の位置で手摺を作成していたため、幅を設定する。
 幅は人がすれ違える程度で自由にどうぞ。
3. ミラーモディファイアーを適用する。

[ 2-1-3 ] -2 太鼓橋-手摺(俯瞰)


2-1-4 手すりの頂点の飾りを作成

支柱の上に取り付ける部品を製作する。
これは後でジオメトリノードに読み込むための部品である。

今回は、オブジェクト「円柱」を変形して作成した。
 名称 = 「 頂点飾り 」
 ※部品の名称が不明のため「頂点飾り」とした。

[ 2-1-4 ] - 太鼓橋-飾り


2-1-5 足場の作成

1. 橋の足場の基本形状を作成する。

[ 2-1-5 ] -1 太鼓橋-足場

2. ソリッド化モディファイアーで厚みをつける。

[ 2-1-5 ] -2 太鼓橋-足場

3. ミラーモディファイアーで左右対称にする。
 ※ 修正するときに左右対称が崩れるのは面倒なので、片側だけ加工すれば済むようにした。

[ 2-1-5 ] -3 太鼓橋-足場(俯瞰)


2-1-6 足場の支えの作成

足場を複製し下記変更を加える

  1. 位置を調整
    足場の下に移動

  2. 幅を調整
    足場より狭くする

  3. 厚みを変更
    足場を支える部品なので太め

[ 2-1-6 ] -1 太鼓橋-足場の支え
[ 2-1-6 ] -2 太鼓橋-足場の支え(俯瞰)


2-1-7 支柱の作成

実際の橋の写真を参考にして、作成してみた。

[ 2-1-7 ] -1 太鼓橋-橋脚
[ 2-1-7 ] -2 太鼓橋-橋脚(俯瞰)


2-2 太さ・形状別に頂点グループを設定する。

■足場、足場の支えについて
 ジオメトリノードを使用しないため頂点グループの設定は不要である。

2-2-1 手摺

1. 頂点グループ 「 G-支柱1 」

[ 2-2-1 ] -1 支柱1

2. 頂点グループ 「 G-支柱2 」

[ 2-2-1 ] -2 支柱2

3. 頂点グループ 「 G-横1 」

[ 2-2-1 ] -3 横1

4. 頂点グループ 「 G-横2 」

[ 2-2-1 ] -4 横2

5. 頂点グループ 「 G-横3 」

[ 2-2-1 ] -5 横3

6. 頂点グループ 「 G-その他 」

[ 2-2-1 ] -6 その他

7. 頂点グループ 「 G-頂点 」

[ 2-2-1 ] -7 頂点


2-2-2 支柱

単一頂点グループのみである。

[ 2-2-2 ] -1 土台



2-3 ジオメトリノードを設定する。

2-3-1 手摺のジオメトリノードを設定

基本的にはアルミトラスと同様の構造になっているが、一番下の「 頂点オブジェクト 」のみ異なることを行っている。
「G-頂点」という頂点グループの位置に頂点飾りを配置するノードである。

[ 2-3-1 ] -1 手摺のジオメトリノード

ジオメトリノードの反映後の状態

[ 2-3-1 ] -2 太鼓橋-ジオメトリノード反映後
[ 2-3-1 ] -3 太鼓橋-俯瞰


2-3-2 橋脚のジオメトリノードを設定

[ 2-3-2 ] -1 ジオメトリノード太鼓橋-橋脚

ジオメトリノードの反映後の状態

[ 2-3-2 ] -2 太鼓橋-橋脚
[ 2-3-2 ] -3 太鼓橋-橋脚(俯瞰)


2-4 完成

[ 2-4 ] -1 完成


まとめ


今回はジオメトリノードを使用し太さや形状の異なるパイプ系のオブジェクトを作成しました。
オブジェクトのみで作成するよりは早く作成できた…はず。
おまけのほうがボリューミーなのは不思議だなぁ。

では、また別の記事でお会いしましょう。


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