見出し画像

中小企業こそ財務会計・管理会計ができる経理が必要な理由

ここ最近忙しく、更新が約1カ月以上空きましたが、また改めて更新していきたいと思います。
前ほど頻繁には更新できないかもしれませんが、その分より良い内容で更新してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

今回は財務会計・管理会計のできる経理人材についてお話しできればと思います。

当然の話ですが、中小企業にとって経営資源は限られています。
その中で、財務状況を把握し、適切な経営判断を下すためには、財務会計管理会計の両方を理解し、実行できる経理担当者が不可欠です。

本コラムでは、中小企業が財務会計・管理会計を重視すべき理由と、それを実現するためのポイントについて解説します。



財務会計と管理会計の違い

まずは、財務会計と管理会計の基本的な違いについて整理しましょう。

・財務会計

財務会計は、外部の利害関係者(銀行、株主、取引先など)に対して企業の財務状況を報告することを目的としています。
主に決算書(損益計算書、貸借対照表など)を作成し、法令に基づくルールで処理を行います。

・管理会計

管理会計は企業内部の意思決定をサポートするためのもので、経営者や部門リーダーが利用します。
予算管理、コスト分析、収益性の評価など、経営目標を達成するための具体的なデータを提供します。

これらは別々の目的を持つ会計手法ですが、中小企業においては相互に補完し合い、経営の健全性と効率性を高める役割を果たします。




中小企業が抱える課題

中小企業において、財務会計と管理会計を実施できていないことは珍しくありません。
その主な理由は次の通りです。

1.リソース不足

小規模の経理部門では、日常的な仕訳や請求書処理に追われ、管理会計のような戦略的業務に手が回らないことがあります。
また、経理担当者が財務会計に偏ったスキルセットを持つ場合、管理会計が後回しになるケースが多いです。

2.経営者の意識不足

財務データの重要性を十分に認識せず、現場感覚に頼った経営が行われる場合、管理会計の導入が遅れます。

3.ツールやシステムの未整備

エクセルや紙ベースでの業務が多い中小企業では、データの一元化や分析が難しく、管理会計を実施する基盤が整っていないことも課題です。



財務会計・管理会計が必要な理由

これらの課題がありながらも、中小企業にとって財務会計・管理会計を実現することは以下のような多大なメリットをもたらします。

1.資金繰りの安定化

財務会計によってキャッシュフローを正確に把握することで、資金不足による事業停止リスクを軽減できます。
また、財務諸表が整備され、透明性が高まれば、融資や投資を受けやすくなります。

2.意思決定の迅速化

管理会計を活用すれば、商品やサービスの収益性を分析し、どの事業にリソースを集中すべきかを判断できます。

3.経営の見える化

売上やコスト構造、部門別の業績を管理会計で明確にすることで、経営目標の進捗状況を把握しやすくなります。

4.従業員の意識改革

データに基づいた目標設定とパフォーマンス評価を行うことで、従業員一人ひとりが自分の役割や目標を明確に認識できるようになります。


必要な経理担当者のスキル

これらを実現するために、中小企業が求める経理担当者のスキルは次の通りです。

1.財務会計の基礎知識

日商簿記2級以上の知識を持ち、決算業務を一人で対応できる実務能力。

2.管理会計の実務スキル

コスト分析、予算作成、KPIの設計・モニタリングなどのスキルが求められます。

3.デジタルツールの活用能力

クラウド会計ソフトやBIツールを活用し、効率的なデータ収集・分析ができること。

4.コミュニケーション能力

経営者や現場との連携を通じて、会計データを経営に活かすための提案力。


導入の第一歩

財務会計・管理会計を中小企業で実現するためには、段階的な導入が効果的です。

1.現状の把握

財務データの整備状況を確認し、管理会計に必要なデータの不足を洗い出します。

2.経理担当者の教育

財務会計・管理会計の基礎を習得するための研修や資格取得を促進します。

3.外部専門家の活用

必要に応じて税理士やコンサルタントを活用し、スムーズな導入をサポートします。


まとめ

中小企業こそ、限られた経営資源を最大限に活用するために、財務会計と管理会計の両輪が必要です。
これらを実現することで、経営の透明性と効率性が向上し、企業全体が持続的に成長する基盤を築くことができます。

ただしそれらのスキルセットを持つ経理人材はほとんどおらず、また給与水準も年収1千万円以上と高い傾向にあります。
そのため最初から正社員としての採用ではなく、外部のコンサルてぃんぐをりようすることも検討してみてはいかがでしょうか。

経営者は、経理担当者の役割を単なる帳簿付けにとどめず、「経営のパートナー」として位置づけ、積極的に活用する意識を持つことが重要です。



いいなと思ったら応援しよう!