[モダン]御霊クラガンの話


ご挨拶

どうも、初めましてかお久しぶりです、トリニキです。

今回はモダンのお話。
指輪物語が登場し独創力が姿を消す中、ずっと【御霊クラガン】で大会に出てはいましたが、なかなかいい成績が出ず、noteを更新する意欲がありませんでした。

そんな中、先日久々に大会で優勝することが出来たので、これまで回してきた中で個人的に感じたことを書いておこうと思います。
(参加者14人の大会ですが、優勝は優勝なので、ね?)

ちなみに、同日に第4回パウパー神挑戦者決定戦の日でもありましたが、リストが固まらず不参加でした。
どうやら【壁コンボ】が数人いたらしいですが、、次回は出ようかなぁ。

デッキリスト

特に変なところはない普通のリストです。

そもそも【御霊クラガン】って何?

デッキについての詳細は詳しい記事が既にたくさん存在するため割愛。

今後の話のために、このデッキの基本的な勝ち筋は以下の3つです。
御霊ルート:エムラクールかヤーグルとムルタニを捨てて御霊の復讐で釣って攻撃
クラガンルート:エムラクールかヤーグルとムルタニをクラガンで捨てて大ダメージ
サーガルート:<ウルザの物語>から構築物トークンを量産してビートダウン

特に前者2つが墓地(脚)or手札(腕)から投げつける(シュートする)都合、サッカーとバスケをするデッキと認識しています。

一般的なリストとの微妙な違い

自分なりの違いをつらつらと。

・稲妻3と一押し1
稲妻4のリストが一般的だが、オムナスやタルモゴイフ、シェオルドレッド等を対処出来ないことが多く一押しと分けることに。
これで勝てる試合も増えたが、トロンやコントロールに死に札になることもあるため一長一短。

・メインの真髄の針
メインから使いたい場面がそれなりにあり、かつサイドから入れることが多かったためメインに昇格。
真髄の針学Ⅰを履修してメインに置かない理由が少ないことに気づいたのも大きい。

・サイドの一つの指輪
元々メインだったが真髄の針と入れ替えでサイドに移りました。
メインの理想である御霊ルートでは不要牌なこと、またオークがいると一瞬でライフが溶けるため、コントロールやリソース勝負になる相手にのみサイドから入れる方針に変更。
指輪自体は非常に強く、リソース回復もさることながら、クラガンルートでのプロテクションによる延命は勝率をぐっと上げてくれます。
ただし、そのうち重荷を支払えなくなるのでご利用は計画的に。

御霊クラガンを回してみて

利点

・3つのルートの対処方法が異なる

このデッキの二番目に良いところ。
勝ち方に対する明確な対処方法としては以下になります。
御霊ルート:墓地対策、軽い打ち消し
クラガンルート:速度勝負、緻密(打ち消しは魂の洞窟で回避できる)
サーガルート:除去、ディッチャ、土地対策

それぞれが他のルートへの対処として不十分なことが多く、相手からしたらこちらがどのルートでくるのかを常に考えて手札を整える必要があります。
対して、こちらは最初の手札で方針を決め、相手が対策をしてきそうなら後続の引きでルートを変更したり、対策の対策(真髄の針等)で無理やり押し通したりを考えることが出来ます。

これにより所謂「かみ合い」が発生することが多いのですが、相手の対策がかみ合わない=勝ちなので(特にデッキが知られていない場合)意識的に優位に戦えます。

・ある程度マリガンへの耐性がある

【緑トロン】のような積極的にマリガンして手札を揃える、というほどではありませんが、このデッキでもコンボをしっかりと決めるためにマリガンをすることが多いです。

特にメイン戦は御霊ルートを決めやすいためマリガンして揃えに行くことが多いですが、マリガンしても揃わなかった場合は「手札が少ない=捨てなくてもダメージの確率を上げられる」という理屈でクラガンルートを目指したり、サーガと土地でサーガプランに変えたりすることが出来ます。

・エンタメ性がある

このデッキの一番良いところ(個人の感想です)。
クラガンの誘発型能力を解決する際、捨てるカードをランダムで選択する必要があり、基本的には手札を裏向きのままシャッフルして相手の前に並べ、捨てる札を好きな方法で決めてもらいます(大体指さしかダイス)。

この決める行為が、勝ち負けを決めつつも不確定要素を持つ完全なギャンブルのため、当たり外れ問わず(当事者、ギャラリー含めて)面白いと思ってくれることが多いです(個人の感想です)。

欠点

・地獄料理書への依存度が大きすぎる

勝ち方3パターンすべてにおいて、地獄料理書の存在がかなり影響します。御霊ルート:捨てる手段、稀に自分に思考囲い
クラガンルート:手札の不要牌を捨てられる、捨てないと確率が下がる
サーガルート:食物トークンの数が構築物の性能に直結する

そのため4カーンや真髄の針によって地獄料理書を止められると、思った動きが出来ず負けることが結構ありました。
特に、4カーンはヴォルダーレンの美食家の血トークンさえも起動不可にし、置物で他の行動にまで妨害をしてくるため本当に面倒。

・クラガンの確定ダメージが難しい

クラガンで確定で15点or18点ダメージを与えようとすると、クラガン以外の手札をすべてエムラクール、ヤーグルとムルタニにする必要があります。
そのための一番楽な方法は、先に書いた地獄料理書による手札調整(特にクラガンの誘発にスタックで捨てると無駄が無い)なのですが、必ず地獄料理書があるはずもない。

そういう時によく発生した場面がこちら。
・土地4枚(クラガンキャスト可能)
・手札にクラガンとエムラクール
・相手は残りLP15で妨害できない中、ターンを終了

一見、返しにクラガン唱えて勝ちに見えますが問題は次のドロー。
ここで土地を引ければ、セットランドで手札を減らして勝ちです。
2枚目のエムラクールやヤーグルとムルタニでも確定するため勝ちです。
しかしそれ以外を引くと、手札を減らせず1/2の大博打に出ることになります。
それが稲妻や思考囲いのような、とりあえず使えるカードならクラガンを出さずに次のターンに回すこともできます。
しかしそれが2枚目のクラガンや御霊の復讐だったり、返しで負けるラストターンなら…博打の時間です。
(そろそろ仕掛けるって時に2枚目のクラガン引くと叫びそうになります。)

・初期LP20点が遠い

御霊ルート、クラガンルートの場合、その多くはエムラクールの15点か、ヤーグルとムルタニの18点を最終目標としていて、残りの数点はフェッチランド+ショックランドで勝手に減らしてくれることを理想としています。
そのため、初期LPの20点を維持しながら戦う単色系デッキは追加のダメージを与える必要があるのですが、特に稲妻3点+エムラクール15点で届かない2点を捻出するのがかなり大変です。

最近見ることが多くなったトロン系、【黒単貴重品室】、土地サイクリングにより最低限のペイライフで戦えるようになった続唱系には、この残り2点が重くのしかかります。

これからのこと

他にデッキを回していて気になった部分を箇条書きに。

  • ファストランド4枚だと多い印象、4マナ目のタップインが致命傷になる

  • フェッチ8枚に対応土地6枚は少ない印象、ファスト削るか

  • 毎回オークの弓使いサイドインしている気がする…メイン増やすか

  • サイドの血染めの月とサーガが重なって致命傷になった、要検討

・試したいカード

<オルサンクのパランティール>
鏡割りの寓話が各ルートの橋渡しにはなるものの、3マナでの橋渡しは少々重く代わりに試したい。
トップにスペルを置くことで前述の2点を作り出しやすい他、エムラクールを置くと15点チャンスが生まれる。
墓地と手札に加えて山札からもシュートできる、3大スポーツデッキか?

<鏡に願いを>
「エルドレインの森」で登場予定の協約チューター。
別に要らんか、とか思っていたらクラガンをサーチしてキャストできると聞いて話が変わりました。
クラガンは1枚欲しいけど手札にダブつくと叫ぶことが多いため、3-4枚目を<鏡に願いを>に変えて不要な時は違うもの(エムラクールとか)に変えられると良さそう。

<蒐集家の保管庫>
「エルドレインの森」で登場予定のルーティングアーティファクト。
地獄料理書と同様、どのルートとも相性が良いです。
御霊ルート:宝物含め実質1マナでルーティング出来る
クラガンルート:宝物をマナスク時の本体キャスト4マナ目や不要牌を唱える5マナ目として使える
サーガルート:本体と宝物で構築物トークンのサイズが上がる

一方で起動2マナにかかる負荷がどれくらいかが気になるのと、地獄料理書同様4カーンが出ると置物になってしまうのが悩ましい。

(追記) このデッキを回す人向けのtips

この記事を公開してから数日、改めて見返したら「思ったより当たり前のことしか書いてないな…?」と感じてしまいました。
なので自分が回している最中に気づいたtipsを追記しておきます。

・クラガンルートでの地獄料理書

先に書いた通り、クラガンルートにおける地獄料理書の主な役割は手札を減らして確定ダメージに近づけることです。
しかし、地獄料理書には捨てる以外にもう1つ、4マナと生贄にすることで墓地からクリーチャーを回収する能力があります。
これにより打ち消されたりハンデスされたクラガンを墓地から回収し、キャストすることが出来ます。
4マナ使用するため回収→即キャストは難しく、ドローによっては確定ダメージにならない可能性もありますが、クラガンルートを採る際は頭の片隅に置いておきましょう。

・ヤーグルとムルタニの墓地への送り方

  • 御霊ルートを採る際、一番困るのが捨てる手段。

  • 地獄料理書が無いと思考囲いを自分に使って捨てるのも選択肢になります。

  • しかし、マナが伸びた際にヤーグルとムルタニにはもう1つ方法が出てきます。そう、6マナで普通に唱える、です。

  • 「何を言っておるのやら」と思われるかもしれませんが、実際に【緑トロン】戦であったのがこちら。

  • ・相手は残LP18、場にはトロン3種込み9マナ、4カーン、ハンドには回収した忘却石

  • ・こちらの場は土地5枚、オークの弓使いと1/1の軍団

  • ・手札には魂の洞窟とヤーグルとムルタニ、御霊の復讐

  • とりあえず返しにカーンを殴って次のマイナスは防げそうな盤面です。

  • ここで思考囲いを引ければ即捨て御霊で勝ちなのですが、無論ならず。

  • 出した答えが「魂の洞窟を置いてヤーグルとムルタニをキャスト」でした。

  • このヤーグルとムルタニは「忘却石を使ってね、そうすれば返しに釣れるから」という、所謂「除去で墓地に送ってもらうため」のキャストでした。

  • 実際、相手は返しのフルタップのうちに忘却石起動まで行ってくれたので、そのまま御霊で釣って勝利出来ました。

  • レアケースではありますが、キャストできることを忘れないようにしましょう。私はよく忘れます。

・魂の洞窟の宣言

1つ前でヤーグルとムルタニを唱えることがある、ことを説明しました。
そのため、魂の洞窟は必ず巨人やシャーマンを指定するものではありません。
実際、緑マナを捻出できるのは草むした墓だけなので、場合によってはスピリットやカエルを指定してヤーグルとムルタニのマナに充てることがあります。
また、初手にある場合は吸血鬼を指定してヴォルダーレンの美食家の赤マナに充てたこともあります。

・ハンデスに対する初手の扱い

【赤黒想起】や【黒単貴重品室】のような相手の場合、特に多いのが1t目のハンデスです。
手札7枚あってどれ捨てられても動けるような場合は問題ないのですが、マリガンして薄い手札に使われるとかなり厳しくなります。
そのため、初手にハンデスされそうな場合は、1枚しかないコンボパーツ(特にクラガンや御霊、後手の地獄料理書)を山札に戻すことがあります。
捨てられるよりは山札にある方がサーチや素引きの可能性があるからです。
クラガンは地獄料理書で戻せますが、墓地対策で無力化するため過信は禁物です。
先手の場合も同様で、初手は地獄料理書+捨てるヤーグルとムルタニ以外全部土地、なんてこともやります。
その方が土地が伸びるため、後々引いたカードをすべて使えるようになります(そこからすべて土地で負けることもあります、マジックムズカシイ)。

・初手の御霊ルートの仕掛け方

初手に地獄料理書、御霊の復讐、エムラクール、土地3枚があった場合の話。
パーフェクトハンドなのでキープ待ったなし、なんですが、その地獄料理書をいつ置くのかが大事になります。
相手のデッキを知らない場合、ハンデスや打ち消されると悲しいので即置きになりますが、ハンデスや打消しが無い相手、特に【緑トロン】のようなディッチャで対応しようとする相手には3t目に料理書キャスト→即起動→御霊と動いた方が妨害されずに使えることがあります。
実際に【緑トロン】戦で(なぜか1t目に唱え忘れたことで)3t目にすべて動いて相手の母聖樹を使わせずに勝ったことがあります。
もちろん、初手で唱えると2t目に御霊キャストに繋げることも出来るためどちらが最善、というのはありません。その時の直感とノリで決めましょう。

どれも場合によりけりで頻度としては少なめなtipsばかりですが、知っているのと知らないのとでは大きく異なるため、少しでも使う人の助けになると嬉しいです。

終わりに

【御霊クラガン】自体はかなり楽しいデッキなので、パーツを持っている方は試しに組んで回してみると良いと思います。
クラガンで2/3を外したり、1/3を当てたりすると何かよく分からない興奮状態になります。ギャンブル依存症。

これからも【御霊クラガン】を使うのか、はたまた気づいたら違うデッキを回しているのか、は次書く際に分かることでしょう。

というわけで、今回はここまで。
読んでいただきありがとうございました~。

( 壁) < 「クラガン誘発、好きなのどうぞ・・・本体に15点!」

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