見出し画像

夢と月に関する習作

未だ水色の空に、黄色い月がまるく大きく浮かぶのを見た。

夢を思い通りにしようと願うときにはつまり、夢であると気づいているためそうとできない。

少なくとも私は、そういう構造を持っていた。

しかし抜け道はある。

例えば、決まりを敷く。

かつて、悪夢から抜け出すためには、月に手をかけた。

月は穴であり、別の夢へ、あるいは目覚めに、繋がっていた。


(了)