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12月10日 最近のゲームCGってなんかすげーよな……って話。

The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience

 動画はPS5&Xbox Series X上で実際に動作する『Unreal Engine5』の技術でも映像。PS5とXbox Series Xを持っていると、ゲーム部分を本当にプレイできる。

 これは……すごいな。本当にすごい。
 あらかじめ「CGだ」と言われてないと、実写映像だと思い込んで見ちゃうレベル。ゲームのリアルタイムCGがここまで来たのか……と思わせてくれるすごい映像。

 あらかじめCGだと言われて見ると、ハイウェイの裏面の質感や光の入り方、横転した車両の裏側、銃のマズルフラッシュ、爆発時の火炎のシルエットとか……弱いと感じる部分はたくさんある。あとスーツの質感もペラってしてるよね。
 後半の街中を歩く映像を見ると、ディテールがちらちらとブレてるところがある。レベルオブディテール(LOD)の処理が追いつかなくて、細かいディテールがチラついちゃってるんだけど、コントローラーを触って動かしていたらキャラクターを中心に見るはずなので、気にならないはずだ。

 でもそれもあらかじめCGだと説明されていたら気付くレベル。言われずに見せられると普通に実写映像だと思って見てただろう。
 これより出来の悪いCGの映画なんて、世の中に一杯あるんだもの。ちゃんと作り込めば、ゲームのリアルタイムCGが映画を越えちゃう時代が来ちゃった。

 ここまでグラフィックがすごいことになると、ゲームに対する感じ方も変わってきてしまう。
 ゲーム部分を見ると、はっきりいえば、どこにでもあるガンシューティングとなーんにも変わらんのだ。平凡も平凡。でももはやゲームが平凡かどうかは、どうでも良くなった。
 周辺のディテールが凄まじいし、カメラの揺れも本当のように感じられるように描かれているから、映画中の事件に参加している気分ができてしまう。ゲーム部分と「見ているだけ」のムービー部分が完璧にシームレスで、ゲームとムービーの「継ぎ目」を意識しなくなってくる。『マトリックス』ふうに言うと、現実とバーチャルの継ぎ目がわからない……という感じ。

 ゲームにグラフィックの進化って関係あるの? ゲームの本質とグラフィックは別ではないのか?
 と、よく言われることだけど、ここまで進んじゃうとゲームの在り方とか、ゲームとの向き合い方も変わってくる。ゲームは「ゲーム自体を楽しむもの」という任天堂的なスタイルと、「より物語に深く入り込み、物語中の事件に参加するもの」……ある意味の「VR体験」的なものとに分化していくんだろう……。あとその中間のゲーム(ゲームも物語も楽しいゲーム)。
 そういう話はもうPS3くらいの時代からいろんな人が言っていたこと。それがUnreal Engine5によって、もっと大きな階段を一つ上がれてしまうようになる。Unreal Engine5が普及していくと、ゲームのCGが映画に追いついちゃう。ゲームというエンタメの在り方や立ち位置までかわっちゃう。あれだけ普通に映画を観るような感覚でゲームを遊べるんだったら、マーベル映画みたいなエンタメ作品は、「じゃあゲームでやった方が面白いよ」ってな判断にもなってくる。ゲームでやった方が没入感は確実に上がるから。
 まさにゲームチェンジャー。すげー時代に来たなぁ……。

 あとはこのレベルのCGを作れるかどうかって話になってくるよね。
 このCG映像でも、軽く数億円くらいいくでしょう。たったあれだけの内容で30ギガもあるんでしょ。お金があってもノウハウがなければ作れるもんじゃない。
 あらかじめそういったCG制作の技術を持っていて、そのライブラリーとゲーム制作との連なりを強く持っているハリウッドなんかは強味を発揮できる。最近の大がかりな映画は大抵CGシーンがあって、俳優を3Dスキャンするし、ステージもCGで作っていたりする。そういった素材をポンとゲームに持って行ける。ゲームに持って行けるようになった。ハリウッドはそういうノウハウと連携力を持っている。そういうのに日本は勝てない。どうするの?


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とらつぐみ
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