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ローマの移民局で滞在許可証の申請:困難な道のり〈前編〉

もしもし皆さん、まりりんは5ヶ月間ローマに留学しに来てるのですが、知ってる?
日本国籍者がローマ(イタリア)に3ヶ月以上滞在するためには絶対に必要なものが2つあるんだよ。

パンパカパーン。
一つ目。出国より少なくとも3週間前までに、在日イタリア大使館で取得する『ビザ』。

二つ目。イタリアの警察で受け取る『滞在許可証』:
(ステップ1)イタリア入国後8日間以内に、在ローマ郵便局に書類一式を提出して、移民局での申請手続きの予約日時を取ってもらう
(ステップ2)その予約された日時に、在ローマ移民局に行って書類一式提出して、10本の指の指紋取られて、滞在許可証の受取り日と警察分署を指示される
(ステップ3)その指示された日に、指定されたローマ警察分署へ行って、ついに滞在許可証を受け取る❣️

これが大変だったんよ。
ビザ取得も滞在許可証取得も、初体験の手続きだった。
日本語であれイタリア語であれ、
公的書類の解読がチョー苦手なまりりんは泣きべそだった。

その昔、海外ロケでビザが必要なことも何度かあったけど、そういうのって勤務してた会社が契約してる旅行代理店の人がなんでもかんでも丁寧に手際よくやってくれるんだよね。

それがさ、今度はぜーんぶあたし1人でやったんだから、えらいでしょ?
(いや別にえらくないけど)

【ビザ取得への道のり】
在東京イタリア大使館。
ここの塩対応ぶりは筋金入りで、大天使真弓さんが申請に行った50年前もチョー意地悪だったらしい。
書類を出すたびにあーだこーだとケチをつけられて、あのアクセスの悪い港区三田の大使館まで何度となく通って、ようやくビザを取得したという話だ。

それに比べたら今回のあたしのケースなんか、たかが知れてるのかもしれんが、大問題は申請以前、大使館に行く以前のハードルだった。
大使館に書類を一式提出してビザ取得のための申請をする日の
『予約が取れない‼️』のだよ。
朝から深夜まで1日に何度となく大使館の予約サイトにアクセスしても、何日やっても、
『いつも予約が埋まってて、予約可能な日が表示されない‼️』のだよ(泣)

予約サイトへのアクセス開始を始めてから10日目の晩、あたしは堪忍袋の緒が切れた。
「こんなことやってられねー!
こんなこと続けてたら、ただ虚しくあたしの貴重な人生の日々が、東京に居たまま過ぎて行くじゃん。
あたしは明日にでもローマに留学したいんだよ‼️」

で、何事につけ深く考えないくせに、決断力と実行力だけはあるまりりんはその夜、ある「作戦」を1人で立てて、速攻ローマ行きの航空券を買ったのだった。
「これで完璧だ!ビザなんか取らなくたって、これで5ヶ月でも6ヶ月でもイタリアに行けるぜ、ウッシッシ」
おかげで熟睡した。

翌日、
オンライン授業の朝比奈佳尉先生のイタリア語表現の授業中に、先生とクラスメイトにその「作戦」と「出国予定日」を報告したら、
「いいじゃん」「面白そう」「がんばって!」と好反応だった。
ただ1人もっとも旅慣れているミサキさんが、
「よくわかんないけど、ともかく明日にでも外務省の海外旅行担当者と在日イタリア大使館に、それでオッケーかどうか確認した方がいいと思うよ」とアドバイスしてくれた。

その「作戦」とはこうだ。
今思うと浅はかすぎて(恥)、
15歳の中学生が思いつくならまだしも、65歳のおばあちゃんがシラフでマジで考えたなんてトホホすぎて、
さすがのまりりんも書くのが躊躇(ためら)われる。

しかし、もしかして同じことを考えて痛い思いをしてしまう人がいるかもしれないので、
(いや、いないと思う)
正直に書いておこう。

すでにオンラインで買った航空券は、
大韓航空の格安エコノミーの片道:羽田〜ソウル〜ローマだ。

そして「作戦」というのは予定だが、まずはこの飛行機に乗ってイタリアに・ローマに入国する。
それで学校には6ヶ月通うことにして、6ヶ月分の授業料とアパート代を支払う。

でもビザが無いとイタリアに3ヶ月間しか居られないから、
3ヶ月後にローマ•イタリアからいったん出国し、飛行機に乗って羽田まで戻る。
その際荷物はぜんぶローマのアパートに置いたままにして、
必要最小限の手荷物だけで戻ってくる。
それで三鷹の自宅に帰ると(掃除とか郵便物の整理とかとか雑務でウンザリするから)帰宅せずに、
羽田空港近くのビジネスホテルに1泊。
そして翌日、再びまた飛行機に乗ってイタリア・ローマへ再入国❤️

これを思いついた時は名案だと思ったんだけどね〜。
こうやってあらためて文字にしてみると、おとぎ話っぽいよな。

ミサキさんの助言にしたがってさっそく外務省の海外旅行係に電話。
一発で電話もつながって、すぐに海外旅行保安係につないでくれる。
外務省の人は親切で分かりやすく説明してくれた。
「日本サイドとしては問題ないです。帰国した翌日にまた出国するというのは問題ありません。ただしイタリア側がそれでOKかどうかは、直接イタリア大使館にお尋ねください」

はい次。イタリア大使館に電話。
何度かけても通話中でかかりません(泣)しかも電話できるのは13時まで。
ずっと通話中のままタイムオーバーになったので、日本語で書いたメールを送った。(日本にある大使館なんだから日本語読めるだろう)
でも予約サイトはずっと満席だし、電話はずっと通話中だし、メールなんか送っても読んでもらえないんじゃないかと不安になり、直接大使館に手紙も届けようと考え手紙も書いた。やはり日本語で。

すると意外にも翌日午前中にメールの返信が来た!短文だが誠意を感じる明確な日本語だった。
しかしそこには、まりりんがまったく知らなかった事実がキッパリと書かれていた。

「日本国籍の方は観光として180日の間で90日まではヴィザなしで滞在可能です。リセットには90日以上必要となります。詳細はEU代表部シェンゲンカウンターをご利用下さい。シェンゲン計算機 (visa-calculator.com)」

リセットに90日以上必要?
EU代表部シェンゲンカウンター?
シェンゲン計算機?

知らない難しそうな言葉ばかりで頭がクラクラしたが、ストレッチして血の巡りをよくして、何度も読んでようやく分かった。

要するに。
①ビザ(ヴィザ)なしで3か月間は観光に行ける。
②(イタリアを含む)シェンゲン協定を結んでいる国から出国すると、
その後再び(イタリアを含む)シェンゲン協定を結んでいる国に入国するためには、
90日以上のリセット期間を取らなくてはいけない。

🫘豆知識:シェンゲン協定加盟国は、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、クロアチアの27カ国(2023年1月現在)

つまりだ。
すでに買った大韓航空便でイタリアにたとえば2024年12月初旬に入国。
3ヶ月後の2025年3月初旬に出国。
次にイタリアに入国可能なのは、
そのまた3ヶ月後の2025年6月初旬ってことなんだ。がーーーーーん‼️

突然ですが、まりりんは山ガールなんです。で今シーズンも夏山の目標があるんです。2025年8月には長野県・岐阜県境の南岳と北穂高岳の間にある大キレットを縦走予定。
9月には富山県立山連峰の剱岳本峰に登攀予定。
そのために、6月初旬には日本に帰って、耐暑トレーニングと高度順応といろいろトレーニングしなくちゃならんのだ。

てことはあたしの「作戦」ダメじゃん。
ローマのアパートに荷物置いて3ヶ月後にいったん日本に戻って、
羽田空港近くのビジネスホテルに1泊して、翌日また飛行機乗ってローマのアパートに戻る計画、無理じゃん。
シェンゲン協定(って何?初めて聞いたよ)で禁じられてるじゃん‼️

結果、
3ヶ月以上留学希望のまりりんはどーしてもビザ(ヴィザ)取得しなくちゃならんことが分かった。
だから(出発日が迫っている)大韓航空のエアチケットを速攻キャンセルして手数料3万円を払い、痛い思いをしたのだ。トホホ良いお勉強代だったぜ。

あのさこの日記、タイトルの滞在許可証どころか、まだビザ(ヴィザ)取得にもたどり着いてないけど、いっぱい書いたから今日はここまで、つづく( •̀∀•́ )✧





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