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(書籍レビュー)HRトリガー社に学ぶ「研修設計」

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こんにちは!虎の穴ラボでディレクターをしているK.Fです。

社員教育計画を作成するにあたり、「「強い人材」を育てるための 研修設計入門(https://amzn.asia/d/cjEwzVc)」を読みましたので、その感想と使えると思った点の紹介記事です。


読んだ背景

ディレクターの教育計画がなく、ほとんどメンターに委ねられている状態でした。
それゆえに、各メンターの中にしか各個人のスキル状況や課題感などが蓄積されておらず、他のメンバーに対しては都度共有する形になってしまっていました。
虎の穴ラボでは、フルリモートで働いていますが、この環境下では前述の状況の悪いところが顕著に出ると感じていました。
これを解決するために、基本となる1年間の教育スケジュールを作成しようと思い、参考として関連書籍を読んでいました。
その中の1つが今回ご紹介する「「強い人材」を育てるための 研修設計入門」です。

書籍概要

そもそも人材開発って何?という概念から説明から入り、ステップ形式の具体的な進め方、失敗事例などを紹介してくれています。
また併せて教える側の観点も記載されています。

構成

大まかには下記の構成になっています。
・人材開発とは?人材開発は必要?
・実践編(STEP1~4)
・外注化について

私の場合、外注化は予定はなく、教育計画を作成する上での観点と具体事例を知りたかったので、本記事では外注化以外で参考になったポイントをお伝えしたいと思います。

はじめに

私自身あまり気にしたことがなかったのですが、人材開発と人材育成の違いについても説明されています。
同義として扱われることもあるとのことですが、自身が取り組みたいのはどちらなのかを明確にする上で参考になったので、ご紹介します。

人材開発

「人材開発」とは、教育や訓練といった方法によって、個人の仕事への意識を高め、知識を増やし、スキルを向上させ、アウトプットの質を高めることをいいます。

「強い人材」を育てるための 研修設計入門(https://amzn.asia/d/cjEwzVc)

人材育成

「人材育成」とは、社員を「経営理念にもとづく戦略の実現~組織目標の達成に貢献できる人材」として育成することを意味しています。

「強い人材」を育てるための 研修設計入門(https://amzn.asia/d/cjEwzVc)

理想の人物像を描く

目指す姿がなければ、教育の過程で何の項目を入れるべきなのかがブレます。
また、当たり前ではありますが、人物像を描く際に大切なのは社員の階層(階級)ごとに理想像を描くことです。

研修はあくまで選択肢のひとつ

研修を実施してもすべての課題が解決しないということに言及されています。
この点について完全に同意で、研修というのは、ややもすると研修することが自体が目的になりがちです。
ですので、あくまで課題解決の一つの手段という認識を忘れずに計画を作るように注意しました。

また、本書籍でも言及されていますが、リモートワーク環境においては、OJT不足を嘆く声が多くなっているとのことです。
虎の穴ラボもフルリモートですので、教育計画の中身を考える際に、オンラインでのOJTを行うことを前提とした内容で作成しています。

OJTについて

前項でOJTについて触れましたが、本書籍の中でOJTのメリット・デメリットについても言及されています。

メリット

実際の業務を通じて学びを深めることによって、早い段階で実践的な力を養うことができるといった点があげられます。

「強い人材」を育てるための 研修設計入門(https://amzn.asia/d/cjEwzVc)

デメリット

指導役を担う上司や先輩の時間的な負担が大きく、自分の仕事を抱えながら指導に時間を費やした結果、組織全体の業務効率が悪くなってしまう

「強い人材」を育てるための 研修設計入門(https://amzn.asia/d/cjEwzVc)

今回作成した教育計画ではOJTありきで考えたので、このデメリットを加味して、「これならある程度手を離せる期間を作れるだろう」という想定をした上で、実施内容を作成しました。
上記を考えずに作成すると、教育側の業務効率が落ちて組織としては本末転倒という事態になるので、十分に注意しました。

自社のゴールは自分たちしか決められない

いわゆる研修フォーマットやカリキュラム例のようなものはネット上でも紹介されていますが、本当に自社に適したものは自社の状況や1週間・1ヵ月・1年間の流れを理解していないと作れません。

私も最初は既存のフォーマットなどを探すところから始めたのですが、最終的には、自分が働いてきて必要だと分かっているものを書き出し、それを「インプット期」「アウトプット期」「中長期計画期」の3つに分類して落とし込みました。
その上で理想像になるために不足しているものを加えていく形で作り上げました。

短期的なゴールの実現を目指す

前述までの「理想像」になってもらうことが教育計画としては最終ゴールであるものの、それを実現するための短期ゴールの設定とその実現が重要という話に触れていました。
書籍の中ではマラソンに例えられており、「約42kmを〇〇時間でゴールする」とした時に、最終ゴールだけを追ってがむしゃらに走っても、ペース配分が悪く途中でリタイアすることも起きえます。
確実にゴールするために、短期ゴール、マラソンで言うなら1km毎の最適なラップを設定し、それを1つずつクリアしていくことが重要という話がありました。
まさにその通りだと思い、私は1ヵ月単位で達成すべき項目を具体的に設定したものを用意しました。
これは教育を受ける側も目指すところが具体化され迷いがなくなりますし、教育する側も何をどこまで教えるかを把握でき、各個人のスキル状況や課題を把握しやすくなるメリットがあると思います。
デメリットをあげるなら、個人のスキルレベルによってある程度パターンを作成しておかないと、過剰・不足が出てくることだと思います。

作って終わりではない

人材開発計画もPDCAを回す必要があるという点に触れられています。
実際に作ってみたからこそ分かるのですが、ブラッシュアップは定期的に行わないと形骸化すると確信しています。
移り変わりの激しい業界やサービス形態では特に重要だと思います。
そのため、私は教育計画自体の見直しルール(見直し方や、どれぐらいのスパンで見直すのかなど)も併せて作成しました。

講師は「アウトプットを引き出す人」

教育計画を作る上では直接的な関係があるわけではありませんが、自分がメンターとなった時に注意しようと思った点だったのでご紹介します。

講師とは「教える人(教師)」ではなく、自らのインプットをもとにたしかな「アウトプットを引き出す人」のことをいいます。

「強い人材」を育てるための 研修設計入門(https://amzn.asia/d/cjEwzVc)

教える側というのは決して偉い人ではなく、自分の「成功体験」や「失敗体験」で得た気づきをもとに、アウトプットしてもらう際の気づきを提供するという人ということです。
この視点は決して忘れないようにしようと思いました。

まとめ

  • 万能なカリキュラムはなく、自社の状況を踏まえて内容をカスタマイズすることが必要

  • 大きなゴールを目指すために、短期ゴールを丁寧に設定して一歩ずつ歩みを進めることが肝要

  • 作って終わりでなく常にブラッシュアップを続ける必要がある



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