第20回書き出し祭り 感想集《前半》
このページは第20回書き出し祭りにおいて、作者さまから『マシュマロ』を通して感想の依頼があった作品について、とら猫の尻尾が返信した内容をまとめたものです。いわゆるまとめサイトというやつです。←ちょっと違う?
20-T-01 私、義妹の身代わりに殺戮の王子に嫁いだら重宝だと溺愛される日々になりました
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とても面白かったです。身内から疎まれて人身御供のように『殺戮の王子』に嫁がされるヒロインが、人生の一発逆転で幸せになっていく予感を匂わせる書き出しに仕上がっています。 印象的だったのは巫女術が使えるということ。作中で紹介されているのは神託と米粒一つで美味しい食べ物を得るという力の二つだけれども、他にもたくさんありそうですね。 夜伽をすると力が消えてしまうかもという引きもとても良かったです。 忍命は噂とはまったく違って、少年のような軽く明るい性格だったのは意外性があって面白いですね。しかも、巫女術が使える吹雪に肩を並べられるぐらいに類い希な能力を持っていそう。なにしろ少女の姿になれるというのですからね。 実際には下女として働かせているのに『嫁入りした娘を一晩の戯れの後に殺す』という噂がどうして広まったのか。その点についても今後の展開で明らかになっていくことでしょう。 下女に落とされた女達とヒロインとの絡みも楽しみです。 この度は感想のご依頼ありがとうございました。 またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-1-02 拝啓、母さん。僕は人類を滅ぼします。
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とても面白かったです。ジャンルとしてはSFになるのでしょうか。 主人公がロボットに偏愛するに至る理由と「母さん」を破壊されたことに対する憎しみがとてもよく伝わってきました。 憎しみの対象が人類全体へと及んでしまうあたりは、それ自体が主人公の性格の歪みを表していると理解しました。 ヒロインの月音もその点に関して共通する部分があって、互いに惹かれ合うという構図が読み取れました。 左半分が人工偽体である月音を、主人公だけが受け入れて仲良くなるという流れはラノベの王道展開ですね。うまく取り入れられていると思います。 月音の「初めましてお母様…」の台詞がとても好きです。鬼道月音というキャラが一気に好きになりました。 書き出し部分では主人公の「母さん」に対する偏愛ぶりが強調されている分、月音の魅力が引き立っているようです。 最後に、「どうやったら人類を滅ぼせるか」についてのご質問にお答えします。 地球温暖化を気にせずに化石燃料をガンガン使っていけば滅ぶのではないでしょうか? または世界大戦による核戦争の勃発とか。 SF的な発想で考えるならば、全人類ロボット化計画。仮想現実が進めば人間は自宅で寝ているだけで何でもできちゃいますからね。自然と生殖行為をする機会が奪われていくのです。 この度は感想のご依頼ありがとうございました。 またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-4-21 飛竜士の航空力学
https://ncode.syosetu.com/n9350in/22/
とても楽しく読ませていただきました。 鳥人間コンテストに向けて情熱を燃やしていた主人公が、異世界の競技『竜閃』に出会い、成り上がっていくというとても熱い展開を期待させる書き出しに仕上がっていると思います。 意外に思ったのが、近衛兵をワンパンで倒してしまうカイトの強さ。 きっと鳥人間コンテストのパイロットになるために筋トレに励んでいたんでしょうね。 このエピソードからカイトの弛まぬ努力が垣間見えます。 アイリスにもなにか秘密があるようで、もしかするとそれは竜として何か決定的な欠落があるのかもしれませんね。それをカイトが解消する。あるいは逆に長所に変えていくという展開を想像したりして、勝手に一人でわくわくしています。 若々しいパワーを感じさせるこの物語。ターゲットとなる読者は中高生男子でしょうか。作者様もきっと若い方なのだと推測します。だからこその勢いをこの文章から感じます。ぜひこのまま書き続けていってもらえたらと思います。 続きを読みたいかと思うかですか? もちろん読みたいと思いました! この度は感想のご依頼ありがとうございました。 またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-T-07 さくや奇譚
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とても見事な文章に圧倒されました。Web小説やラノベの文章を読み慣れている身からすると堅い文章表現に感じられるのですが、ステーキ肉をじっくりとかみ締めるとじわりと肉のうまみを感じてくるような、そんな文章に感じました。(←どんな感じだよっ!というツッコミ待ちです)
Web向きに適度に空行が入っていたり、『♪』を入れ込んだり、漢字が苦手な読者向けにルビを所々に振ったりして、もうめっちゃ配慮されていますよね。有り難いことです。
幕末から明治にかけての時代に合わせた表現が見事です。普段から時代小説を書いていらっしゃる作者さまなのでしょうね。たとえば『被虐の悦びを噛み締めながら』とか、『苦痛の涙で褥を濡らす』とか、じつに見事です!
タイトル→あらすじ→書き出しという流れもスムーズで、本文を読了後に改めてあらすじを読むと、さらに物語の主題がつたわってきました。
【壱の夜 七郎】は圧巻です。七郎の怒りと悲しみがとてもよく伝わってきました。痛みの描写が半端ないですね。「痛い」ではなく、痛みを情景描写から読者に追体験させる文章力。すごいです! めっちゃ痛かったです! 人によっては過呼吸になるんじゃないかな? すごい筆力をお持ちですよ作者さまは。
この場面が作中の『リアル』ではなく、朔耶が語る物語であるというところに救いがあります。
七つの物語を語る朔耶の真意はなにか。㐂弥彦が八つめの物語の主人公になってしまうのか。はたまた物語に出てくる人物と㐂弥彦に繋がりがあるのか。
少なくともこれから語られるであろう残り6つの物語に圧倒されながらも、㐂弥彦がどうなるか知りたくて読み進めていくわたし自身の未来は見えてきました。
この度は素敵な作品を読ませていただきありがとうございました。
またぜひお願いします<(_ _)>
20-2-15 小学四年の少年少女、二人で一か月一万円生活
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これこれ、これですよこれ。
書き出し祭りでは時々モンスター級に完成度の高い作品に出会うことがあります。それがこれこれ、これですよ。
さては作者様は児童文学作家の先生ですね?
主人公の少年の語りと台詞の間が絶妙で、わくわく感じながら読ませていただきました。 沙菜の台詞や仕草もとても魅力的に描かれています。
「……何それ、プロポーズ?」では少年が顔を赤くし、「お姫様を守る……? ふうん……そうなんだ?」で沙菜が顔を赤くするなど、これからの二人がどうなっていくかを想像させるに十分なエピソードが入っていて、うんうんと頷きながら読みました。
小学四年生のほんわかエピソード、めっちゃ可愛いです!
困難な状況をRGPゲームのように楽しもうとするのも少年らしさに溢れていて、心が洗われるようでした。
続きはありますか? ぜひ読ませていただきたいです。
二人が協力して1ヶ月1万円生活をして、だんだんと仲良くなっていく姿を追っていきたいです!
続き書いてくださーい<(_ _)>
この度は感想のご依頼ありがとうございました。 つづきもよろしくお願いします<(_ _)>
20-1-01 私、言うとおりにはなりませんっ!〜じゃじゃ馬令嬢の手綱捌き〜
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じゃじゃ馬娘といわれるヒロインのじゃじゃ馬っぷりがとても魅力的に描かれていますね。
折角の王太子との縁談を馬から離れたくないと断ってしまうところなんて、自分にとても素直で好感がもてます。
この後、縁談をことわるためのダシに使ってしまったジルベールにはどんな顔をして会いに行くんだろうと想像すると、めっちゃ楽しみになってきます。
彼には鐙を貸してもらった『借り』を返さなくてはならないんですし。 ザザがオーギュストに対して本当に恋に落ちてしまうその場面をぜひ読んでみたいです。
あらすじもとても魅力的です。 馬好きな彼女がどのようにオーギュストに恋に落ち変容していくのかを最後まで見届けたいです!
続きをぜひよろしくお願いします!
この度は感想のご依頼ありがとうございました。 またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-T-06 封印悪鬼
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とても面白かったです。
あらすじの軽い文体と、それに続く本文の温度差が際立っていますね。これはきっと作者さまには何か狙いがあるんだろうなと想像しながら読ませていただきました。
出だしは少々重めに、主人公が力に覚醒した場面から形勢が逆転して明るいトーンに変えていくという目論見を感じ取りましたが、合っていますか?
ラストの見得を切る場面が痺れますね。
法力が弱い主人公が強敵である多髪羅刹に対抗するため、血でも肉でもなく自身の体を贄にして戦うというこの場面は本当に痺れました。
めっちゃすごいことですよ。主人公は女の子なんですものね。 これは良いです。
良いものを読ませていただき本当にありがとうございます。 心理描写も情景描写もお見事です!
この度は感想のご依頼ありがとうございました。 またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-T-25 【鬼姫と冴えない陰陽師】の -都(みやこ)救済日記-
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式神になったヒロイン視点で描かれる陰陽師のお話ですね。
これは良い。とても斬新な感じがします。
なんと言ってもヒロインの言動がとてもポジティブで明るくて可愛らしい。 男達を真っ二つに切り裂く場面でも、ヒロイン視点で読んでいるから、やっちゃえやっちゃえ~って応援したくなってくる。
もしや、新しい感覚に目覚めてしまったかも。どうしましょう? これは責任とってもらうしかありませんね。ぜひ続きを書いてくださいね。
永浬との会話の場面もとても良い雰囲気ですね。
式神となってもギャーギャーと何かとうるさく反発していく、そんな可愛らしいヒロインの未来が想像できました。
朱雀の陰陽師に青龍の陰陽師。
どちらもめちゃイケメンで格好良さそう!
最後の一行も、とても良い引きになっていると思います。 読んでいくうちに少しずつヒロインの置かれてる立場が分かってくる。
のっけからヒロインをめっちゃ応援している私ですが、行を追うことにますます好きになってくる。 そんな書き出しに仕上がっています。
くれぐれも続きをよろしくお願いしますよ。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。 続きもよろしくお願いします<(_ _)>
20-2-14 喰生荘と消えた家族
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面白かったです。
出だしがなにやら不穏な雰囲気で、のっけから読者をサスペンスの世界に引き込む工夫がなされていますね。なかなかに意欲作であると感じます。
ルビの新しい使い道を発見しましたね。映像作品でいうところの、画面の乱れと雑音をうまくルビを使って表現されましたね。
冒頭の場面から、『現実』にもどったときの安堵感。いや、まだ安堵できる状態ではないのでしょうけれど、ホッとした安心感を味わいました。
で、携帯電話から聞こえてくる声に、フラッシュバックのように奇妙な違和感に襲われる。
この場面を読んでいるときに、背筋がゾクッとしました。マジです。
もしや作者さまはホラーを書かれる方ですか? きっと作者さまの書かれるホラー作品はめちゃ怖いでしょうね。読んでみたいような読んでみたくないような。いや、もちろん読ませていただくのですが……きっと怖いでしょうね。
主人公を『先生』とよぶ青年の登場で、物語の方向性がぐぐっとミステリーに寄ってくる。
上手いなあ。
おそらくスマートフォンから聞こえてくるもう一人の主人公の声。台詞が字面的にひとかたまりになっているのは、作者さまの遊び心でしょうか。今回の書き出し祭りではいろいろと仕掛けてきましたね。
その後に続く『正直話に頭が追いついていない』という主人公の語りに見事に読者の感覚がシンクロしています。
最初から最後まで存分に楽しませていただきました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-T-05 寿幻夢
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とても楽しく読ませていただきました。
「おい作者、これが小説なのかい?」
「てやんでぃ、何を書こうがおいらの勝手だい!」
というノリの作品ですね。はい。
おあとがよろしい……の後の3行で、書き出し祭りならではのオチがつくのですが、
これはあらすじでネタバレしてしまっていますね。
すこし惜しかったような気がしましたが、これも作者さまの狙いなのかもしれませんね。
出る前にオチがついていたという。
とても楽しい作品でした。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-1-10 この聖女は元暗殺者ですが、本当に宜しいのでしょうか?
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ヒロインの竹を割ったような性格がとても良いですね。
元婚約者であり元暗殺者であるヒロインが今度は偽聖女の仮面を被るわけですよね。
あらすじに書かれているように、これはとても楽しいドタバタ劇になりそうな、わくわく感あふれる書き出しに仕上がっていますね。
第一皇子のミュラーもめちゃ良い味出していますね。
『大根足』の件がサイコーに面白かったです。
それにしても意外とこの皇子は切れ者なのかもしれない。
すべてを理解した上で、ヒロインを偽聖女に仕立てようとしているのかもしれない。
いや、違うか。やっぱりこの皇子は天然キャラだろうか?
この先の展開をあれこれと想像して楽しませていただきました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-3-25 あなたにこの子はわたしません!
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アメリーのメルヘン少女っぷりがとても可愛らしくて素敵です!
そんな少女が「わたくし、妊娠しました」という台詞を言う。
このギャップ感がたまらんのです。めっちゃ好き。
三人称語りの地の文も、ちょっとズレているメアリーに寄せてきている。
とても良いと思います。
人を人類とよび、牛を基準として物事を考えるという思考のパターンがとてもユニークですね。終始ほのぼのとした雰囲気で読ませていただきました。
気を失って目覚めたらベッドに見知らぬ男がもたれ掛かっていたという場面で、アメリーがあれこれと思考を巡らせる。その結果として、以前読んだ群像劇小説と自分の置かれている状況が似ていると考え、アメリーの思考は暴走してしまうのです。こんな可愛らしく微笑ましい暴走シーンは初めて読みました。サイコーですよ、この場面は。
感想依頼にありました『要改稿』の部分については、とくにありません。強いて言うならば、『領の牛よりも…』のモノローグを読んでいるときに「いきなりなぜ牛が?」という戸惑いがありました。そこが狙いなのでしたらスルーしてください。
連載予定なのですね?
続きを読ませていただきますので、連載開始の際はいっぱい宣伝してくださいね。
楽しみにしています!
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-1-24 胸の灯、消さぬために
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とても興味深く読ませていただきました。
確かにこれはボーイズラブではなくブロマンス要素が主題となっているストーリーですね。
火の神から力を与えられた青年と、水の神から力を与えられた青年。
王子と側近という身分差。
本来ならばフォンを主人公に置きそうなところを、敢えてハイリュウ視点の書き出しにすることで、黒幕が主人公というとても興味深い書き出しに仕上げられていますね。とても面白いです。
彼はリャンシィのことを雌狐と揶揄し憎んでいるけれど、真実はまったく別のところにあるのかもなどと、いろいろと想像を膨らませながら読ませていただきました。
女性読者にとても人気がありそうな作品ですね。
普段はこういうジャンルの作品を自ら読みに行くことはない私でも、
「おい、お前が黒幕だったのかよ!」とツッコミを入れたりして、存分に楽しむことができました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-3-16 I.D.E.A
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とても面白くて、作品としての完成度がめちゃ高いですね。
世界が終末に向かっているような状況を淡々と主人公が語っている序盤から、化け物との遭遇、そして組織の介入、最後には主人公が置かれている立場を種明かししていくような引き。四千文字とは思えないほどにストーリーが展開しています。
しかもどこにも綻びを感じさせる箇所が見当たらない。
すごいですね。作者さまは天才ですね。
化け物の声も「ま゛ァ! ま゛ァ!」から始まり「お、ぎゃゃあ!?」で終わる。
とてもよく練られていますね。
この作品はどのくらい時間をかけて書かれているのでしょうか。
意外と短時間でササッと書きましたーとかおっしゃるのでしょうか。
作者さまはどんな方なんだろうかと、あれこれと想像しちゃいました。
個人的には鷹山さんのキャラクター性に興味を引かれました。
容姿や仕草についてはそれほど具体的には書かれていないのですが、台詞回しとか紳士的できっと格好良く、かつ重要な役回りを担うキャラなんだろうと思います。
最後の台詞もめちゃかっこ良かったです。
余談になりますが、タイトルをイデアではなくI.D.E.Aとしたのは、何かとダブルミーニングになっているのでしょうか。そこにも何か大事な仕掛けがありそうな予感がしたので。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-3-05 風呂を沸かせばオケアが助かる
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タイトルが洒落ていてとても目を引く作品ですね。どんな話なんだろうと、最初からとても興味をもって読ませていただきました。
ラジオから流れてくる異世界からのメッセージ。これからどんなワクワクした冒険が待っているのだろうという期待をもたせる書き出しに仕上がっていると思います。
主人公の桶谷がどんな人物なのかが現時点ではまだ不明なので、それが風呂を沸かす装置の開発(修理?)にどう関わっていくのかとても興味がわいてきました。
主人公の反応の一つ一つが地の文も含めてややオーバーアクション気味であり、こういう場合ともすれば感情移入しにくいキャラクターになってしまうこともあるのですが、そういう懸念も吹っ飛ばすぐらいの勢いでぐいぐい読者の心を鷲づかみにしていってください。
ATMで50万を引きだしてしまったことにより契約が成立してしまうなんて、話題の闇バイトを彷彿とさせる話の流れが上手いですね。
余談になりますが、昔のホテルには確かにAMラジオがついていましたね-。最近はテレビが設置されているのが当たり前になり、すっかり見かけなくなってきました。寂しい限りです。あのチープな音質が妙に心を落ち着かせるんですよね。とても懐かしかったです。
感想依頼文にある『あらすじと本文のギャップ』についてですが、そう言われてみないと特には感じませんでした。後日談について主要キャラがしゃべっている形式のあらすじをよく見かけるので、このあらすじもその流れに沿ったものかなーという風に思っていました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくおねがいします<(_ _)>
20-2-11 痛いの、痛いの、甘くなれ
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とても面白かったです。洋菓子店特有の甘い香りと明るい店内の雰囲気が文章からあふれてくるような素敵な書き出しに仕上げられていると感じました。
――以下はネタバレを含みます。
――未読の方はまず作品を読みに行ってくださいね。
甘みが痛みとして感じられてしまうという、洋菓子店の店主としては致命的な障害のあるヒロインが、大切なパートナーを失い先の見通しが立たない状況にもかかわらず仕事を全うしようと頑張っている。そこに店の常連客がやってきて、味見役として協力してくれることになるというストーリーライン。それ自体がもう面白いのに、それに加えてその男が吸血鬼であるという設定が加わっているのです。これはもう最高に面白くなりそうですね。
吸血鬼なのに若い女性を襲うことなく、ケーキを食糧とするなんて可愛いじゃないですか。
なんか、すべての設定がお洒落です。
この作品が書籍化されてコミカライズされる未来が見えてきました。
ほっぺにクリームがついちゃっているイケメン吸血鬼の表紙絵が見えてきましたよ。
凪沙と蒼真のカップリングはないのでしょうが、店に夕莉が帰ってきたりすれば、微妙な三角関係に発展したりして。
そんなあれこれも妄想して楽しませていただきました。
本当に素敵な作品を読ませていただきありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-1-16 灰々の積もらぬ
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これぞファンタジーという感じの素敵な作品ですね。
私は文章を読むときに頭の中で発音しながら読むタイプなので、最初読んだときは頭の中が追いつかなくて焦ったのですが、文字を文字として読むように切り替えて始めから読み返してみたところ、ブワッと情景が浮かんでくるようになりました。
主人公のリャミの『これは余暇だ』という言葉がとても印象に残りました。
天涯孤独の彼自身がリャミの狩りの対象となっていることに呆れている粛清妖精の王子、リャミの頭をパシンと叩く孤独の聖人とのやりとりを読んでいくうちに、作品の世界にどっぷりとはまっていく感覚を味わうことができました。
妖精を虚無の世界に閉じ込めて狩る序盤のシーンもとても臨場感にあふれてゾクゾクしました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-3-19 オソガル少年の嫁取り物語 ~乳のデカい女をもとめて~
https://ncode.syosetu.com/n9347in/20/
めちゃ面白い!
作者さまはどなたですか?
今日からお師匠さまと呼ばせてください<(_ _)>
内容的にはギャグなんだけれど、いやいやこれは真面目なファンタジー小説なんだと言い張る作者さまの姿が垣間見えるような感じがして、それがまた面白い。
そもそもタイトルからして面白いですよ。タイトル発表のときから私の中では一番の注目作品でした。
そっかー。ヴァジナの目論見が外れてしまったかー。
せっかくここまで自分好みに育てたのに……
ヴァジナ師匠の心からの「だめ!」がうまく伝わらずにオソガルは旅に出てしまうんですね。
でも、まだ望みがある。そもそも隣国の姫が本当に乳がデカいのか分かりませんし。
ずっと毎日少しずつ続きを読んでいきたくなるような、そんな楽しい作品だと思いました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひ読ませてください<(_ _)>
20-T-24 どこまで行っても消えない業を、俺は斬る
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とてもドラマチックな作品に仕上がっていると思います。
ストーリーも良いですし、映像化された作品のように三人称語りと一人称語りが交錯する展開がドラマチック。
少年と少女が山の中に入るシーンから始まり、二人が妖怪に襲われて女の子が一瞬にして消えてしまうというショッキングな出来事から一転、主人公が颯爽と登場する。
めちゃかっこ良いです!
で、妖怪の親玉の口の中に飛び込んで女の子を救出する。
最後に自分の姿をみて驚く。
めっちゃよく考えられた構成になっていますね。
いやはや、良い物を読ませていただき感謝します。
とても面白かったです。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-T-13 女飛脚と切腹侍 東海道五十三次幽状伝
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とても面白かったです。
小気味よい文章で、最後の1行まで途切れることなく一気に読み切りました。
人の生き死にに関することが主題の重めの内容なのに、最後はクスッと笑わせる洒落た書き出しに仕上げられていますね。
山南が切腹する場面では「え、え、何が起きたの??」と驚きました。
山南の正体を知ったときにホッと安堵したりして、4千文字を読んでいる間にも感情が大きく上下に揺さぶられました。
兄が成仏するなら自分はどうなっても良いとする蘭丸の健気さがとても好きになりました。
魅力的なキャラクター、世界観、文章と、どれをとってもお見事です!
あらすじも作品の魅力が存分に分かる内容です。
うまいなあ……
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろぴくお願いします<(_ _)>
20-T-19 あなたのこいとのぼる蒼天
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おとぎ話のようなとてもファンタジーな世界のお話ですね。
まさか主人公が鯉のぼりそのものだとは思わず、何か不思議な力で鯉のぼりのように空を飛んでいる人なんだと思って読んでいました。
身体が和紙でできているとか、いろいろ容姿に関する描写が散りばめられているため、徐々に鯉のぼりが女の子を助けようと奮闘している様子のイメージが頭に浮かぶようになってきました。
滝から落ちるところを助ける場面がとても印象に残りました。
一瞬を切り取ったような、とても臨場感のある描写ですね。
主人公はこれからお姫様といっしょに旅に出て、色んな不思議と出会うのでしょうか。
とても不思議で可愛らしく、素敵な書き出しに仕上がっていると思いました。
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>
20-4-20 天使に神と俺。
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とても面白かったです。
国語教師との会話の場面から、帰路につくまでの道程で主人公の人となりが徐々に明らかになっていく話の流れがとても秀逸ですね。そして謎のメールの着信と、謎の女の子との邂逅。
小説を書けなくなった理由は何か。小説が妹の死にどう関わっているのか。
小説家である主人公が堕天使退治がどう関わっていくのか。
様々な謎が散りばめられている書き出しですね。
人間の負の感情を文章の力で変えていくことで、堕天使を倒す。
そんな戦闘シーンを予想しています。
めっちゃ格好いいですね。
これは続きを読みたくなります。
良くできた書き出しだと思います。
アスィミのセリフの端々に一生懸命さが伝わってきて好感をもてました。何となく、この子はドジっ娘なんだろうなって想像していますが、合っていますか?
この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>