第20回書き出し祭り 感想集《後半》

このページは第20回書き出し祭りにおいて、作者さまから『マシュマロ』を通して感想の依頼があった作品について、とら猫の尻尾が返信した内容をまとめたものです。いわゆるまとめサイトというやつです。←ちょっと違う?



#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-T-09 金喰らいの俗物道士


https://ncode.syosetu.com/n7342in/10/
とても面白かったです。
赤子を抱いた神楽が鬼から逃げる冒頭の場面ではハラハラドキドキ。

読み進めていくうちに、二人が置かれたいる状況がどんどんと明らかになっていくので、作品の世界にぐいぐい引き付けられていきました。

もうダメだという次の瞬間、鬼が仰け反りながら吹き飛んだ場面では、「え?何が起こったの?」と神楽の戸惑いと完全にシンクロした気分でした。見事です!
で、そこに颯爽と現れるヒーロー(美女)ですよ。
鬼が不思議な感じの絶叫と共に消し炭になる。
ドキドキの展開が続く。
そこで「銭とは集めるものであり……」の口上が始まるのです。
救い料を請求されるこの場面、めっちゃ好きです!
そして、美女がげんこつを食らい、本当のヒーロー(青年)が登場する。
何ですかこの面白さは! 最高じゃないですかっ!

カメラがパッパッと切り替わるように、セリフなどが細切れに挿入されているこの書き方がとても素敵です。
この場面にとてもマッチしていますね。
わたしは映像を脳裏に思い浮かべながら読むタイプですので、この演出の素晴らしさにめちゃ感動しました。
良いものを読ませていただき本当にありがとうございました<(_ _)>

「金喰らいの、俗物道士……!」で終わる引き方もめちゃ好きです!

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
続きもぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-1-04 満ちる世界で、君との奇跡がかけていく


https://ncode.syosetu.com/n6044in/5/
とてもファンタジックな世界観のお話ですね。
最大の謎は島にありそうですね。
『要らない』ものや『欠けた』ものが漂着する島という魅力的な舞台設定を存分に生かされている書き出しになっていると思います。
満月がうかび雲がひとつもない空から雨が降ってくるなんて、とても幻想的な雰囲気です。砂浜からはぶくぶくと泡が立っていたり。
『満月がひとつ煌々と輝いて』とあるので、夜の世界を想像したのですが、暗闇に関する描写が他にはないので、もしや時間をも超越した世界なのかなと想像しながら読ませていただきました。
シホの「ハクアには、戻れる資格があるんだから」というセリフがこの物語のキーワードになっていそうですね。
シホは人間の女の子。ハクアは人魚の男の子。
『要らない』ものと『欠けた』もの。
足を生やした謎貝から吐き出される気泡。
それらの謎がすべて一つに繋がったころには、ぐいぐい物語の世界に引き込まれていきそうな予感がします。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-T-12 祟られ内裏の香術妃 〜かりそめ女御は後宮の謎を香りで暴く〜


https://ncode.syosetu.com/n7342in/13/
和風の後宮ものですね。
最近流行の後宮ものといえば中華風が多いですが、これは歴とした和風後宮ものですね。とても楽しく読ませていただきました。
とてもこの分野に精通していらっしゃる作者さまが書かれた文章であること感じました。
『九十九髪の女香師』という二つ名が1行目にポンと提示されることによって、その姿を確認するまでは絶対に読み進めるぞという気持ちにさせられました。とても上手い構成だと思います。
冬親が、ドンと床を踏んで舞い始めるところでの場面転換は、映像映えする場面転換ですね。NHKの大河ドラマを見ているような気分に浸ることができました。
九十九髪の女香師が若い女であろうことは何となく予想していたのですが、だからこそ冬親の反応がとても面白く、ぐいぐいと引き付けられながら読み進めることができました。

冬親が見惚れてしまうぐらいの美貌。
冬親が驚くほどの才女。
二人の会話から自然とアカシの魅力が伝わってくる文章です。お見事です!

『月人の祟り』という秘密についてもとても興味が沸いてきました。
後宮もの初心者のわたしが続きを読みたいと思える、とても素敵な書き出しでした。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-1-13 伯爵令嬢ザマァちゃんはイケメン第三王子に婚約破棄されたいのに溺愛されています


https://ncode.syosetu.com/n6044in/14/
これは思い切りよくギャグ路線に振り切りましたね。
登場人物の名前が分かりやすくでとても良いですね。名前だけでどんな役回りのキャラクターなのかがだいたい分かります。

チーズをたらふく食べるために、第三王子に婚約破棄を迫り、関所をぶっ潰すというとんでもない発想はとてもギャグっぽくて面白いですね。真面目に実行すればするほど面白くなりそうです。
でも、王子はますますザマァちゃんを溺愛するようになるんですよね。めっちゃ楽しくなりそうな予感がします。
ぜひ、最後まで書き切ってみてくださいね。応援しています!

余談になりますが、主人公のザマァの言葉遣いをどこかで聞いたなあと思い出してみたところ、YouTubeでよく見かける『ゆっくり魔理沙』に思い当たりました。もしや作者さまもファンでいらっしゃるのでしょうか。あの独特のイントネーションが病みつきになりますよね。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-2-01 口無しのサナギとトリコは忘れない


https://ncode.syosetu.com/n6060in/2/
とても味わい深いSFホラー作品ですね。
まるで映画の冒頭のように時系列と場面が入れ替わる構成になっていて、とても興味深く読ませていただきました。

最初にあらすじを読んでいなかったら迷子になってしまったかも知れません。
読者の中にはあらすじを読まない派(ときにはプロローグまでも飛ばす人も)が一定数いらっしゃるらしいのですが、わたしはあらすじを読んでから本文を読んだので大丈夫でした。

晴矢と名付けられた少年の正体が何であるかが気になって、怖いけれどついつい読み進めてしまうような魅力的な書き出しに仕上がっていますね。
結理の腕が取れてしまう場面を読んでいたときには背中がぞわぞわしました。

運動会の回想シーンがとても印象的に書かれていて、しかもそれが現実の回想なのか『晴矢』に見せられている改変された『回想』なのかが主人公自身にも分からなくなっているということ。
わたし自身、子どもの頃にはよく高熱を出し、悪夢を繰り返し見た経験があるので、主人公の置かれた状態が何となく似ていると思いました。

果たして主人公は結理を助けることができるのか、それとも……。今後の展開がとても気になります。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-2-16 酒呑童子の蔓延る夜


https://ncode.syosetu.com/n6060in/17/

三人称神視点の書き方なのですが、登場人物の心情を中心に物語が進行している書き方をされているので、現在の視点が誰のものであるかを推測しながら読み進めていく必要がありました。心情や行動が誰のものであるかが不明なままだと状況を頭の中で思い浮かべることができないからです。冒頭のシーンに書かれている『私」は設楽であると推測しながら読み進めました。
もし感想依頼文にあります『字数の関係上』の箇所が主語の省略でしたら、一人称視点での書き方にされた方が分かりやすくなったような気がします。じっさい冒頭の地の文に『私が墓場まで持って行く』と書かれていらっしゃるので、当初は一人称で書き始めた文章だったのかなと推測しています。

途中から回想シーンへと場面が切り替わるところからは、とても楽しく読ませていただきました。大家である伊良部とは何やら裏家業での繋がりがありそうですね。設楽は探偵として相当の腕利きなのだと思います。
貧乏大学生の裏の顔は名探偵。めちゃ格好いいです。
酒呑童子との壮絶な戦いが繰り広げられていくのでしょうか。

冒頭の緊迫したシーンまでは絶対に読み進めるぞと思わせる魅力的な書き出しに仕上がっていると思います。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-1-12 勇者ですが魔王に色仕掛けをしかけることになりまして


https://ncode.syosetu.com/n6044in/13/
とてもほっこりと暖かな感じの作品ですね。
楽しく読ませていただきました。
『魔王に色仕掛けをしかけ、不意をつけ』との王命に慌てる一行の様子がコミカルに描かれています。ときには喧嘩したり言い争いをしながらも仲の良い仲間関係が伝わってきて、ほんわかと暖かな気持ちにさせられました。
意外にも魔王城へあっさりとたどり着ける所にあることや、通りかかる魔族に魔王のことを訊くことができることなどから、この世界の魔族と人間はライバル的な存在なのだろうと推測しました。
チョロくて可愛らしい魔王をどのように色仕掛けで迫っていくのか、これから先のエマの悪戦苦闘振りが目に浮かぶようで、とても楽しい書き出しに仕上がっていると思います。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-1-11 地蝕の影、黄昏の境界


https://ncode.syosetu.com/n6044in/12/
めっちゃ面白いですやん!
本格的なSFアニメ映画の出だしを観た満足感を味わわせていただきました。

イヤホン越しに通信している早苗さんというキャラは組織の担当オペレーターでしょうか。
会話の内容から綾川の置かれた立場や人柄がよく伝わってきました。

眼帯で隠された右眼とという分かりやすい設定が厨二心をくすぐられます。

ヒロインの神奈が巫女服を着ているというのも、とても分かりやすい設定ですね。
髪を切り、それを贄として『コンちゃん』を使役するシーンがとても映像映えしています。

もうね、キャラ達がわたしの頭の中で動きまわってくれました。お見事です!

それぞれのキャラクターをしっかりと作り込んでいることがうかがえます。

綾川は宇宙人を。
神奈は影の病を。
二人はそれぞれ別の敵を倒し祓ってきたのだけれど、ここで敵が一つに合わさる。
同時にそれは二人の出会いでもあったという展開がアツいです!

「「地球を蝕むドッペルゲンガーを、殺すために」」
のシーンがめっちゃかっこよかったです!

書き出し四千文字の中で主人公の見せ場もちゃんと作ってあるし、これは名作ですよ。
素晴らしいです。

最後の一行も萌えますね。
ラブコメ好きの読者にもグサッと刺さるのではないでしょうか。

連載の予定はありますか?
ぜひぜひ連載をしてくださいね。
よろしくお願いします<(_ _)>

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
連載もぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-4-17 100日後に結ばれる魔女と王子 ~なぜ惚れない薬を飲ませたのに求愛するの?!~


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とても楽しく読ませていただきました。

デルタに近寄るだけで魔女のオーラにあてられてメロメロになってしまう。
そんな中、王子だけは魔女としてではなく女性としてデルタに恋している。
そのことに気付いたデルタは、追い返した後でひとり悶絶する。
恋愛ものにおいて、この第1話は秀逸ですね。
しかもこういうお話があと99話約束されているわけですから、もうこれは絶対に追いかけます!

デルタの反応やセリフの一つ一つが可愛らしく、心を鷲掴みにされました。

『騎士はキッと眉をつり上げ、カップの中身を一気に飲み干す。デルタはニヤニヤしてそれを眺めた。どうせ女にはなんの効果も無いのだから。』
のシーンでは、ドキリとさせられました。

薬と知っていて飲んだ王子が男前に見えました。

「うにゃぁ~デルタ様ぁ……」
「あああ、デルタ様好き好き」
「デルタ様ばんじゃ~い……」
という兵士達の様子もコミカルでとても楽しい。

いや~、どの部分を切り取っても面白いですね。名作ですよこれは。
続きをぜひ読ませてください<(_ )> お願いします<( _)>

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
続きもよろしくお願いします<(_ _)>


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20-4-15 球体関節人形の血は赤いのか。


https://ncode.syosetu.com/n9350in/16/
とても興味深く読ませていただきました。
文章を読んでいると、見世物小屋のファンタジックかつ奇妙な雰囲気に包み込まれていくような読書体験ができました。
蛇兄さんが蛇を飲み込む様子みる客が嬉々として声を上げている冒頭のシーンがとても印象に残りました。
美しい文章に惚れ惚れとさせられました。お見事です!
球体関節人形として生を受けた『私』が名をかたるラストもとてもお洒落ですね。
赤下レイスの成長譚のスタートに相応しい素敵な書き出しだと感じました。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-T-03 竹取奇譚


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誰もが知っているであろう竹取物語を独自の視点でその続編を書こうとする意欲作ですね。とても面白かったです。
昔話で馴染みのある『おじいさん』の子孫を主役においた、いわゆる外伝的な立ち位置のストーリーです。
これは面白いですよ。
最近流行の『新解釈』ではなく、本家の物語は一切いじらずにその続編となる作り方で、しかも脇役を主役に抜擢するストーリーです。
同様にして他の昔話でも応用できる、これからの『王道』にもなり得る作り方だと思います。
もうこれは天才的な発明じゃないですか。

三十一代目竹取乃翁 VS 宮本武蔵
カッコいい!めちゃ面白そう!

歴史上の人物を登場させるとなると、時代考証や史実とのすりあわせがめちゃくちゃ大変そうだけれど、ぜひぜひ続きを書いてくださいね。

わらわは続きを所望するぞ!(←何者?)

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-4-04 タイムバケーション


https://ncode.syosetu.com/n9350in/5/
かなり本格的なSF作品ですね。とても面白かったです。

第四次世界大戦により荒廃した地球を再生し、人類を絶滅の危機から救った救世主のような存在である「彼ら」が何であるか。それを知りたいという好奇心で読者を引っ張っていくことが作者さまの狙いだと推測します。

現段階では、地球外生命体なのかなとは思っていますが、惑星間輸送船の航行システムの構築と運用まで「彼ら」が担っているとなると、もしかしたら人工知能が人類の英知を遙かに超えて人類を支配しているという線も捨てがたい。

今後の展開をあれこれと妄想することができて、とても面白い書き出しに仕上がっていると思います。

過去の自分の身体に精神をシンクロさせる方法でタイムトリップをするという設定も興味深いです。些細な変化がその後の歴史を揺るがしかねないとされているタイムトリップにおいて、それがどのような結果をもたらすのか。
もしかしたら、それが「彼ら」に与えられた最後の人類一発逆転の可能性だったりしたら……なんて想像するのも楽しかったです。

続きがとても楽しみです。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-2-21 死因:○○死


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とても面白かったです。
タイトルの○○死の答え合わせに面白さを全振りした小話。
恐ろしいまでのグロテスクな描写は、最後にこのオチを持ってくるためにあったのですね。
してやられました。
文章はさも小説を始めて書いてみました~という初心者に見せかけておきながら、しっかりと最後のオチまで読ませる力を感じます。もしや、わざと初心者の振りをされましたか?
たのしい作品を読ませていただきありがとうございました。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-2-07 学校も親も助けてくれない中、僕に手を差し伸べたのはアメリカだった


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良く作り込まれたエンタメ作品ですね。とても面白かったです。

あらすじを読むと本当にあった事件を元にしているのかと思ってしまうような書き方をされていますが、登場人物の名前がすべてコーヒーに関する名称に統一されていることから、この作品がフィクションであり、エンタメ作品であることがちゃんと分かりました。

本来ならば真っ先に助けてくれるはずの母親は頼りにならずに、学校の先生も日本の警察さえも助けてはくれないという状況なのに、米国のFBIだけは助けてくれようとしている。
米国サイコー! 日本は潰れてしまえー! というシュプレヒコールが聞こえて来そうな内容ですが、これはあくまでもエンタメ作品なんですから、こういう一方の立場に全振りした作品があっても良いんだと思います。

それにしても、息子が階段から落ちて大けがをしても、いじめを受けるのは貴方が悪いんだという姿勢を崩さない母親に怒りを感じます。

一方で、これだけのいじめを受けていながらも、絶望することなく飄々と暮らしていた主人公の超人的な強さに圧倒されます。FBIに保護されて、最初の会話がいじめの主犯格をどうしてやるかという算段であるというところに、逞しさよりも恐ろしさを感じました。
これは主人公の最大の特徴であるギフテッドによるものなのでしょうか。

ここから米国の法律に則った復讐劇が始まりそうな予感がひしひしと伝わってくる、良い書き出しに仕上がっていると思います。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-3-18 悪徳祓魔師・羽々木音依の巡礼


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めっちゃ面白いですやん!

主人公の理介視点の三人称で物語が語られるからこその面白さ。
仏壇が開けられたことによって、理介の失われていた記憶が脳裏に流れ込んでくるシーンがとても良かったです。すごく面白いです!

音依と理介が『気持ち』と『覚悟』をそれぞれに勘違いするというシーンも面白いです。初見で読んでいたときに、わーっとわくわくする気持ちが抑えきれなくなって机を叩きました。
たぶん、作者さまはその二人が互いに勘違いしているところについても、二人のコミカルなやりとりを楽しませてくださるつもりだったのでしょう。4千字に抑えるために削らざるを得なかったのだろうと推測します。

『そこには矢伏間文香の顔をした何かが、矢伏間文香のような笑みで立っていた。』を読んでいるときに、背筋がぞわぞわしました。この状況はめっちゃ怖い。

それにしてもメリケンサックを思わせる十本の指にはめられた指輪とか、スレッジハンマーを食らわせる準備のような祈りとか、めっちゃカッコいいですよ。素敵なキャラクターを生みだしていただいた作者さまに感謝です。

わたし、羽々木音依のファンになりました。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-2-02 独房に咲くマンドラゴラ


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めっちゃ面白いですやん。

主人公とマンドラゴラ、看守、博士の4者(?)の関係性がとてもユーモラスに描かれていますね。

一生懸命に鉢から出ようとしているマンドラゴラを思わず手助けしてしまうところとか、看守とのやりとりとか、低音イケボの博士の□□にビックリしているところとか、もうサイコーに面白かったです。

わたし、もうすっかり田中耕造のファンになりました。
ちょい役なのはずの看守の人柄も、結構好きになりました。

文章がとてもお上手で、小説を書き慣れた方がわざと崩して書かれたのだと推測します。この軽いタッチの文体はこのコミカルな内容にとてもマッチしていますね。クスクスと笑いながら最後まで読ませていただきました。

それにしてもマンドラゴラの苗床と聞くとホラー並みに恐ろしいはずなのに、まったくそう感じさせないこの作品のパワーはすごいですね。

ずっと続きを読んでいたくなるような面白さです。

唯一気になった点は『二葉』は『双葉』と書くのが正しいと思われます。『子葉』でも良いかも知れません。(あまり気にすべき点ではないとは思いますが……一応お伝えしておきます。)

続きはありますか? ぜひ読んでみたいです!
続きを書いてくださーい! よろしくお願いします<(_ _)>

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
続きもよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-4-23 この魔法、昔と比べて弱いんですが……光る物があります!


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とても面白いストーリーですね。
ランプの精が古き良き時代の魔王であり、教えてくれようとする魔法は全て時代遅れという設定は良いですよ。
主人公の強い魔法を手に入れようとする動機も良いですね。仲間を助けるために強くなりたいという動機は主人公らしさにあふれています。
本来はそれほど強くない『口を身体から生やす』という魔法の効果を、学園ならではの決闘のルールに生かせると気付いたシーンで、とてもわくわくした気分になりました。
とても良いストーリー展開だと思います。

以下は蛇足となります――
もし作者さまが独自のこだわりを持っていらっしゃるようでしたら読み飛ばしてください。

句読点の付け方にやや不自然さを感じます。
一度、騙されたと思って好きな作家の文章を10ページほどで良いのでそっくりそのまま書き写してみてください。句読点の付け方をはじめ、文章のリズムが見違えるように書けるようになると思います。
何も変わらなければ、『騙されたー!』と突撃してください<(_ _)>

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-T-17 帝都あやかし事件簿 〜幻の陰陽師〜


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めっちゃカッコいい書き出しじゃないですかーッ!
ほのぼのとした雰囲気の出だしから、事件が起きて、さあこれから動き始めるというところまでしっかりと書かれている。
とてもわくわくする書き出しになっていますね。名作ですよこれは。

おキヨと妖怪たちの日常にほっこりとさせられました。
姿は幼女でも、みんなのお母さんみたいに日々忙しく、それでいて楽しそうに暮らしているおキヨの日常。ずっと読んでいたくなりました。

藤堂視点に移る場面転換の仕方も秀逸ですね。
映像が頭の中でパッと切り替わりました。

おキヨの霊力に驚く場面では緊張感が増し、屋敷の思わぬ正体を知り緊張感がフッと和らぐ。
雪女の『喋れば永遠に溶けない氷に閉じ込めますから、そのつもりで行動なされませ』というセリフにゾクゾクしました。

東堂の人柄もいいですね。
服に仲間の血がかかっているという件から、東堂というキャラクターが一気に好きになりました。これは応援したくなりますよ。
おキヨも同じ気持ちになったのだと思います。

そして何といっても、主人公のおキヨが魅力的です。見た目が幼女だからといって、訝しげに見てくる東堂にたいして、ぷうっと両頰を膨らませるんですよ。伝説の陰陽師がぷうっとですよ。めっちゃ好きです!「信じられないんだ」のセリフが頭の中でリフレインしました。

仲間がいる場所が特務機関の本部だったという、とても不穏な空気感で第2話に突入ですね。
これはぜったいに続きを読みたくなりますよ。
続きをぜひ読ませてくださーい<(_ _)>

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-1-03 恋愛小説の当て馬騎士にさせられた
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書き出し祭りでは珍しく、ストレートに第1話あるいはプロローグを4千文字に詰め込んだ書き出しですね。

わたし自身はついつい評価を気にしすぎて、序盤を省いてでも書きたいシーンまで書いてしまいがちになるのですが、こういう正統派の書き出しで点数をとるのが本来の書き出し祭りの趣旨には合っているのだと思っています。

恋人のアキと楽しい一夜を過ごすつもりが、突然アキが失踪してしまうという悲劇。
主人公の焦りがよく伝わってきました。

そして猫又のクロとの対話。
どうやらクロには何か思惑がありそうな感じですね。
主人公を試すようにアキと同じ小説の世界へと送り込むのですからね。
絶対に何か思惑があるのでしょう。

最後に出てきた水色のドレスの女性は、冒頭に出てきた女性と同一人物だとしたら、この女性がアキということでしょうか。

冒頭のお茶会の場面までは絶対に読みたくなる書き出しに仕上がっていますね。
続きが楽しみになりました。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-1-06 ハッカーちゃんの給料日


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電脳の魔術師(ハッカーちゃん)に目を付けた窃盗団にまんまとしてやられて誘拐されるまでを描いた前半がとてもスリリングですね。
ノリノリでカメラをハッキングして高みの見物をしていたときに、窃盗団がとつぜんカメラ目線になる。ハッカーちゃんの驚きを臨場感いっぱいに感じることができました。

一癖も二癖もありそうな仲間とともに、どんな第二の人生を歩んでいくのかが楽しみになる書き出しに仕上がっていると思います。

英語のセリフをふりがなで表現するのもなかなか良いアイデアですね。
世界を股にかける盗賊団『OPENER GANG』という雰囲気がとてもよく出ています。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


#書き出し祭り #本文感想 #ファンレター

20-4-13 チート令嬢のパグとして召喚されましたがやることがありません


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めっちゃ面白いです!

主人公は元は人間だったと思うのですが、どういう訳かパグとして異世界に召喚されてしまったという設定がとても面白く、終始パグ視点での描写がコミカルタッチに描かれています。

主人公はすっかりパグライフ(?)を満喫しているようで、とても明るい雰囲気で語られているのも良いですね。

ご主人にく甘えたり、叱られたりしている様子をほっこりとした気持ちで読み進めることができました。

ご主人を助けるために、数々の粗相を演じる狡猾さが痛快ですね。

王子に首根っこを掴まれた場面ではヒヤッとしましたが、『ご主人の腕の中にいた』ということで安堵しました。ここが最も感情が揺さぶられました。第1王子めー、許すまじと思いました。

婚約破棄のうえに、侯爵家に関わる人間は全て国外追放などという王子の横暴に対して、パグとしてどうやって対処するのかがとても楽しみになる書き出しに仕上がっていると思いました。

王子やご主人の名前が明かされていないけれど、確かにパグは人を名前で区別しないものなあと気付きました。

何から何まで、全部お見事でした!

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>


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20-4-19 千と一人の勇者の話


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とても楽しく読めました。

幼い子どもたちを勇気づけたいという一心で、勇者レオーネが来て山賊たちをやっつけてくれるという嘘をついてしまった主人公。
主人公の知恵により山賊たちをやっつけることに成功し、まるで本当に勇者レオーネが来てくれたような状況を作り出す。
『嘘から始まった存在しない勇者のお話』
なるほど。
これはとても面白いストーリー構成ですよ。

主人公は周りの人達の力を借りて、単独ではそれほどの力にならないことを、それぞれの知識や経験を組み合せることで困難を克服し、まるで勇者が活躍したような功績を作り出しています。
今後の主人公の活躍ぶりが目に浮かぶような、とても素敵な書き出しに仕上がっていると思います。

洞窟に水を流し込み、そこに油を浮かせて火の海にするなんて、どうやったら思いつくのだろうか。天才的なひらめきですね。主人公がちゃんと主人公しています。

この度は感想のご依頼ありがとうございました。
またぜひよろしくお願いします<(_ _)>

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