『文体の舵を取れ』練習問題⑴ 問2
『一段落くらいで、動きのある出来事もしくは強烈な感情を抱いている人物を一人記述してみよう』
......段落って単語完全に見落としてましたね()
「ナイフを下ろしなさい」
雷華はグロッグ19を構えた。ボロの衣服に身を包んだ男が男児を抱えている。男児の首筋にはナイフが突きつけられている。
「うるさい!!」
男は目をむいた。ナイフがブルブルと震える。
「もう一度、言うわ。ナイフをおろして」
雷華は男の頭に狙いをつける。指に少しでも力を込めれば、男の頭をスイカのように砕け散るだろう。
「くそっ、くそっ」
男の目は血走っていた。唾液が白い泡となり、口の端から垂れている。ドラッグでハイになっている。
「話をしたいの。でも、こんな状況じゃ。ね?」
視線が揺れる。腕の中の男児が咳き込んだ。
「大丈夫。あなたに危害は加えない」
雷華は言い含めるように、言葉をかける。
「まず、お前からだ!銃を捨てろ!」
男児がまた咳き込んだ。
「わかったわ」
雷華はゆっくりと手を挙げた。銃がコンクリートの床に滑り落ち、甲高い音を立てた。