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見立て殺人、書いてみたい
久しぶりに横溝正史先生の作品を読み返したくなる。何を読もうかと、迷い何冊かを手に取る。 「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」「獄門島」…。あれ? どれも見立て殺人の話ではないか。
見立て殺人とは(みたてさつじん)とはあるものに見立てて事件が装飾された殺人のこと。(中略)推理小説におけるテーマの一つである。
「犬神家の一族」では、犬神家の相続権を象徴する斧(よき)・琴(こと)・菊(いく)の3つを、「悪魔の手毬唄」では村に古くから伝わる手毬唄を、「獄門島」では松尾芭蕉などの俳句を模して、殺人事件が起こります。どの作品も、見立て殺人という設定により、物語に奥行きが生まれています。
トランボが見立て殺人を描くとしたら?
たぶん、事件がなぜ見立て殺人でなければいけないか、という理由づけのところで悩むような気がします。トランボが書くものも、基本はミステリーで、見立て殺人にはいつか挑戦したみたいと思っています。アイデアの断片はたくさん溜まっているのですが、そのどれもがストーリーとして、しっくりこないのです。
見立て殺人であることの理由づけ。横溝先生の作品のなかで、その辺がもっともうまく処理できているな、と感じたのは「犬神家の一族」でした。ネタバレになるので、詳しいことは書きませんが、見立て殺人になっていることに一番驚いたのは、犯人だった、という設定。お見事です。
ということで再読は「犬神家の一族」からと決めました。
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