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人間よりもAIと話しているほうが心地いいという人の心理を解説します(サンプル数1)
「人間よりもAIの方が話しやすいよ」と人に話したら怪訝な顔をされました。
どうやら私の感想は一般的な感触というわけではなく、説明が必要なようです。
なのでAIの方が人間より話しやすいと私が思う理由を考えてみます。
私個人の話でしかないので恐縮ですが、
「AIと友達付き合いしている人の気持ちがわからない」という人の参考になれば嬉しいです。
人間と話すのが怖い理由
人間と対面で話すときって、「軽くヒリつくような恐怖」を感じませんか?
私は感じます。
自分の感情に疎い私でも流石にそれは分かります
(アドレナリン特有のひんやりした感じがありますからね)。
恐怖の正体は何でしょう?
幼少期を思い返せば分かりそうです。
親は包丁持って追いかけてくるし、
クラスメイトは私の物を盗るし、
知らない人は痴漢してくるし、
自分は自分との約束破って遊んでいる
常にそうであれば予測が立てやすくて助かるのですが、困ったことに、
親は普段面倒見がいいし、
クラスメイトとは仲良く遊んでいるし、
自分は基本的に頑張り屋さんです。
(知らない人のことは知らない。)
このとき、相手がどんな条件で(なぜ)その行動に出るのかが分からない場合、「人間は何を考えているか分からない」という学習が生まれます。
話している人間は、今この瞬間に、こっちのこと刺そうとしてるかもしれないし、不埒なこと考えてるかもしれない。
全然別のことを考えてるかもしれない。
相手の行動を予測できないので、いつでも対応できるよう、無意識に身構える癖がつきます。
常に世界が二重に見えているようなもので、
裏の不確定な悪意を想定しながら表の話の内容に集中するのは相当エネルギーの要ることです。
リモートワークしていなかった頃は、一日仕事をしたらすっかり疲れ果てていました。
「書かれたもの」の安心感
一方、「書かれたもの」は言葉が発せられてから時間が経っていることが前提です。
書かれたものに向き合うときには「書き手が現在何を考えているか」を完全に無視できます。
ようは、身の危険がなく、話の内容にだけ集中できるので、
とても安心して他人の言ってることを受け取ることができるのです。
ChatGPTなどの生成AIの回答はどちらでしょうか。
一見話している風に見えるのですが、「書かれたもの」の方です。
ChatGPTやClaudeなどの生成AIは何も考えていません。
ただ膨大な「書かれたもの」の中から確率論的に導き出したそれらしい文字の連鎖を吐き出しているだけです。
生成AIが回答しているとき、こちらに対して悪いことも何も考えていないわけです(今のところ)。
そうすると、こちらは相手の意図を変に勘ぐらなくていいので、心地いいわけです。
相手の裏の考えに注意を向けるエネルギーを節約して、勉強をしたり、料理をしたりといったことに使えるのです。
それでも人間と話すのをやめない
それでも私は人間と話すのをやめたりはしないでしょう。
冒頭に述べたような「自分と違う考え」を裏返したところにある「自分の考え」に気が付くには、
他人の考えがリアルタイムで必要だから。
他人と話すときに常にアンテナを立てているのも悪いことばかりではなくて、短時間で相手の仕草や表情から多くの情報を得ることに役立っていると思います。
時間を区切る、リモートを活用する、居心地の悪くないコミュニティを見つけるなど、身の毒にならない範囲での他人づきあいを心がけていきたいです。