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国民民主党代表選挙 私が玉木雄一郎を推す理由

 私は、以下の理由から令和5年度国民民主党代表選挙において、玉木雄一郎候補を応援する。

政策を間違えると大勢の人命が失われる

 「政治の難しさ」は表題にある。どんなに目の前で困っている人の気持ちに寄り添おうが、優しくて思いやりのある人格者だろうが、そんなことは一切関係ない。

 政策を誤ると、人は簡単に亡くなるのだ。

 ここで言う政策とは、経済政策と、外交・安全保障政策である。今回は特に経済政策、その中でも金融政策に絞り、玉木雄一郎候補を応援し、前原誠司候補が応援できない理由を述べる。

経済政策∶「金融緩和無策」の過去を「反省」する玉木雄一郎と、金融引き締めを主張する前原誠司

 現在、ロシアのウクライナ侵略に伴う物価高にもかかわらず景気が悪くないのは、日本銀行が金融緩和を継続しているからだ。

 金融緩和は、「景気が良くなるまでお札を刷る」とも例えられるが、市中に出回っているお金の量を増やすことである。金融緩和により金利が下がるので、設備投資や雇用に資金が投入されやすくなる。つまり、金融緩和はそれ自体が雇用対策である。

 玉木候補も前原候補も、給料を上げるつもりであることは否定しない。しかし、現在、物価高も相まって、30年間賃金が上がらなかった状況が、ようやく変わりかけている。そのような中で、前原候補の言うとおり金融引き締めを行うと、また、賃金が下がり続ける基調に逆戻りだろう。

 給料を上げるという目的があるならば、その手段として金融緩和を続けることが大前提だ。国民民主党が金融緩和継続を主張するために、玉木候補を代表とすべきである。

物価上昇をむしろ歓迎すべき理由

 前原候補は、金融緩和の副作用としての物価上昇を問題視する。しかし、物価上昇は必ずしも悪いことでなく、緩やかなインフレは必要なことだ。

 物価が下がると企業の売上も落ちる。そうすると、働く人の給料が下がる。これがデフレスパイラルというものだ。日本は、長期停滞の中で、このような負のループに陥っていた。物価の上昇は、賃金アップに必要である。

 だが、物価上昇が必要な理由は、それだけではない。デフレ経済下では、格差が固定化されやすい。どういうことかというと、現金の価値や、金利が高止まりすると、貯金や資産を持てる者が得をする状態である。逆に、奨学金などの負債を抱える者にとって、デフレは非常に苦しい状態だ。

 他方で、インフレが持続すると、現預金の価値は目減りする。インフレは、格差を縮小する方向に働くのである。勘の良い人はお気づきだろうが、インフレは借金も目減りする効果がある(金利が固定されている場合)。現在、資産を多く保有しているのは高齢者であり、他方で若者は資産がなく、学生の半数はむしろ奨学金という借金を抱えている。インフレは、一見すると低所得の若者に厳しいようにも思えるが、実は、資産がなく奨学金を抱える多くの若者に優しい状態なのだ。

 以上のことから、金融緩和継続による物価上昇は必要であることから、やはり前原氏の緩和終了論には一切同意できない。

金融緩和で人命が救われていることを考えるべきだ

 代表選挙の中で、筆者は前原陣営を自称するアカウントから「人の痛みが分からない」とレッテルを貼られた。しかし、資産がなく借金(奨学金負債)を抱える若者世代を苦しめる金融引き締めを主張する政治家と、その政治家を良しとする人たちこそ、人の痛みが分かっていないのでは?と声を大にして言いたい。

自殺者数の推移(神奈川県ホームページより引用)

 アベノミクスで金融緩和が始まって以降、自殺者は減少傾向が続いてきた。コロナ不況での多少の揺り戻しはあったが、低い水準で落ち着いている。金融緩和は、多くの命を救っていることは統計から明らかであり、弱者に優しい政策であることは明らかだ。

 筆者は、賃金アップと格差是正の観点から、金融緩和を継続する玉木雄一郎候補を支持する


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