柴田淳「なんかいいことないかな」 きっと明日なにかあるよ 胸はきしむけど・・・
30代のころだったろうか。高校時代の友人と音楽の話になり、「最近、柴田淳をよく聞いてる」って紹介されて、デビューアルバムを借りてきた。
2002年3月20日にリリースされた柴田淳さんのファーストアルバム「オールトの雲」。このアルバムの1曲目にある「なんかいいことないかな」がとても好きな曲だ。
柴田淳さんがどれくらいメジャーなのか、正直分かってないし、ライブも行ったことがないのだけど・・・。この1枚目のアルバムから伝わってくる、どうしようもない暗さと陰鬱さを堪能している。
低音をしっかりと表現しながらも、美しく伸びやかな声が、いっそう寂寥感をかきたてる。柴田さんって、どんな人なんだろう。
この文章を書くに当たって、ウィキペディアを調べると、たくさんのアルバムを定期的に出しているのですね。全然知らなかったので、これから聴く楽しみができた。一つずつ、聴いていってみよう。
「なんかいいことないかな」の歌詞を見ていきたい。
初っ端から香ばしい歌詞ですね。
楽観の極致にいるような人間である私とは、正反対の人でなければこんな歌詞は書けないと思います。
なぜ、そんな私がこの曲に惹かれるのでしょうか。いまひとつ分からないのですが、なんか好き。
確信や絶対なんて、どこにもないって・・・。
まあ、そうかもしれないけどね。
そもそも、私はいらないけどね、そんなもの。
曲名にもなっている「なんかいいことないかな」。
これは、私も日々、言ってるなあ。「恋人がいる、いない」という話では全くないけど、それ以外のところでも、いいことないよねえ。
楽しいこと、なかなかないんだよねえ。
そこに必死にライブを入れたり、おいしいものを食べに行く会を入れたりして、必死で楽しんでいる気になっているけど、ホントにこれでいいのかしら?
そんな風に違和感を抱きながらも、私の場合はたいして胸はきしまない。まあ、別にいいやって、心の底から思えてしまう。
たぶん、私の方が徹底的にダメ人間なんだろうなあ。
柴田さんは、このデビューアルバムの後、どんな歌を歌っているのかしら。
ゆっくり、聴いていこう。
2022年10月1日 トラジロウ