昨日も兄と語らいました
昨晩また兄と突っ込んだ話をした。なんとなく兄の気持ちも分かってきた。
1ヶ月前に退院が近くなり病院から兄に電話が行った。「弟さんが入院していて退院に向けて話し合いたい。ただ症状がひどく弟さんのことは諦めてください」ということだった。実際に兄が病院に来てみると私が痩せこけた鶏みたいになっていたので愕然としたそうだ。
そのあと病棟と一般エリアの境界のガラス越しに携帯電話で話をした。兄とは数十年疎遠だったのだけど、これまでの私の経緯を話すと兄は泣き始めた。兄が泣くのをみたのは小さい頃以来で母の葬式でも無表情だったので意外だった。結局数年前に兄も会社で似たような目にあっていてシンクロしたのと私が兄が思う以上に頑張って成果を上げていたことに気がついて胸を打たれたようだった。
両親に教養と学がなかったのでお互いに苦労したのだけど私はずっと大志を抱いていて諦めなかった。結局この数十年間で兄は大志はないけれども目の前の事務的なことはしっかりやる人間になっていて、私はその逆になっていた。兄弟型の性格の違いも影響しているようだった。
退院後、そんな兄の世話になって同居し始めたのだけど、兄は私があまりにも日常生活においてちゃらんぽらんなのを見て、理解に苦しんでいたようだ。なんとか弟の介護をして一日でも延命しようとする気持ちと私を理解しきれない気持ちが空回りしているようだった。それでしばしば癇癪を起こして怒ったり泣いたり怒鳴ったりするので私の方も兄を理解できなくなっていた。