兄弟の記憶
昨日もまた兄から長々と説教をされた。兄自身メンタルが完全ではないので、何とか宥めながら怒られていた。
その後小さい頃の話などに話題を変えて、なんとか矛を納めてもらった。
2、3年後に私は東京に帰りたいという気持ちを伝えた。嫌がって出て行きたいという印象を与えない説明に苦心した。
その後、兄と長々話し込んだのだけど、驚くほど小さい頃のことをお互いによく覚えていて、そのとき内心で思いながら口に出せなかったこともよく似ていた。例えば私は小学生の頃母が在日韓国人であることに気がついたのだけど、以降本人にこちらからあれこれ聞いたことがなかった。兄もそうだったらしい。
ただその後が違ったのは、私はやむを得ず書籍や新聞などで客観的な知識を仕入れて教養を養ったり、自分なりに思索してみたりしたのだけど、兄にはそういうところがなかったらしい。これが二人の人生を大きく分けてしまったし、お互いが疎遠になってしまった理由だと思う。
私が母のために意識的に何十年もかけて特許を取ったことなどを話すと兄はかなり後悔し羨ましがっていた。退院後兄が私の生活の面倒を見てくれることになったのだけど、過剰に関与してくるのも今更協力したいかららしい。気持ちはありがたいのだけど。