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占いと猫とトラジャのコーヒーvol.38~NNNに派遣されたうちの猫の話。

皆さんはNNNという秘密組織をご存知だろうか?

NNNとは、ねこねこネットワークの略である。(ぬこぬこネットワークとも言う)

あなたの周りに、なぜか縁先にちょくちょく子猫がおいて置かれる家がないだろうか?そしてその家は、何故かいつも一定数の猫を飼っていたりしないだろうか?

NNNは猫による猫のための監視ネットワーク組織である。

故に、『例の家の定員数が割れたらしい』なんて情報が猫の社会で出回り、定期的に子猫が派遣されてくるのである。

有力なNNN協力家庭ともなれば、母猫が直接子猫を託すなんてこともあるそうで…うらやま…いや、とっても怖いかもしれない秘密結社なのだ!

✤✤✤

横浜の1軒屋に住んでいたときのことです。

斜向かいのお家には靴下を履いたクロちゃんと呼ばれる白黒ハチワレさんがいました。

もうおばあちゃんだったようで動きはゆっくりしていて、なでさせてはもらえませんでしたが、ちかくでゆっくりその姿を眺めては猫浴をしていました。

ある日、普段は庭から出てこないクロちゃんがちょうど目の前を歩いていたので、ふっと声をかけたのです。

「クロちゃん、うちに1匹子猫さん派遣してもらえへん?」

NNNのことはネット記事で読んで知っていました。
普通は猫さん側からロックオンされるらしいのですが、こちらからのアプローチも可能らしいとの書き込みも見たことがあり、ちょっと試してみたくなったのです。

その後、しばらくして声をかけたことも忘れた頃に、知人から「子猫を保護したのだけど、引き取らない?」とのオファーが。

とにかく見に行こう、と行ってみて、子猫を見た瞬間、「引き取ります」と言っていました。

無事に引き取れるまで2ヶ月。
子猫を引き取って更に2ヶ月経った12月のある日、斜向かいのお家のおじさんと話す機会があったので声をかけました。

「おじさん、最近クロちゃん見えませんね」

「うん、帰ってこなくなっちゃったんだ。もうだいぶんおばあちゃんだったからね」

猫は最後を飼い主に見せないといいます。クロちゃんもそうだったのでしょう。

できれば会ってお礼を言いたかったな。

「クロちゃん、クロちゃんにそっくりの白黒ハチワレ靴下猫がうちに来たよ、ありがとうね」って。

引っ越しして、窓辺で寝てばかりのハチワレさんの肉球をもみもみしながら、もう1匹、派遣をお願いしてみようかしら、なんて考えるこの頃でした。


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