あなたの中学時代はどれほどの濃さだっただろうか。
どうも、お久しぶりですとらぎつねです。
今回はまた漫画の感想(レビューと書くと何かたいそうなものっぽい感じするので、感想とします)になります。
タイトルは「わざと見せてる?加茂井さん」です!
いやぁ、おじさんには刺さる作品ですわ…(非性的な意味で)。
青春を、くらえ。
<序盤でジャンルが変わる>
よくある展開です!序盤で早速方向転換する漫画ですね(笑)
ドラゴンボールやキン肉マンだって最初はギャグだったし、商業作品としては売れるために展開を変え、もはやジャンルまで変わることは珍しくないと思います。
この漫画もその道を辿っており、作者自身が巻末のおまけでセルフツッコミしておりますが、すでにヒロインの加茂井さんはほぼ何も見せていません。
タイトルだけ見ると「美少女ヒロインがパンチラをわざとかってくらい見せてるエロコメディ?」みたいな予想がつきそうなんですが、これはホントに序盤だけです。
割とすぐに方向転換し、青春の甘酸っぱいドキドキみたいな場面と、クセの強いキャラクターたちが織りなすギャグ漫画へと変わって行きます。
ただそれで終わらないのがこの漫画。ギャグに振り切るわけでもなく、文化祭というイベントあたりから淡い恋心を意識し始める青春漫画へ変わっていきます。
「いつか人生で最後の文化祭が終わったその瞬間、今日ことをふと思い出して、胸が苦しくなったりするのかな?」
なんて考えてしまう中学生の気持ち。わからなくないです。
<恋だけじゃない青春>
青春漫画と言えば恋愛だけでしょうか?
僕は「夢を追うこと」がテーマの漫画も、青春漫画と位置付けてます。
この漫画も途中からこの夢要素が入ってきます。
主人公は漫画家になりたいという夢を持っています。
そして同級生でバンドで売れたいという夢を持つ男と出会います。
彼は従姉妹のサーヤさんという女性と2人でバンドをやっており、路上ライブを繰り返しています。
漫画家になりたい、ミュージシャンになりたい。
よくある夢と言えばそうですが、実際にプロとして活動を続けられるのは一握りの人という現実は誰もがわかってますよね。
わかったうえで諦めず研鑽を続け、いつかは夢が叶う。
そんな感動のストーリーはよく漫画や映画になりやすいと思います。
しかしこの漫画、よくある展開とは少し違った場面も見せてくれます。
それがずっと音楽が好きでプロを目指し続けているサーヤさんの言葉。
「やりたいことなんて、あればいいってものでもない」
「それに縛られて生活することになる。まるで呪いのように」
「そうなっちゃったら後悔する。やりたいことなんて、なければよかったのに…って」
青春漫画は、とかく夢を応援しがちです。
確かに、夢を叶える方法の一つは「やり続けること」です。
そうすることでライバルたちがどんどん諦めていき、最後には自分しかいない。
諦めなければ夢はいつか必ず叶う、とはそういう一面もあります。
しかしライバルたちは何故どんどん諦めていくのか?
それは、例えば音楽で食べていきたいという夢を追う場合、それ以外の人生の選択肢を犠牲にして音楽活動を続ける、ということが多くの人にとってできなくなってくるからです。
収入はどうするのか?結婚はしないのか?子供は欲しいのか?一軒家やマンションをローンで買っている友人たちを見て、何も感じないか?
自分がどうしてもやりたいことがあって、それで収入を得られるようになりたい。有名になりたい。もっと色んな人に認められたい。
夢実現への憧れが強ければ強いほど、それはその人の人生の選択肢を狭めていってしまいます。
サーヤさんはそんな夢ばかり追っているが芽が出ず、苦労したり悩んだりしている人たちの代弁者的なキャラです。
こういうジャンルの漫画にこういうキャラがいるのは珍しいと感じましたがどうでしょうか。まだ私の知らない漫画や小説や映画で、夢を追うことは素晴らしい!という内容なのにこういうキャラが出てきます、という作品はあるのかもしれませんが。少なくとも私はこの漫画しか知りません。
確かに夢を持ったり時間ができればついしてしまったりするくらい好きなことがある、というのは人生に彩を加えてくれる素晴らしいものだと思います。
しかしサーヤさんのような人たちがきっといっぱいいるのも、厳しいですが現実なのでしょう。
何事もほどほどが一番…なのかもしれません。
が、私には何が一番いいのかはわかりませんでした。
苦しみながらも夢を追い続けるのがいいのか。やりたいことが見つからず、それでも平和に日々を過ごすのがいいのか。
もちろんやりたいことで夢が叶うのが一番いいんでしょうが。
<そしてまた急に展開変わる>
夢がテーマの修学旅行編が終わると、今度はいきなりサスペンス的な展開に入ります。
もう、突然すぎてマジで情緒揺さぶられすぎなんですが。
「前に猫が道端で轢かれてるのを見つけたよな。あれってホントに車に轢かれて死んでたのかな…?」
というようなセリフから、いきなりゾワっとさせる空気にしてきます。
青春どこいったよ、おい。
ここで第10巻が終わるのですが、11巻でバトルロワイヤルでも始まりそうな雰囲気です。
この10巻の最終話、読めば感情の振り幅半端ないな…って気持ちを体験できます(笑)
うーん、構成力の妙…!引き込まれるなぁ。
さて今回は「わざと見せてる?加茂井さん」という漫画をご紹介してみました。
現在11巻まで出ていて、絶賛連載中です。
私はピッコマというマンガアプリで読んできましたが、そろそろ最新刊買っちゃおうかなと思ってます。気になるところで終わりすぎ(笑)
それではまた!
追記:
11巻買って読みました。
ネタバレせずに感想だけ言いますと…
ゾッ…
として、それがまだ終わってないもんだからホントに続き気になる。