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キーボード沼の末に結局HHKBに落ち着いた理由
はじめに
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皆さんキーボード沼ってますか。
私はITエンジニアを18年ほどやらせていただいている者です。インフラエンジニア、時々ソフトウェアエンジニアとして仕事をしてきましたが、恥ずかしながら仕事道具であるキーボードにはほとんどこだわりを持ったことがなく、Mac Bookのキーボードで満足しておりました。
しかし、ある時Rebuild.fmというポッドキャストにてnaoyaさんが語るキーボード愛に感化され興味を持ったが最後。キーボード沼に足を突っ込んでいった次第です。
幸いなことに(?)私はおそらく30〜40万円ほどの出費で自分なりに沼を脱出できたため、えらく浅い沼で済んだと思っています。
本記事では私がこれまで購入したキーボードやキースイッチ等をとても簡単に紹介しつつ、完全に主観の感想も紹介したいと思います。
そして、私の現在の最終形のHHKBに決まった理由も紹介いたします。
キーボード探しの旅をされている方の少しでも参考になれば幸いです。
初期 - 聞きかじった、なんとなくこれ?というものを適当に買う
Keychron K3 日本語配列
Rebuildでnaoyaさんが紹介されていた中で「きーくろん」というキーワードが耳に残っており、さっそくググります。
何も考えず日本人だから日本語配列だろ!と無垢な少年のように日本語配列が提供されており、日本の代理店で販売されていたKeychron K3を購入します。
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おーかっこいい!
そして少し使ってみて思います。
「あれ、矢印キーの配置終わってね?」
そう、画像のとおり、K3日本語配列は、スペースの都合上矢印キーが横一列に配置されており、お世辞にも使いやすいとは言えなかったのです。
さらに、個人的にはよく利用していたPageDown/Upのキーも右端に特に分離されずに配置されており、使いにくく感じました。
Keychron K1 SE 日本語配列
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ということでKeychronの他の種類を探していたところ、K1 SEというモデルがあり、矢印キーは独立しており、かつPageDown/Up系も独立した、80%キーボードを見つけ、さっそく購入しました。
「これは使いやすい!見た目もかっこいい。
けど、なんか、、タイピングしずらいな・・・」
写真のとおり、この頃のK1やK3シリーズのキーキャップはキーとキーの間に大きな隙間があるデザインとなっており、スタイリッシュさはあるのですが個人的には非常にタイピングがしずらく感じました。
タイピングしていても気持ちよさがなく、コレジャナイ感が漂い出したのです。
Logicool MX Keys Mini 日本語配列
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そんな時、Logicool MX Keys Miniがめちゃくちゃいいという口コミを見かけ、Youtubeなどでも情報収集した上で買ってみました。
3台目ですがここまででわかるとおり私は基本ロープロファイルなキーボードを前提に探していました。
なぜならば
仕事では在宅がメインでしたが出社する場合もあるため「持ち運びしやすいこと」も重要であった
MacBookのキーボードばかり使っていたため、ロープロファイルの方が使いやすそうであった
というような理由です。
さて、"Logicool MX Keys Mini"ですが、巷で言われているとおり、独特の打鍵感、タイピングのしやすさが最高で、とてもいい感じでした。
しかし、、、やはりこれもコレジャナイ感が出てきてしまいます。
矢印キーが独立しているのはいいのだが、小さすぎて押しづらい(EmacsやVimを使う際は矢印キーは使わないのでいいのですがOffice系ソフト使う際やちょっと片手で軽く矢印キー押したいときに押し辛い)
PageDown/Upキーはよ!
結構Home/Endも使うケースがあったがない・・
というようなことから、ベストな体験とはなりませんでした。
後期 - メカニカルに手を出し始め暴走し始める
HHKB Professional HYBRID Type-S 墨
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キーボードについて調べていると必ず出てくるキーボード界のドンの1つ、HHKBに手を出します。
かっこよさを理由に迷わず「墨」を選択。
静電容量無接点方式の最高の打鍵感
キーマップツールによる自由なキーマップで使い勝手も最高
FuncsionキーやPageDown/UpキーがないがFnキーとの組み合わせで入力可能
日本語配列は矢印キーも存在し使い勝手◯
ここで満足してやめておけばよいものを、ここでこんなことを感じ始めます。
HHKBが本当に最高の打鍵感なのだろうか..
メカニカルキーボードというやつはどんな感じなのだろうか..
NuPhyやKeychronやその他諸々のキースイッチごとの違いも気になる..
TapeMod?ルブ?
そして気になって気になって仕方なくなり、ちょっとだけ沼の深みに入り始めます。
ZUOYA GMK67
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まずはお試しということで、AliExpressで探していたところ、GMK67という当時6,000円弱という安さで売られていたZUOYA GMK67を購入。
キースイッチはKeychron K Pro SilverやKailh Midnight Silent V2 Switchといったスイッチを購入して組み立て。キーキャップは見た目がかわいい、QX Carmine Cloud Keycapsetというものを購入(コペックジャパンさん)。
キースイッチを取り付ける前にキーボードを分解し、PCBの上側にマスキングテープを3層貼り付け、TapeModという改造を施しました。
GMK67は安いボードにもかかわらずガスケットマウントになっており、リニアスイッチ(赤軸系)とTapeMod、そしていい感じのキーキャップを組み合わせることで何とも言えないスコスコ感、打鍵感が得られ、「これは…いい」という感じでした。HHKBとはまた違う、メカニカルキーボードならではの打鍵感と、静音性に酔いしれます。
なおGMK67はなんせお安いので、Blackも購入しています。↓
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GMK67でもかなりいい感じだったのですが、今度は次のような思いが浮かんできます。
やっすいGMK67でこんなに良いんだったら、もっと高級なメカニカルキーボードはどんななんだよ…
GMK67はいいんだけど安いから筐体がプラスチックでちょっと安っぽいんだよなぁ…
NuPhy Halo65
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そして昨今の人気メーカー、NuPhyを購入します。
NuPhy Halo65(最近V2が出ましたね)で、キースイッチはGateron Baby Kangarooというタクタイルスイッチです。
GMK67と違って筐体はアルミで高級感、そして独特のカラーデザインが最高。Baby Kangarooによる軽快かつ爽快な打鍵感。
Halo65ではキーキャップも様々なサードパーティのものを取り付けてみましたが、どれもとてもかわいかったりスタイリッシュで良い感じになりました。
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Keychron Q1 V2
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当時(2023年6月頃)のKeychronの最高峰、Q1です。
3万円強を支払ってKeychronから購入しました。
約2kg、重いですが安定感は最高です。
キースイッチはKeychronの茶軸。
重厚なアルミニウムボディとPBTキーキャップ、ガスケットマウントによるコトコトという打鍵感は最高でした。Tapemodも3層仕込むことでさらに静音性も上がり良い感じに。
Akko ACR PRO68
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私の中の最高のビルドの一つ、Akko ACR Pro68です。
NuPhyのキースイッチNight Breezeとの組み合わせが最高。
KTT HaluHalo V2というリニアスイッチとの組み合わせも最高。でもNight Breezeのスコスコ感が勝ります。
キーボードを打鍵しているだけで幸せになる感じ。
このセットがしばらくメインになります。
Akko ACR PRO40
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完全に暴走を始めます。40%キーボードという、写真のとおりキーがめちゃくちゃ少ないキーボード(でも15,000円くらいした)を購入しました。
キーは少ない、でも超絶ミニマルでかっこいい・・・。軽いから持ち運びにもよさそう。
先ほども出てきたKTT HaluHalo V2というリニアスイッチと組み合わせ、最高の打鍵感をゲットし、VIAによる3レイヤーのキーマップで物理キーの不足もカバーしました。
ただやっぱりキー少ないのは辛い、慣れればかなり効率よく入力できるようになりましたが、そもそもなんのためにそんなに頑張るのかという疑念が浮かびます。そりゃそうだ。
そして
ここまで様々なメカニカルキーボードを購入し、全部記載できていませんが様々なキースイッチも試し、一旦自分の中で最高の打鍵感を得ることができました。
ただ、冷静になると同時に、自分の仕事環境からすると以下の問題が浮上しました。
仕事でMacからリモートのWindowsPCを特殊な遠隔操作ソフトで操作する必要があるが、USキーボードだと最高に使いづらい(アンダースコア入力できないなど)
在宅でもMacとWindowsの2台を使う必要があるが、基本海外からの直接購入で技適がないので無線接続できず、Macでしか使えない
Windowsに接続もできるがWindowsはキーボードの設定で日本語とUSの切り替えが超めんどくさい
NuPhyとKeychron、HomeとEndのどっちかしかキーないじゃん!
重すぎて会社には持っていけない
そして結論のキーボードが登場します。
HHKB Professional HYBRID Type-S 雪 日本語配列
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HHKBの雪です。墨はかっこいいのですが、印字が見えないのがとてもストレスになります。ブラインドタッチはできますが完璧ではないし、パスワードを入力する際などには印字が見えないと困ります。
ということで、HHKBの雪を購入しました。
HHKBならば、これまで出てきたすべての問題を解消してくれます。(最高の打鍵感を除いて。でもHHKBも最高なのでOK)
そしてHHKBもいろいろを弄り始めます。
まずお約束の無刻印モデルも買います。(お金…)
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無刻印モデルは、本体上部の「HHKB Professional HYBRID Type-S 」という刻印がなく、完全に真っ白です。尊いです。
尊いのはいいですが、前述のとおり、印字が見えないとパスワードの入力が正確にできずストレスで倒れます。
なので、一部刻印キーキャップに入れ替えます。
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いい。いいんだけども、一部だけ無刻印にする意味が感じられなくなり、結局すべて刻印キーキャップにしました。
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これが今現在の完成形です。
普通のHHKBと違うところは、ベースが無刻印モデルなので、「HHKB Professional HYBRID Type-S」という刻印がありません。
「ちょっとだけ普通と違う」ということで自己満足感を充足しています。
なおリストレストはEnich agent 木製リストレストです。安いのに質感がよく高級感もあって最高です。
HHKB Studio 日本語配列 墨
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実はその後Studioにも手を出しました。静電容量無接点方式ではなくメカニカルになったのですが、コトコトという打鍵感は最高で、さらにポインティングスティックと左右クリックもボタンが付いていてマウス操作も可能という最強キーボードです。が、私の場合はキー入力中に突然完全無反応になるという不具合に見舞われました。
サポートが真摯に対応してくださり、別の検証用本体を送っていただいて切り分けなども行いました。しかし複数のPCでの接続や別の本体でも現象が再現してしまうことから、最終的には「返品」とし、HHKB雪を最終的な相棒とすることを決意いたしました。(おま環の可能性が高いのですが複数PCで再発したためよくわからず)
あと、結構重いので、非Studioの方が持ち運びには向いています。
かなり初期のことなので今はもう問題ないと思われます。そういえばStudioも雪が出ましたね・・
さいごに
最後まで駄文をお読みいただき誠にありがとうございました。
私が少しだけキーボード沼を泳いで得た教訓は以下です。
自分のキーボードの使い方、環境をよく把握し、そのユースケースに合致するキーボードを買うこと
当たり前なのですが、打鍵感だけ追い求めていると本当に沼ります。
最近 REALFORCE RC1というまたくすぐられまくる製品が出ましたが、私にはHHKBがついている!買わない・・必要ない・・・FnのキーがHHKBのほうが使いやすいしね・・キーマップで変更できるなら…
と、新しいものを見ると危険な状態になるので、教訓を思い出して耐えています。
また、
「US配列のキーボードは意外と使いやすい!環境があえば使いたい」
ということもわかりました。いつかHHKB 英語配列にもチャレンジしたいと思います。
それでは。
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