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PySimpleGUI使い方ガイド

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目次- PySimpleGUI使い方ガイド

  • PySimpleGUI使い方ガイド

    • 目次- PySimpleGUI使い方ガイド

    • 1. はじめに

      • 1.1 PySimpleGUIとは?

      • 1.2 本記事の目的

    • 2. 導入

      • 2.1 使用方法の概要

        • 2.1.1 ウィジェットの配置

        • 2.1.2 イベントループ

          • イベントとは?

          • イベントループの動作

          • イベントハンドリングの重要性

        • 2.1.3 GUIプログラムの終了

          • ウィンドウのクローズイベント

          • 特定のアクションによる終了

      • 2.1.4 サンプルに沿った説明

        • 2.1.4.1 ウィジェットのサイズ設定

        • 2.1.4.2 デザインテーマの設定

        • 2.1.4.3 ウィジェットのイベントハンドリングの有効化

        • 2.1.4.4 ウィジェットへの名前の付与

        • 2.1.4.5 既存のウィジェットへのアクセス

    • 3. ウィジェット(Widgets)

      • 3.1 文字列,画像の表示

        • 3.1.1 Text

        • 3.1.2 Image

      • 3.2 文字の入力

        • 3.2.1 InputText

        • 3.2.2 Multiline

      • 3.3 ボタン類

        • 3.3.1 Button

        • 3.3.2 Checkbox

        • 3.3.3 Radio

      • 3.4 選択入力

        • 3.4.1 Listbox

        • 3.4.2 Spin

        • 3.4.3 Slider

      • 3.5 枠,区切り線

        • 3.5.1 Frame

        • 3.5.2 VerticalSeparator

      • 3.6 進捗バー

      • 3.7 表,ツリー

        • 3.7.1 Table

        • 3.7.2 Tree

      • 3.8 様々な表示構造

        • 3.8.1 Tab,TabGroup

        • 3.8.2 Pane,Column

        • 3.9 メニュー

          • 3.9.1 OptionMenu

        • 3.9.2 MenuBar

        • 3.9.3 ButtonMenu

      • 3.10 Canvas

      • 4. ポップアップウィンドウ

        • 4.1 入力

          • 4.2 報告,確認のためのポップアップ表示

        • 5. ウィンドウの扱い

          • 5.1 リサイズ可能にする設定

          • 5.2 ウィンドウのサイズと位置について

          • 5.3 テーマの設定

        • 5.4 タイトルバーの有無

    • 6. 付録

      • 6.1 matplotlibで作成したグラフをレイアウトに埋め込む方法

      • 6.2 Tkinterのオブジェクトとの対応

    • 7. さいごに

    • 8. 参考情報

1. はじめに

PySimpleGUIは、PythonでGUIアプリケーションを手軽に開発するための強力なツールです。本セクションでは、PySimpleGUIがどのような特徴を持ち、どのような問題を解決するのかについて詳しく見ていきます。

1.1 PySimpleGUIとは?

PySimpleGUIは、シンプルなインターフェースと豊富な機能を備えたPythonライブラリです。従来のGUIライブラリよりもシンプルな構文を提供し、初心者から上級者まで幅広いユーザーに利用されています。その名前通り、シンプルで分かりやすいAPIを提供することが特徴であり、少ないコード行数で効果的なGUIアプリケーションを構築できます。

1.2 本記事の目的

この記事では、PySimpleGUIの基本的な概念から応用までをカバーしていきます。具体的には、ウィジェットの配置方法、イベントハンドリングの基本、ウィンドウの操作、デザインのカスタマイズ、高度なトピックなどについて詳しく説明します。PySimpleGUIを使ったGUIアプリケーションの開発において、どのようにして効率的に作業するかを学ぶことを目指しています。

次のセクションからは、PySimpleGUIの基本的な使い方について詳しく解説していきます。ウィジェットの使い方やイベントハンドリングの方法を理解することで、自分自身でGUIアプリケーションを作成できるようになるでしょう。

本記事を通じて、PySimpleGUIの魅力と潜在能力について深く理解し、実際のアプリケーション開発に活かしてみましょう。

2. 導入

PySimpleGUIを始める前に、基本的な概念と使い方について理解しましょう。このセクションでは、PySimpleGUIの基本的な導入方法と基本的な機能について紹介します。

2.1 使用方法の概要

PySimpleGUIは、シンプルな構文と直感的なウィジェット配置によって、PythonでのGUIアプリケーション開発を効率化します。以下では、PySimpleGUIの使用方法の概要を説明します。

2.1.1 ウィジェットの配置

PySimpleGUIでは、ウィンドウに配置するウィジェット(ボタン、テキスト、入力フィールドなど)をシンプルな方法で指定できます。例えば、以下のコードで「Hello, PySimpleGUI!」と表示するウィンドウを作成できます。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!")], [sg.Button("OK")]]
window = sg.Window("My Window", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED or event == "OK":
        break

window.close()

2.1.2 イベントループ

PySimpleGUIのGUIプログラムでは、ウィンドウが表示された状態でユーザーの入力を待ち続ける必要があります。そのためには、イベントループと呼ばれる無限ループが使用されます。このセクションでは、イベントループの概念とその役割について詳しく説明します。

イベントとは?

イベントは、ユーザーが行う操作や、プログラム内で発生するアクションを表します。例えば、ボタンのクリック、キーの入力、ウィンドウのクローズなどがイベントとして扱われます。PySimpleGUIのGUIプログラムでは、これらのイベントを感知して適切なアクションを実行することが求められます。

イベントループの動作

イベントループは、ユーザーの入力やイベントが発生するのを待ち続ける無限ループです。基本的な構造は以下のようになります。

while True:
    event, values = window.read()  # イベントの待機とデータの取得
    if event == sg.WIN_CLOSED:
        break  # ウィンドウが閉じられたらループを終了

上記の例では、`window.read()`がイベントを待ち、イベントが発生したらそれに対応するアクションを実行します。もしウィンドウが閉じられた場合、`sg.WIN_CLOSED`というイベントが発生するため、これを検知してループを終了します。

イベントハンドリングの重要性

イベントループを正しく実装することは、GUIプログラムの正常な動作に不可欠です。ユーザーの操作に迅速に対応し、適切なアクションを実行するためには、イベントハンドリングのコードを適切に配置することが重要です。正しく実装されたイベントループによって、ユーザーとのインタラクションがスムーズに行えるようになります。

2.1.3 GUIプログラムの終了

PySimpleGUIのGUIプログラムを終了する方法について理解しましょう。プログラムの終了は、ユーザーがウィンドウを閉じるか、特定のアクションを実行した場合に行われます。このセクションでは、GUIプログラムを正しく終了させる方法を詳しく説明します。

ウィンドウのクローズイベント

GUIプログラム内で最も一般的な終了条件は、ウィンドウがクローズされたときです。ウィンドウがクローズされると、プログラムはイベントループから抜けて終了します。以下のコードは、ウィンドウのクローズイベントを処理する例です。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!")], [sg.Button("OK")]]
window = sg.Window("Exit Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED:
        break  # ウィンドウが閉じられたらプログラムを終了

window.close()

特定のアクションによる終了

ユーザーが特定のアクション(ボタンクリックなど)を実行した場合にも、GUIプログラムを終了させることができます。以下のコードは、ボタンクリックによってプログラムを終了する例です。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!")], [sg.Button("Exit")]]
window = sg.Window("Exit Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED or event == "Exit":
        break  # ウィンドウが閉じられたか「Exit」ボタンがクリックされたらプログラムを終了

window.close()

プログラムを正しく終了させることは、ユーザーエクスペリエンスとプログラムの動作に影響を与える重要な要素です。ウィンドウのクローズイベントや特定のアクションに対する処理を適切に実装することで、ユーザーとの対話をスムーズに終了できます。

2.1.4 サンプルに沿った説明

このセクションでは、PySimpleGUIを使用した基本的なウィジェットの配置方法やウィンドウの操作方法を、具体的なサンプルコードを交えて詳しく説明します。以下のサンプルを通じて、PySimpleGUIの基本的な使い方を理解しましょう。

2.1.4.1 ウィジェットのサイズ設定

ウィジェットのサイズを設定するには、ウィジェットのインスタンス生成時に`size`引数を指定します。例えば、以下のコードは、テキストを表示するウィンドウを作成し、テキストの幅と高さを設定しています。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!", size=(20, 2))], [sg.Button("OK")]]
window = sg.Window("Size Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED or event == "OK":
        break

window.close()

2.1.4.2 デザインテーマの設定

PySimpleGUIでは、ウィンドウのデザインテーマをカスタマイズすることができます。以下のコードは、デザインテーマを設定したウィンドウを作成する例です。

import PySimpleGUI as sg

sg.theme("DarkBlue3")  # デザインテーマを設定

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!")], [sg.Button("OK")]]
window = sg.Window("Theme Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED or event == "OK":
        break

window.close()

2.1.4.3 ウィジェットのイベントハンドリングの有効化

PySimpleGUIでは、ウィジェットのイベント(ボタンクリックなど)を処理するために、イベントハンドリングを有効化する必要があります。以下のコードは、ボタンクリックイベントを処理する例です。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!")], [sg.Button("OK")]]
window = sg.Window("Event Handling Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED:
        break
    if event == "OK":
        sg.popup("Button clicked!")

window.close()

2.1.4.4 ウィジェットへの名前の付与

ウィジェットに名前を付与することで、特定のウィジェットを識別しやすくなります。以下のコードは、名前付きのボタンを配置する例です。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!")], [sg.Button("OK", key="ok_button")]]
window = sg.Window("Named Widget Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED:
        break
    if event == "ok_button":
        sg.popup("OK button clicked!")

window.close()

2.1.4.5 既存のウィジェットへのアクセス

ウィンドウ内の既存のウィジェットにアクセスするには、`window[ウィジェットの名前]`という形式でアクセスします。以下のコードは、名前付きのテキストを更新する例です。

import PySimpleGUI as sg

layout = [[sg.Text("Hello, PySimpleGUI!", key="output_text")], [sg.Button("Update")]]
window = sg.Window("Access Widget Example", layout)

while True:
    event, values = window.read()
    if event == sg.WIN_CLOSED:
        break
    if event == "Update":
        window["output_text"].update("Updated text!")

window.close()

これらのサンプルコードを通じて、PySimpleGUIの基本的な機能を理解し、自分自身でGUIアプリケーションを構築する際の手法を学びました。

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