地震が起きたらまず動画を撮る大人たち
こんにちは、こんばんは
虎の虫です
「#それぞれの10年」を見たときに、このタイミングでnoteを始めたのも何かの縁。書かなければと思い立ち、書くに至りました。
東日本大震災が起こった当時、私は小学5年生でした。その日はちょうど1つ上の先輩方の卒業式が午前中に行われていたので、地震発生時は家にいました。
私が住んでいた地域はさほど揺れなかったらしいのですが、かなり怖かったのを今でも鮮明に覚えています。”らしい”というのも、私が住んでいた地域の震度を調べる機会が後々あったのですが、当時小学5年生の時の感覚よりも数字で見るとはるかに揺れていなかったのです。
その調べる機会というのが2,3年前に起こった大阪府北部を震源にした地震です。
この大阪北部地震発生時は通学の電車の中だったのですが、発生した瞬間に東日本大震災のことが脳裏によぎりました。
何度も何度も見た、津波の映像。数年前から、ここ数年で高確率で発生すると言われている南海トラフ。全てが脳内で繋がり、心の底から恐怖を感じました。
でも、その恐怖を顔には出せなかったんです。
なぜなら目の前に小学生が座っていたから。
目の前に小学生の子が一人、地震で揺れた後の満員電車の中でポツンと不安そうな顔をしていたら、高校生が不安な顔なんてできないですよね。
自分が小学生の時に地震で怖い思いをしているので尚更です。
その時私はスマホを持っておらず、地震が起きたこと以外なにもわからなかったので、下手に大丈夫だよとも言えないこの状況。
ふと周りを見ると、周りの大人たちはスマホで動画を撮っていた。
目の前に今にも泣きそうな顔をしている小学生がいるのに、さも面白いことが起こっているかのような眼差しで動画を撮る大人たち。異常な光景。
心底腹が立った。
と共にとてつもなく考えた。
どうしたらこの小学生をちょっとでも安心させてあげられるのか。
電車からは出られないし、スマホを持っていなかったので自分の手で新しい情報は得られない。これくらいしか考えることはなかったですし、とにかく何か考えて自身の不安を頭の隅に追いやりたかったのだと思います。
結局なにも思いつかず、目が合うたびに微笑むことしかできませんでした。
そのまま、電車が駅に戻され、人の波にのまれ小学生を見失ってました。最初はその子の事が心配だったのですが、今から学校に行くべきなのか、高校に電話しないと、等々自分の事でいっぱいいっぱいになってしまい、いつの間にか頭から抜けてました。
と、その子の事を久しぶりに思い出したのが、先日2/13に東北地方で地震が起きた時でした。私が住んでいる地域では全く揺れなかったのですが、なぜか緊張してしまって全然寝れませんでした。
そんな寝れない夜、オードリーのオールナイトニッポンを聞きながらあの小学生の事を思い出してました。小学生、高校生と地震を経験して、大学生になった今なら、あの小学生をちょっとでも安心させてあげられるんですかね。
自信は未だないです。けど、地震が発生した時、いの一番に携帯を開いて動画を撮るような大人になってなければ良いなと思います。
虎の虫