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人は守るものがあるから強くなる

ウクライナのゼレンスキー大統領は、英雄だと思う。
自らの命をかけて先頭立ち、国民に呼びかけ、勇気づけ導いている。
出国する人の波に逆行して、国を守ろうと戻ってくるウクライナの男たちの姿も英雄そのものだ。

わたしは、終戦ごろに生まれた親に育てられた世代だ。
学校教育では戦争の悲惨さや平和の尊さを学び、過剰な愛国心を煽った時代は過去の誤った記録にすぎなかった。

日本人の精神の堕落を嘆く、作家や文化人の言葉も遠いところのものであり、どこか危険な思想のように感じていた。
日本人の精神性が廃れていくのを嘆くのは老人ばかり。
「面倒なことを考えるより、目の前の娯楽で人生をエンジョイしろ」と
我々は、グローバル化に向けて世界標準に開かれろという教育を受けた。

でも、そのときに感じていた違和感を、今ようやく理解し始めた。
自尊心というのは、母国とういう土台があって育まれるものなのだ。それは、よくある右に偏った優越感情に基づくものではなく、出自の文化の成り立ちやあり方を誇るもの。
優生思想や差別を煽るような考えを持つのは、逆に強い劣等感の裏返しでしかない。

自然豊かなこの国で生まれたことを誇りに思い、家族や人との繋がりを力にすることなしに、主権を維持していくことは難しいのではないかと、彼の国の英雄たちを前に、危機感をもった。

いざとなったら、ハイテク自衛隊が守ってくれるのだろうか。
ことによっては、この弱りきった筋肉で後方支援ができるのだろうか。
それとも、まあまあ、仲良くやりましょうとヘラヘラと侵略者に擦り寄るのか。

まだ起きていないことを、考えていてもしょうがないが、もっと強いリーダーが出てきてほしいものだし、我々ももっと繋がりを深めなければならないのかもしれない。










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