香川移住者のうどん考察
生まれが関西なので、うどんは幼少の頃からよく食べていて好きだった。
薄い出汁に柔らかいうどんは、甘いおあげさんをのせてよく出てきた。
その後、関東に引っ越してからは、ほとんどうどんを食べなくなり久しかったのが、今年うどん県に移住してうどん生活の再開である。
ところが、うどんの美味しさがよくわからなくなっていることに気がついた。ほとんど味に大差がないように感じるのに、人は「ここは美味しい、あそこまずい」と評している。
実際に名店だと人がこぞって賞賛する店のうどんについても、正直なところわたしの頭の中はハテナマークでいっぱいに。
あれ、うどんってなにが美味しんだっけ?
そう思って人に聞いてみると、どうやら麺の小麦の香りやコシの強さが一番の評価点らしい。
それに対し、わたしは出汁の味に注目していたのだ。おそらく関西文化圏で育った人は同じ感覚だろう。うどんの味について質問したときに、出汁について話し始める人がいたら、同じ背景の人だなあとちょっとホッとする。
関西人のうどんは、一番に出汁!
讃岐うどんは、一番に麺、二番に出汁!もしくはだし醤油なのだ。
ゆであがった麺にだし醤油をぶっかけ、ツルツルとしてしっかりした歯応えのうどんを食べる。その食感を楽しむのが讃岐うどんの醍醐味で、出汁はあくまで後方支援っぽい。
かといって、出汁も手を抜くと片手落ちになるので、熱心に研究された出汁醤油がたくさん出回っている。これは料理に使ってもとても素晴らしい結果をもたらしてくれるので、お気に入りの一本は手放せない存在に。
こうして、毎日うどんのことを考え、うどんについてレビューし、人と情報を交換していると、まさに頭の中はうどんでいっぱい。
香川のキャラクターに「うどん脳」がいるが、あれはリアルに香川に住む人のデフォルメだ。
うどんを愛し、うどんに絡め取られながら、うどん脳として生きている。