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6.1992年 外人タレントとLEGACY MY FIRST

初代から「レガシィ・ツーリングワゴン」に脈々と流れるコンセプトは「グランドツーリング」です。グランドツーリングとはもともとは英国のグランドツアーから来ている。と師匠のM氏が力説していましたが。以下WIKIPEDIAより

グランドツアー:Grand Tour:Gran Turismo〈グランツーリスモ〉)とは、17世紀初頭から19世紀初頭までイギリスの裕福な貴族の子弟が、その学業の終了時に行った大規模な国外旅行[1]

レガシィのそれは「遠くまで早く安全に快適に旅する」ことでした。そして旅と言えばロマン。ロマンと言えばマロンではなく「男のロマン」少なくとも1998年くらいまでのレガシィは、その男の旅のロマンを表現する「レガシィマン」という「男」が主役でした。なので、いつも「独りの男」が孤高の旅をします。

始まったのは91年のブルースウィルスから。ダイハード1が88年なのでとても旬な頃。いかにも「独りの男」が孤高の旅をするのにまさにピッタリだったと思います。

前の項でも書いた通り91年のSUBARUはまだまだダサい会社でした。外タレのパワーというかブランドの「本気度」みたいなものを示すために外人タレントを使い始めました。

2人目はロッド・スチュアートです。2代目レガシィ93年からです。当時既にRVブームが始まりレガシィの存在感も上がっていたのですが、相変わらずRV特にワゴンはまだ市民権を得ておらず、例えば帝国ホテルに乗り付けるのがはばかれる気持ちが世の中にありました。 (いまでこそ欧州車はワゴンの販売比率の方が高く、ワゴンやSUV、ミニバンまでもが高級車として帝国ホテルに並んでいますが)

またRVは富裕層の2代目のクルマ。というイメージもありました。ベンツをお持ちの方がレガシィツーリングワゴンを買って軽井沢用に使う。といった。しかし、現実は都市の方のほとんどが1台しか持てません。

レガシィツーリングワゴン1台あれば万能です。しかも高級ホテルに乗り付けてもOKです。と世の中に思ってほしい。その結果がロッドです。

赤いフェラーリに乗ってそうなロッカー(ROCKER)がレガシィツーリングワゴンに乗って高級ホテルに乗り付けて言います。「LEGACY MY 1st」(レガシィが私の1stカーだぜ)

種明かしをしてしまうとなんですが、結果的にワゴンの地位はドンドン上がっていきました。(いまでこそ芸能人や野球選手がSUVに乗っているように) セダンがダサい。という風潮にまでなっていきます。

その後ロッドは 高級ホテルから 天文台や夜の遊園地など「知的なオトナ」な世界へ突入します。女性を伴って舞踏会にも行きます。と書いてしまうとなんですが、そのどれもがカッコよかったのです。手前味噌ですが。

そしてグランドツーリングコンセプトを語るレガシィマンの存在と共に大事にしていたのが「グランドツーリングカット」という俯瞰の映像です。ドローンのない時代なのでヘリを使っていましたが、広大な土地を気持ちよくグランドツーリングする絵が必ず入っているのが当時のレガシィCMの特徴です。

マーケティング的にはレガシィツーリングワゴン1台あれば万能です。しかも高級ホテルに乗り付けてもOKです。と世の中に思ってほしい。その結果がロッドです。と言うところが味噌ですが、これも決してこちら側(発信者側)の思いだけでは成り立たず、世の中(時代)の空気もターゲット(お客様)の気持ちもなんとなくそういう方向だったところを強力に後押しした。のが勝因だったと思います。

ちなみにタレントの撮影はL.Aが定番なのですが、グランドツーリングカットを撮る定番の場所がL.A近郊の広大な牧場のテホンランチでした。



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