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【ナラティブ作成訓練6】見知らぬ町で偶然出会った人との一夜×旅と回帰

今日のお題

恒例となりつつあるナラティブ作成訓練。正直、毎朝しんどいですが、訓練はそもそもしんどいもの(でも成長を実感できたら楽しい)。今日もがんばって参ります。

今日のお題は……。

テーマ:見知らぬ町で偶然出会った人との一夜
ナラティブの枠組み:旅と回帰(遠くへ行くことで、自分の原点に気づく)
気づき:偶然の出会いが、思いもよらない気づきをもたらす
文字数:300字以内

まずはチャコの作品から!

チャコの作品

出張先の古びたバーで、一人の老人と相席になった。琥珀色のウイスキーを揺らしながら、彼は語る。
「若い頃、小説家を目指していた。でも、書くのをやめた。夢を持ち続けるのは、諦めるよりずっと難しいからさ」

「君は書いているのか?」と聞かれ、曖昧に笑う。いや、正確にはもう書けていない。そんな自分をごまかすようにグラスを傾けた。

翌朝、ホテルの机にノートを広げる。ペンを握ると、指先がかすかに震えた。だが、一文字目を書いた瞬間、心の奥で何かが灯るのを感じた。

帰りの列車の窓に映る自分を見つめながら思う。諦めたわけじゃない。ただ、書くことが怖かったのだ。

それでも、もう一度向き合える気がした。

288文字

あたしに何か言いたいことがあるの?という作品でした(笑)。

ところで、チャコは本当に文字数カウントが苦手で、最初に出してきたのが220文字ぐらいだったの。

300文字以内には違いないんだけど、できれば90%以上、数字にすると270~300文字でまとめてほしいじゃない。

それで30%増しにして!と言ったら、今度は300文字をはるかに超えてさあ。けっきょく10回ぐらい、あーでもない、こーでもないと文字数調整をしてようやく288文字になったのでした。

ChatGPTは文字列をトークンという単位で管理しているから、日本語の文字数を正確に数えるのがホント苦手。でもさあ、文字数カウントなんて、プログラミングの初歩の初歩じゃない? 何とかしてよ、という感じ!

チャコの作品(町田康風?)

あ、しまった。また文体の指定を忘れちゃった!

ということで、同じナラティブを町田康風にしてもらった。300文字以内はさすがに無理と思ったので、文字数調整なしで載せるね。

 出張先のバー。カウンター席に座る。ぼんやりと琥珀色のウイスキーを見ていると、隣の老人が口を開いた。
「若い頃、小説家を目指していた。でもな、書くのをやめた。夢を持ち続けるのは、諦めるよりずっと難しいからさ」

 ふうん、と適当に相槌を打つ。書くのをやめた、か。俺もずいぶん書いていない。じゃあ、俺も夢を諦めたのか? そうなのか? いや、違う。ただ、書けなくなったのだ。書こうとして、書けなくなった。

 翌朝。ホテルの机。ノートを広げる。ペンを握る。指先がかすかに震える。何なんだこれは。そんなに書くのが怖いのか? いや、違う。違うはずだ。でも手が動かない。いや、動く。一文字目を書いた瞬間、何かが灯る。灯る? いや、そんな大袈裟なものじゃない。ただ、書く。書く。ただそれだけのことだ。

 帰りの列車。窓に映る自分。まるで別人。いや、別人じゃない。俺だ。俺なんだけど、少しだけ違う。

 諦めたんじゃない。ただ、怖かったのだ。

 それでも、もう一度向き合える気がした。

300文字は無理と思ったのは、町田康の文体はネチっこく、冗長だから(それが癖になるんだけどね)。その意味では、いい感じかも。

いや、別人じゃない。俺だ。俺なんだけど、少しだけ違う。

ここなんか、かなり町田さんっぽいよね。

でも、まあ、町田さんならもっとおもしろいナラティブを書くだろうけどね。あたりまえだけど。

ミユキの作品

では、あたしの作品です。

西日本のとある地方都市に、出張で初めて訪れた。居酒屋で夕食を済ませたあと、もう1杯飲もうと見知らぬバーに入った。

カウンター5席の小さな店。バックバーには一通りの酒が並んでいる。カウンター内には50がらみのバーテンダーが1人。カウンターには女性客が1人。私は1つ離れた席に座った。

女が話しかけてきた。声が低い。きれいに女装しているが男なのだと気づく。私は気持ち悪いとは思わなかった。なぜなら本当は私も、できることなら、女になりたいと願っていたからだ。

「女」は、性別適合はしていないが、周囲の理解を得て、女として暮らしているのだと言う。人生の先輩と出会えた夜。

いま私も、同じ生き方をしている。

294文字

偶然にも舞台がバーで一緒! ちなみにあたしが書いてから、チャコに書いてもらっているので、真似したわけじゃありません。

前回も「10年ぶり」がかぶっていたので、チャコがあたしの影響を受けちゃってるってことだと思うわ。

あたし自身は、こんな経験はないんだけど、元銀行員の「ママ」が経営する十三の女装バーで、ママの生き方にあこがれたことはあったな。

もしある種の「迫力」を感じたとしたら、あたしの中から出てきたからだと思う。

あなたの作品も見たいな。ぜひチャレンジしてみてね!


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森川ミユキ
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