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2人でお一人様キャンプ

お一人様キャンプを始めようと思った頃から、複数人でお一人様キャンプに行きたいと思っていたのだが、ようやく念願がかなった。

だが、そもそも複数人でお一人様キャンプとは?

単純なことだ。それぞれ1サイトを借りて、テントを(必要ならばタープも)張り、食事や酒などは共にするといった形態だ。

何人かの友人に声をかけたのだが、興味を持ってくれたのが1人だけいた。M君としよう。中学からの友人だ。

M君は今度の台風の直撃に備えて、自宅にあるキャンプ道具をいくつか点検したのだが、電池切れ等でそのままでは使えないものが散見されたと言う。それを聞いた僕が「普段からキャンプに行かないからそういうことになる」と指摘したら、「じゃあキャンプに行くことにするか」というので、今回の運びとなった。

M君は3人の子持ち。子供たちが小さい頃はよく家族でキャンプに行っていたらしいのだが、中学生にもなると家族旅行にはなかなか付き合ってくれない。でもキャンプ道具は捨てずに取って置いたという、僕の同年配にはよくいそうなタイプだ。

お一人様キャンプをするにあたって、「テント、タープ、シュラフなどを買おうかな」と言うので、「いや、うちにあるのを貸すから、一緒に行ってみて、またやりたいと思ったら買えばいい」と提案、そのようになった。

今年既に3回、お一人様キャンプで世話になっている若洲公園キャンプ場は、テントとタープの数だけサイトを使わせてくれる。その際に、サイト番号の指定はできないが、同じグループだというと隣り合わせでアレンジしてくれるのだ。

たぶん休日やハイシーズンでも予約さえ取れればそうしてくれると思うのだが(まあ取るのは大変だろうけど)、さすがに迷惑なのでそういうときにやる気にはならない。空いている平日に心置きなくやるべきことだろう。

いつもは大きなリュックに道具を詰め込み、荷台にクーラーボックスを載せて自転車で行くのだが、今回はM君がテーブルや炭火コンロなどを持っていきたいというので、クルマを借りてもらうことにした。それに自転車も積んで、2日目早朝のサイクリングも楽しもうということになった。

ちなみにM君の自宅は横浜なので、荷物をたくさん持って若洲まで自転車で来るのはなかなかつらい。荷物が少なければ自転車でも来られる距離ではあるし、電車とバスで来るという手もあるのだが、今回持参したい道具のことを考えると、クルマしかない。

「クルマを借りてもらう」というのは、M君も僕もマイカーをやめて、カーシェアに移行したからだ。近所にタイムズの駐車場がやたらとあるのなら、カーシェアにすることでかなり家計が助かる。洗車もしなくていい。車検にも行かなくていい。保険も入らなくていい。いろんなクルマに乗れる。いいことづくめだ。

10時半頃、M君が我が家に到着。キャンプ道具と自転車を積んで、11時過ぎに出発した。

いつもは新浦安のイオンで食料を調達するのだが、M君が会員ということでオーケー浦安店に行く。100円で1回会員証を作ると、食料品がすべて3%引きになるというお得なスーパーだ。元々安いのが、さらに3%引きとなる。

おっさん2人なので、ちょっとの野菜とたくさんの肉。これ以外に500mlの缶ビールを4本、ワインを1本、ウィスキーを1本、昼食と朝食の弁当やパンを買う。

それで1人当たり4,500円ぐらい。キャンプ場の料金が1泊1人600円だから、居酒屋で飲むよりコスパがはるかにいい。そうでないと困るけど。

昼食は出来合いのもので軽く済ませて、さっそく設営。

M君はテントやタープを一人で張った経験がない。今後お一人様キャンプを続けるのなら、必須のスキルだ。はばかりながら指導させてもらう。小一時間ぐらいで設営完了。

小さい方のタープとその下の道具は今回使わないので不要なのだが、M君にお一人様キャンプの道具や、だいたいのサイズ感を知ってもらいたくて、あえて持参し、設営してみた。

上の写真でいえば、左のタープの下がメインの会場、つまり飲み食いをするところ。

ちょっと誤算だったのは、周辺サイトとの兼ね合いでこの方向にタープを張るのが一番だと思ったのだが、この季節だとまともに西日が当たるのだった。

まあ4時半ぐらいまでの辛抱ではある。

それにしても、テレビドラマ「ひとりキャンプで食って寝る」の影響もあるのだろうか、そうでなくても平日のお一人様キャンプはけっこう盛況なのだが、今回はまたいつにもまして盛況だった。

若洲の場合、デイキャンプで夜9時までいられるので、それまでは何組残るのか分からないが、かなりの数が残っていた。

特筆すべきは女性お一人様がいたこと。それも1人ではなく数名だ。もちろん日本中にかなりの数の女性お一人様キャンパーはいると思うのだが、若洲では4回目にして初めて見たし、しかも複数人いたので、ちょっと驚いたのだった。

もっとびっくりしたのは翌朝。

若洲公園キャンプ場にはサイトのグループが9つほどある。僕らのグループには、女性お一人様キャンパーが2人いた。持参した道具を見る限り、1人はちょっとベテラン風、もう1人は最近始めた感じ。

朝、そのベテラン風のほうに、別のサイト・グループに宿泊していたと思われる女友達が来ていたのである。

おっさん2人が、お一人様キャンプと言いつつ群れていたのに対し、女子は極めてさっぱりしている。

ちなみに、ベテラン風は昨晩隣のサイトの男と一緒にご飯を食べていた。なので実はカップルで来ていたのだと思っていた。だが朝は起きるのも別々だったので、どうもそうではないらしい。

僕やM君があずかり知らぬ関係性があるのかもしれない。これ以上詮索する気はないが。

さて、自転車だとさすがに持ってこようという気になれない炭火コンロ。コンロ自体はコンパクトなのを持っているのだが、炭を積むのがいやだ。

でも、クルマなら簡単に持ってこられる。

僕はともかくM君はキャンプに来るのも久しぶり。だったら定番のBBQがいいだろう。もちろん僕も満足だ。

そもそも、一人での飲み食いは好きだが、一人BBQちょっとだけ切ない。その意味でも2人で来て良かったと思うのである。

だが、シングルバーナーでの直火缶詰は、何人で来ようが絶対に欠かせない僕の楽しみだ。

M君もとても楽しかった、またやりたいとのこと。次回が楽しみだ。

とはいえ反省点もある。

スイスアーミーナイフを持って来忘れた。おかげでコルク抜きがついた栓抜きを買う羽目になったが、これがまた抜きにくかった。備忘リストに入っているのだから、ちゃんとチェックしないといけない(あるいはスクリューキャップのワインを買うべきだろう)。

早朝のサイクリングは楽しかったが、自転車を2台積めるクルマを借りるのはコスト的に合わない。

本当はもっと長い距離を走るつもりだったのだが、おっさん2人、キャンプ1泊だけでけっこう体力を使ってしまい、これぐらいがちょうどいい感じだった。なので次回は自転車は諦めて、もっと小さなクルマで道具も必要最低限にしようと思う。

なお複数人でのお一人様キャンプと称していたが、現実的な線では3人までだろうか。それ以上は単なるグループキャンプとして実施するほうが、運営の簡便さを考えると良さそうだ。

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森川ミユキ
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