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おまかせコースについて

事前のご予約(できれば1週間以上前)で、おまかせコースもご用意できます。
あまりアナウンスができていませんが、今月はたくさんご予約を頂きました。
おまかせコースでは、より当店topinamburらしいお料理をお楽しみ頂けます。
コースは金額で、6000円、8000円、12000円(全て税込み)と3種類あります。
内容は季節などによっても変わりますが、今回は先日12000円のコースをお召し上がりいただいたお客様(実は勝手に仲間だと思っておりますが)にお写真をお撮りいただきましたので、ご紹介させて頂きます。


1品目
「秋映のコンブチャ」
秋映はりんごの品種名です。
りんご王子のりんごジュースを砂糖などを使わず、りんごの糖分だけで発酵させました。
コンブチャはスコビーと呼ばれるバクテリア、菌類の共生群落による協調性発酵によりできたものです。
腸内環境を整えてくれるとか免疫力を高めてくれるとも言われています。
ですが一番の注目点は、その味です。
お酢とも柑橘類とも違う独特の酸味とりんごの風味が味覚を刺激し、これから始まるコースのスターターとしてピッタリだと思い、一番最初の一品として定番になっています。


2品目(写真3枚目)
「藤井ファームさんのお野菜」
古くから苦楽園で自然農をされている農家さんのお野菜を使った一皿です。
藤井ファームさんのお野菜との出会いにより、topinamburの料理は大きく進化し、僕自身の料理におけるフィロソフィーにも大きな影響を与えてくれました。
左手の器に入っているのは全て加熱したお野菜。
人参、牛蒡、キクイモ、カブ、大根、かぼちゃ、など。
(玉ねぎ、トマト、ボルロッティなど一部藤井ファームさんのお野菜でないものも使用しています)
右手は全て藤井ファームさんの生野菜です。
レタス、トレヴィス、赤軸水菜、菊菜。それに発酵させた紅芯大根、カリフラワー、小松菜、菜花です。
こちらの発酵は全て乳酸発酵。
乳酸菌といっても様々なので、やはり藤井ファームさんの畑にいる乳酸菌はすごいんだなと、その味からも察する事ができます。


3品目(写真4枚目)
「マルタ産本鮪と鮪のカラスミの」
鮪は背の赤身の部分を使っています。さっぱりとしつつも深いコクがあるのが特徴です。
合わせた鮪のカラスミはスペイン産のものです。
ボラやイタリアでは定番のマルーカとはかなり異なった味わいで、まるで日本の出汁のような味がします。
個人的にはお茶漬けにしたり、日本酒のお供にしたくなるような味です。
軽くレモンの皮を削り、蘭王の温泉卵をのせました。
鮪の身はフランス産の胡桃オイルでマリネしてあります。
温泉卵を崩して混ぜ、カラスミをかじりながら鮪をお食べ頂く、少し和のイメージで作った一皿です。


4品目(写真5枚目)
「フォアグラのテリーヌ コーヒーソース」
実はこちらは当店でもファンの多い一品です。
フォアグラをマリネして、低温で火を通しています。
マリネは塩や胡椒、コニャックなど定番のものを使っていますが、一つ特徴的なものとして味醂を使っています。
今でこそ味醂は飲めないものが多く出回っていますが、古くは飲むためのものでした。
今でも地方によっては、お正月のお屠蘇は味醂だというところも残っているようです。
なぜ飲める味醂がほとんどなくなってしまったのかは色々言いたいこともありますが、話が逸れるどころではなくなってしまいますのでやめておきます。
ただ一つだけ。「味醂は間違いなく日本が世界に誇れる最高のリキュール」とだけ。
あとこの料理を印象付けているのは、やはりコーヒーソースだと思います。
こちらのソースは作り方はとてもシンプル。
7日間ほど発酵させたコーヒーのコンブチャを60℃ほどの温度で6時間ほどかけて煮詰めただけです。他には何も加えていませんし、何もしていません。
言葉で説明すると発酵の酸味がある甘いコーヒーなのですが、実際に口にするとその複雑さとフレッシュさに驚かれると思います。
1週間も前に淹れたコーヒーで、しかも6時間も加熱したら、香りも飛んでしまいそうなのに本当に発酵って、微生物、菌は不思議です。
フォアグラの油っぽさをコーヒーの苦味が消し去り、フォアグラのコクをコーヒーの香りがより一層引き上げてくれます。

ここまでで既にかなり長文になってしまいましたので、ひとまず「前編」という形にさせて頂きます。
内容がちょっと分かりにくい部分もあるかと思いますが、できるだけ詳しく説明させて頂きたいと思って書いてみました。
続きはまた別日に書かせて頂きますね。

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